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【100円記事】カテ先確認のレントゲンを極める【前編】

イキり新人も、イキらない新人も、みなさまこんにちは。ペサ山🥨です。
基本的に放射線技師の力量は『知識×経験』で表現されるので、国家試験の知識+αしか持たない、経験ゼロの新人放射線技師さんは今頃「職場で足手まといになってるんじゃないか。。。」と、自己肯定感低めになっていることでしょう。

でも大丈夫。新人放射線技師が努力次第で中堅、なんなら主任クラスの放射線技師に追いつける、、とまでは行かなくても「簡単に距離を詰められる」モダリティがあります。そう、ポータブルXpです
まぁポータブルはポータブルなりに重要な役割がありますし、決して軽視していい業務ではありませんが、「手っ取り早く1人分として頭数に数えてもらって、戦力として医療に貢献したい」ならポータブルXpを出来るようになるのが一番です。

先ほど放射線技師の力量は『知識×経験』で表現されると書きました。『経験』を積むには撮りまくるしかありません。撮ったぶんだけ上手くなるのがポータブルです(そしてしばらく撮らないとすぐ下手になるのも)。
では『知識』は?ポータブルXpの知識ってなんやねん。
そこで#ペサnoteですよ。「わかんなくても背中に板を入れてスイッチ押せれれば業務として成立しちゃうポータブル」ぶっちゃけ知識がなくても仕事は終わります。
でも何度も言います。力量は『知識×経験』です。経験が足りない新人技師でも、知識を増やせば力量は必ず上がります。

このテーマの有料noteは全3シリーズ(各100円)で、シリーズ全体を通しては以下の内容が記載される予定です。
①中心静脈栄養(IVH)カテーテルの種類と挿入部位
②IHVカテーテルの適切な先端位置と位置異常例
③人工透析用カテーテルと位置確認のXp
④経鼻胃管の種類と目的
⑤経鼻胃管の適切な先端位置と位置異常例
⑥気管挿管後のXp
⑦胸腔ドレーン挿入後のXp
⑧ペースメーカー留置後のXp
⑨その他体内一時留置デバイスの位置確認Xp

ほとんどのセクションに、RadiopaediaMedPixの画像を供覧し、実際の臨床画像のイメージをしっかり持ちながら学べます。

そしてこの記事は第1編「中心静脈シリーズ」として
①中心静脈栄養(IVH)カテーテルの種類と挿入部位
②IHVカテーテルの適切な先端位置と位置異常例
③人工透析用カテーテルと位置確認のXp
について書いてあります。

※3シリーズに小分けしているのは決して金儲けの為ではなく、人間が隙間時間(~10分)に読める文字数が5000字くらいと言われているので、1記事の文字数の上限にこれを目安にしているためです。

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第2シリーズ・第3シリーズ記事リンク予定地
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ポータブルXpもワイヤレスFPDが普及し、撮ったその場で画像確認が出来るようになりました。そして撮影した画像を最も早く見るのは撮影した放射線技師です。留置位置が適切であるかどうか自分でも考えられ、万が一不適切であれば医師などに申し伝えることで診療のスピードを加速させることができます。それは「速く撮る」よりもずっと大事なことだと思います。

というわけでせっかくの初任給、山田🥨のnoteに投げ銭してみませんか?

1.中心静脈栄養(IVH)カテーテルの種類と挿入部位

IVHカテーテルとは、中心静脈栄養法(intravenous hyperalimentation)で用いられる点滴ラインの名称です。中心静脈カテーテル:CVC(central venous catheter)と呼ぶことも多いです。ここでいう中心静脈とは、心臓に最も近く、直接心臓へ流入する大きな静脈である上大静脈・下大静脈のことを意味します
手術後や消化器疾患などで十分な栄養が経口摂取できない場合、点滴ラインを使って高カロリーの輸液が行われます。このとき、浸透圧が高い輸液は抹消(心臓から遠い、腕などの)血管から投与してしまうと血栓性静脈炎や血管閉塞の危険があります。したがって、こういった輸液はなるべく太い血管に先端を留置したルートから投与する必要があります(血流量が多ければ、希釈されて血管に負担がかからないため)。また薬剤を効果的に全身に送り出すために、高濃度で投与する場合も同様の理由で中心静脈投与が選択されます。
(2021/4/27:追記)現在ではIVHと言う言葉よりもTPN(total parenteral nutrition)という言葉の方が一般的なようです。IVH自体は”行為の名前”であり「IVH(TPN)に使用するカテーテル=CVC(あるいはPICC)」という用語の使い方が正しいです。

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