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juliette bijou ヘッドドレス(2023) について
Petit écrin étoile(プチエクランエトワール)のeriと申します。ロリータファッションのヘッドドレスやアクセサリーを製作しています。
今回はリニューアルしたばかりのjuliette bijou ヘッドドレスについてのnoteです。
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こちらはブランド初期に発売したシリーズで、サテン生地をたっぷり使用したヘッドドレスと雫型のパールが揺れるクラシカルな耳飾りを展開しています。
また、プチエクランエトワールでよく作る、布を沢山使って全体がフリルになっている形のヘッドドレスの一番最初の作品でもあります。
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コンセプト・デザイン共にとても気に入っているシリーズでしたが、ヘッドドレスの材料の一部が手に入らなくなったこと・販売活動の月日を重ね「当時より(技術的に)もっと上手く作れる」と思ったことからリニューアルすることにしました。
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ビーズ刺繡について、腕が上がったと感じた作品です。
「ジュリエットの涙」「暖色と寒色」というコンセプトはそのまま、形も作り方も殆ど同じですが、使用するサテン生地の色を変更したことで印象がガラッと変わり、より大人っぽいヘッドドレスとなりました。
このサテン生地は手触りのやわらかさがとてもお気に入りなポイントです。もともとは生地の光沢が控えめな裏面を使用して作っています。
新バージョンのアイボリー、ネイビーでは光沢がある表面も素敵だなと考えてもみましたが、強い光沢にフリルの陰影、ビジューが合わさると目が忙しくなってしまいそうだと感じたため、そのまま以前と同じく裏面を使用することにしました。
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サイドのビーズ刺繡モチーフはほんの少しだけデザイン変更をしています。
・中央の四角いクリスタルについて、45度程傾け、ひし形に見える置き方にしました。
・外側から3番目にほんのり色がついて光沢の強い小ビーズ(内側から2番目と同じもの)を追加しました。
・雫型のパールや細長いビーズ、パールなど大きなものを配置したのち、小さなビーズは「隙間を埋める」ように縫い付けていましたが、新バージョンでは「囲む」を意識して製作しています。
本当にごくごく若干ではありますが、モチーフがサイズアップしました。
(旧バージョンのデザインでは雫のパールがしっかり目立つように作ったため、古い方も気に入っています)
【寒色】
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生地の色をターコイズのような青緑から夜空のようなネイビーに変更しました。
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小さなフリルは旧バージョンと変わらずグレーのままです。
中央のブレードは白と水色で縄のような模様がついたブレードを選びました。
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ビーズ刺繡の部分では中央のクリスタルを以前より若干濃い緑のものにしました。生地の色に対して装飾の殆どが淡いトーンであったため、スポット的にメリハリをつける目的がありました。
また、外側のブルーのパールも変更しています。こちらは逆に以前よりも彩度が少なく少し明るいブルーを選びました。
【暖色】
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生地を少し濃いめのコーラルピンクから、ほんの少しピンク味のあるアイボリーに変更しました。
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差し色としての小フリルは以前と変わらず濃い茶色のフリルを使用しています。
中央のブレードは「寒色」と同じ種類のもので、白と黄色で模様のついたものを選びました。
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ビーズ刺繍部分は一番外側のパールを甘いピンクからとても薄いピンク(アイボリーに近いくらい薄いです)に変更しています。
また、外側から二番めの白いビーズも変更しました。
旧バージョンは「寒色」で使用したごく少しだけ透明感のある冷たい白のビーズですが、今回は生成色に近い透け感のない白を使用することにしました。小フリルの、主張が強い茶色との調和を意識して選んでいます。
どちらのカラーについても全体的な彩度が抑えられたものができました。
旧バージョンのブルーやピンクのヘッドドレスがお話の中にいるものとすれば、新バージョンはきっと本の向こう側からお話を見ているような雰囲気だなと感じています。
以前のnoteでは書いていなかったエピソードとして、「ジュリエット」をコンセプトにした経緯があります。
数年前、私は自分の結婚式の衣装決めの際、ウエディングベールに「キャップベール」という形のものを選びました。
大勢の人の前で涙を見せるのが苦手な私は当時花嫁特権を振り回し、当日の進行の中で泣く要素の殆どを省略しました。
特にベールダウンはそれまで参加してきた結婚式で泣けないことがなかったため、ベールダウンのできないベールはどこにあるんだとネットの海を探し回りました。 (式場の人にベールは必要ですと言われました)
キャップベールはそこで出会った形のアイテムで、ジュリエットキャップとも言うそうです。顔周りがすっきりしていて、後頭部の少しくしゅっとした布感がたまらなく可愛くて恋に落ちてしまいました。自分の分をオーダーした後も何度も他の形を見てうっとりする毎日をおくっていました。
私にとってそのジュリエットキャップは人に涙を見せないためのアイテムとなり、また、とても気に入って当日このベールを付けた時からとても気分が上がっていたことを記憶しています。こんな経緯からジュリエットをテーマとしたアイテムを計画しています。 (決して悲しいだけじゃないのです)
実は当初ジュリエットキャップのような形のヘッドドレスも作ろうとしていました。
何度形にしようとしても思い通りにいかず、まだまだ技術力・デザイン力を磨いていく必要があると感じています。
いつになるかは分かりませんが、もしいつか形になった際は見てくださると嬉しいです。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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