焦がれに焦がれ続けたTOD’Sの靴を購入した話
2014年の思い出話を書き終えたところで、ふと気付きました。
この「散々吟味し、満を持して買い物に行った結果、別のものまで衝動買いしちゃった~!」という現象、つい最近も経験したような…?
私は今、銀座の外れにある蕎麦居酒屋で遅めの昼食をとっています。目の前には十割蕎麦とセットの穴子丼。どちらも美味しい。傍らにはレモンサワー。これまた美味しい。
そして、目の前には、素敵な恋人……ではなく、紙袋。オレンジ色の大きな紙袋がででーんと構えています。
実は、私が飲んでいるのはただのレモンサワーではありません。祝杯です。祝杯をあげているのです。5年ほど前からずっっっっっと憧れていたTOD’Sというブランドの靴を、ついに購入できたことを、静かに祝しているのです。
時を戻そう。
2015年。当時の私は、ハイブランドに興味を持ち始め、LOUIS VUITTONやGUCCI、CHANEL、Diorなどのイカニモナブランドモノを持つことに憧れていました。
でも、実際は購入どころか、店内に足を踏み入れることすらできませんでした。勇気もお金もなかったのです。
そんなある日、私は表参道でとあるブランドに出会いました。
全面ガラス張りで、お店の中央には、木材をダイナミックに組み上げた螺旋階段。高級感が漂っているのに温かさも感じられて、なんだかとても惹き付けられる内装でした。
当時の職場の近所ということもあって、表参道には何度も訪れていましたが、そのブランドを意識したのは初めてでした。
TOD’S
気持ちの赴くままに店内へ入った私は、革とエナメル素材でできた黒いサンダルに目を奪われました。ゴールドの金具がアクセントになっていて、クールで洗練されたデザイン。すごくすごくかっこよくて、オシャレで、よく覚えています(実は今でもオンラインショップの商品画像が写真フォルダに保存されています)。完全に一目惚れでした。
そんな私に気付いたのか、スタッフさんが上品に微笑みながら「お試しされますか?」と声をかけてきました。面倒だからと、いつもは積極的に試着をしない私なのですが、その時は勧められるがままに足を通しました。
当然、ハイブランドのお店で試着なんて初めてです。
ハイヒール自体もあまり履き慣れていないので緊張しましたが、ヒール部分が太くてすごく安定感のあるサンダルでした。何歩か歩いてみると、その歩きやすさにびっくり。私の足に馴染んでいるような気もします。
でも、お値段が15万円くらいでした。
タグを見たのかスタッフさんに聞いたのかは忘れましたが、値段を知った私は震えました。靴(しかも夏しか履かないサンダル)に、家賃の2倍以上の金額を払うなんて……私にはできない…!
「運命だ!」と思える出会いをしておきながら、私はTOD’Sのサンダルを諦めざるを得ませんでした。
しかし、 私は諦めてしまったことをめちゃくちゃ後悔しました。なぜなら、この出来事があってから、毎年夏に「どうしてあの時買わなかったんだ…」と、後悔する呪いにかかってしまったからです。
あの時のサンダルと似たデザインを探し、買えもしないのにTOD’Sのオンラインストアをチェックし、型落ち品として売られているかも…なんて期待して、TOD’Sが出店しているアウトレットに足を運んだこともありました。でも、結局再会どころかニアミスすら果たせませんでした。
そうやってTOD’Sへの想いをくすぶらせて、気付けば5年。
例に漏れず、TOD’Sのサンダルをチェックしていた2020年5月。今年はビーサンのようなデザインが多いです。歩きやすそうではありますが、フラットな靴はあまり好まない私。今年もやっぱり無いか……
と思っていたら、ヒールのあるサンダルを見つけました。
8cmヒール。
かかとは太め。
黒いレザーのシンプルなデザイン。
かかと部分に光る銀のバックル。
直感で「欲しい」と思えるデザインでした。
すかさず値段を確認すると……10万円を少しオーバーしています。家賃の1.5倍くらい。でも、ここ数年TOD’Sの靴を散々見てきたので、これなら比較的手頃な価格だと思えました。しかも、欲しいサイズの在庫がある。
買ったところで履くかな?
少なくとも今年はほとんど履かないでしょう。
遊びに行く予定はないし、もしかしたらお盆に帰省もできないかもしれない。
かと言って、会社に履いていくデザインでもないし…
そう思ったら、私はやっぱりポチれませんでした。
「買う」という選択を、またできなかった。せっかく見つけたのに、できなかった。できなかった……の…に……
夏が近付けば近付くほど、考えてしまう。
あーもう! だめだ! やっぱり買わないとだめだ!!! 頭から離れない!! そんな思いがあふれ出し、止まらなくなり、再びTOD’Sのウェブストアを訪れたのが、今日から3日前のこと。そこで私は、まさかの文字を目にします。
SALE
TOD’Sってセールやるんだ…と、素直に驚きました。イメージがなさ過ぎて。しかも、あのサンダルもセール対象で5万円引きになっている…!! そんなん買うやん。今度こそ買う。絶対買う。買うに決まってるやん。しかも黒の36(23cm)が残ってる!!!!!!!
売り切れる前に購入確定せねば!!と思ったのですが、よく見ると「店舗問い合わせ」となっていました。その時は深夜だったので、翌日お店がオープンしたらすぐに問い合わせようと決意。問い合わせ先はTOD’S 銀座店になっていたので、店頭で試着することも可能そうです。
ついにTOD’Sの靴を買えるかもしれないという興奮と、もしかしたら売り切れるかも…という焦りが入り混じり、その日はぜんぜん寝付けませんでした。
果たして購入できたのか――
その結果は、冒頭でお見せした通り。長年焦がれ続けたTOD’Sのサンダルとともに、勝利の美酒とも呼ぶべきレモンサワーを、美味しく美味しくいただいております。祝杯ウマー
実物を見たら、やはりテンション爆上がりなのでした。可愛いは正義。可愛いは世界を救う。私を救う。絶対大事に履く、履きます、履かせていただきます…なんて、気持ちが高揚しまくった結果、
白いフラットのサンダルも購入しました。
これが、「散々吟味し、満を持してお目当てのものを買いに行った結果、別のものまで衝動買いしちゃった~!」現象です。5年前から同じことやっている私って…😂
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?