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カタカナ語に猫パンチ!

カタカナ語が苦手。
今に始まったことではないけれど…

ずいぶん長いあいだ
「ブレンド」と「ブランド」の区別がつかなかった。
街角のすてきな珈琲店、マスター猫に
ーブランド・コーヒー、ひとつニャ…
ーハワイ・コナは、いかがです?
("ハワイの粉”って、美味しいニャ~♡)

三角お耳のあいだを
カタカナ語が乱舞する。

勤め先に新しく出来た部門。
会議を開きましょう、どうぞご自由に
ご発言くださいニャア。
猫たちはニャーニャーガヤガヤ
「ダイバーシティ、ダイバーシティ」

(「ダイバーシティ」?)
小首をかしげて考えて、あっ、わかった!
潜水大好き猫たちが集まる
ちょっとおしゃれな海辺の町。

話がだんだん噛み合わなくなってくる。
横に座っていた母語が英語の親切猫が
書類の余白にそっと、DIVERSITY。
DIVERSITY=多様性、それならそれで
最初から猫でもわかるように
そう言ってくれればいいのに!

            🐾

近頃とみに氾濫する
AIカタカナ語にも、猫パンチ。

そもそもAIって、自分が困ると
すぐに英語に逃げ込むヒキョーモノ。

ついこのあいだも
一語ずつ検索するのが面倒で(横着子猫!)
二つのことばを並べて検索したら
ズラズラ~と英文が。

英語、わかりませ~んって
書き込んだら、さっそく翻訳。
仕事は早いけど、文脈から
「人間 」と訳すはずのman は「男性」に。
これはご愛敬としても――
日本語らしき文面はカタカナ語だらけ。
「エピステモロジカル」?
「オントロジカル」?

背景から切り離されて
音だけになって浮遊するカタカナ語たち。

新聞の文化欄(*)にも堂々と
                                        (*)毎日新聞2023年6月14日夕刊
「アーティストがこれまで行って来た
ラディカルな芸術活動を[…]捉え直し、
アップデートを試みた。」
記者はこう書き、評論者も
「こうした政治的なアクティビズムも
インパクトを持つが、アート・アクティビズムこそ」云々。

外国語をカタカナにするだけなら
おバカのAIにでもできますニャ。

極め付きは
この国の法律にまで
カタカナ語がしゃしゃり出て
(てんとう虫がしゃしゃり出て♫♩
サンバを踊るのならいいけれど…)

「ジェンダーアイデンティティ」
なぜ「性自認」ではいけニャイの?
この語がだめというのなら
時間をかけて考えて、話し合い
最適解を見つけましょう。
誰もが(猫でも)わかる日本語で。

            🐾

カタカナ語に猫パンチ。
擬態語や擬音は片仮名で、って習ったから
ふだんは片仮名を使っているけど
ネコたちには平仮名が似合いそう。

ぷにぷに もみもみ すりすり
ころんころん ぐるぅぐるぅ(喉声)
ふぅぅ  ふぅーう  ふぅぅ(寝息) 

でもカタカナ語には
遠慮なくカタカナで、猫パンチ!
ねこぱんち、では
やっぱり迫力不足ですもの……ね。


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