プチハッピー発信のこと①

あれは、いつだったんだろう。。。


大学を卒業して、新卒入社した会社で働いていた時だから

2002年~2005年のどこかだけれど、2005年の年初には

退職を決意する出来事があったことを考えると

2004年頃だったのかな。

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当時、吉祥寺にある地域密着型の不動産会社で働いていたのだけれど

自分としてはやりがいを持って楽しくお仕事していると

そんなふうに感じていた。


キャリア理論や労働問題、労働法などを学んだ今にして思えば

結構なブラック企業だったんだなぁと笑えるけれど

就職氷河期の時代に正社員で採用してもらえて

僅かながらボーナスも出る。

新卒なんて、仕事を学びながらお給料を戴けるんだから

こんな有難いことはない、と…本気で思っていた。


パワハラ、セクハラの温床で、勤怠管理も労働法違反で

サービス残業も当たり前。社長が「有休を使うなんて馬鹿」と

言ってしまうような会社でも、従順な子どもとして育った私は

そういうものだと思っていた。


心身が病み、心よりも先に身体が悲鳴を挙げ、緊急搬送されるまでは。


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その日も、タイムカードを押してからサービス残業をして

終バスも無くなった頃に職場を出て、帰途に就いたのだけれど

歩いて帰る気力が無かったのでタクシーに乗った。


仕事の日はかなり遅い時間まで職場にいて

休みの日は起き上がれなくて、ほぼ終日寝ていたから

手取り月収は25万円前後だったと思うけれど使う機会も少なく

「もう無理」と思った時にタクシーに乗ることくらいは出来た。


家の近くにあるコンビニを行き先として伝え、運転手さんの

世間話になんとなく返していると、ふと「風邪が流行っていますね」

という話に流れていった。


「良かったら、アメをどうぞ」

タクシーを降りる少し前に、運転手さんに言われて見てみると

確かに車内にはちいさなカゴが設置してあり、中にはかわいい

キャンディーが色とりどりで入っていた。

「お客さんも、営業の仕事だと風邪ひくわけにいかないでしょ(笑)」


たった、それだけのことだったのだけれど。

運転手さんにとってみれば、何気ない

いつものヒトコトだったのかもしれないけれど。


普段、自分が感じている「有難い」や「幸せ」とは違う

「ほんとうのさいわい」に触れた気がした。

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普段、自分が感じていた「有難い」や「幸せ」は

今にして思えば、自己肯定感が低く自信も持てずにいた私が

「辛い」「苦しい」「悲しい」を押し殺して、懸命に進む為の

一種のマインドコントロールだったのだろうと思う。

改めて振り返ってみると、本当にゾッと背筋が凍る。


それに対して、タクシーの中で感じた「さいわい」は

心にぽっと火が灯るような、やさしくあたたかなもので。


「もしかしたら日常には、こんなプチハッピーが溢れているんじゃないか」

「時間的、精神的余裕が無いと気づきにくいものなんじゃないか」

「自分がされて嬉しいと感じることは、誰かもそうなんじゃないか」

「プチハッピーを共有したり、発信したりすることで

 『確かにそれってシアワセかも』って笑顔になる人がいるんじゃないか」

・・・そんなことを考えた。

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