5/23から5/24にかけて考えたこと

どうしてもまとまりがつかなくて、文章にすることにした。
まずはご冥福をお祈りいたします。
死後の世界がもしあるのなら、そこで、より良い心地でいてくれたら、良いなと思う。

私はテラスハウスが好きで、一番初めのシリーズからところどころ飛ばしつつ、今まで見てきた。このシーズンも楽しみながら見ていた。亡くなった木村花さんが登場した回から最新の一つ前まで。

テラスハウスは年若い、一般人からかけだしの芸能人さんまで、バラエティに富んだ人々が出てくる。普通に生きていればきっと出会えないであろうそういう人たちの思考が垣間見える生活や、他の人とのかかわり方を見ることができるのがとても好きだった。恋愛のことも友情のことも。音楽も心地よくて、映像もきれいだった。

テラスハウスに台本があったり、やらせなのではないかという憶測は昔からあった。どっちでもいい、ただ出演者たちやその関係性が面白くて見ていた人が大半だと思う。

そのテラスハウスでこんなに悲しいことが起きてしまった。

ツイッターでは木村花さんと共に「誹謗中傷」というワードがトレンドに上がっている。これは、木村花さんが亡くなった理由がSNSによる激しい誹謗中傷にあるのではないかと言われているからだと思う。

木村花さんが亡くなった理由は、まだ明らかにされていないけれど、きっとそうなんだろうという想像で話を進める。

Twitterではたくさんの匿名の方や一般の方、著名人の方が「誹謗中傷はだめだ」「言葉は命を救いもし、殺しもする」という言葉をつぶやいている。もちろんそれは真実だ。匿名性に隠れたアンチコメントは、人を殺す力をもつ。

しかし、今回のことはそれが本質なのだろうか。私はどうにも違うように思う。テラスハウスのことを何も知らない人が、伝聞に伝聞を重ねているように思う。そういう人たちが「誹謗中傷はいけない」という発言だけを今この時にすることには少しもやもやと晴れない疑問が残る。

テラスハウスに出演するということは大きなリスクをとって知名度を得るということに他ならないと私は考えている。台本がないと明言されているリアリティーショーだ。編集の切り取り方でどうとでも表現できる。煽情的な映像の方が視聴率を稼ぐことができる。誰もがそんなことはわかっている。そんな中で、人気だけを得て今後の人生の好転につなげられた出演者が果たしてどれくらいいるのだろうか。テラスハウスは自ら応募して入ることもできるだろうが、裏の力が働いて入居ということもあるだろう。特に事務所に所属している出演者も多い。出演者だけに、出演の責任を負わせることは間違っていると思う。

テラスハウス側は、もっと出演者へのケアを考えるべきだったのではないか。さらに言うならば、もっと編集の仕方を考えるべきだったのではないだろうか。

正直、今回の誹謗中傷が殺到する一因になったであろう事象は、私がはたから見ていても木村花さんの考え方には少し違和感があった。ルームメイトからもその考え方については指摘されている。そういった事象について、更なる情報をYouTubeで未公開映像として発信した。今この時期に。

テラスハウスが始まった当初にくらべ、TwitterやInstagram、YouTubeといったSNSが発達して、出演者に直接視聴者のコメントが届きやすくなった。この部分の自粛を求めるのは正しいことだとは思う。しかし、テラスハウスの視聴者に解釈を求める性質上、視聴者のコメントを抑えることは難しいと思う。

そこに加えて、今回は新型コロナウイルスの流行という災厄があった。自粛のストレスや経済的苦しさを背負い、家にいる時間が増えた人たちの行動がどこに向かいやすいかどうかはある程度予想がついただろう。

もちろん視聴者の感情を煽って、次の視聴につなげる番組作りも大切なんだろう。だけれど、考えようはあったんじゃないだろうか。それとも、テラスハウスのようなリアリティーショーは結局間違った存在なのだろうか。出演者だけにハイリスクを取らせて視聴者はそれを見て楽しむ、悪趣味な番組なのだろうか。もちろんリアリティーショーは昨今たくさんあって、そのなかでも恋愛以外も映すテラスハウスは少し異色ではあると思う。私はそれをすき好んで見て、まわりにも「テラスハウス好きだよ」と言っていた。それは自身の至らなさを人に伝えていたのだろうか。

私は一視聴者で、裏側のことは何も知らないし、ただのほほんと視聴しながら知ったことしかわからない。いろいろな事情があるんだろう。なにもしらないでこんなことを書くのもきっと良くないことなんだろう。だけど、どこが違ったら今回のような悲しいことが起きなかったのか、木村花さんが亡くなるという結果にならなかったのか。そればかりを昨日から考えている。

願わくば、この悲しみを背負って後を追う人がいませんように。

SNSの匿名性に守られながらひどい言葉を打っている人が少なくなりますように。

花ちゃんが安らかに眠りますように。