ペーパー・ムーンの詩学~遙かなる二十世紀詩 (1)〈現代詩の誕生〉
現代詩はT.E.ヒュームから始まった
現代詩はT.E.ヒューム(1883-1917)から始まった、とよく言われます。
ヒュームは二十世紀最初の詩の前衛運動である「イマジズム」の理論面での中心でした。
彼は詩におけるイメージの大切さを熱を込めて主張しました ―― ヒュームとともにイマジズムをおしすすめたエズラ・パウンド(1885-1972)は「だらだらとながい作品を書くよりも、生涯にいちどひとつのイメージを表現する方がいい」とさえ言っています ―― が、二十世紀の詩の大きな