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No.123 1994年~2012年 外国からのゲストが教室に

 前回のエッセーNo.122「1992年~2012年 外国のNIEから学ぶ旅」で欧米や豪州、韓国のNIE視察を書かせて頂きました。そのような外国の視察をしますと訪問した外国からも私の授業を視察したいというありがたいリクエストを頂きました。主にアメリカと韓国から授業視察の依頼がありました。NIE発祥の国アメリカと家族で学ぶファミリーフォーカスに取り組んでいるお隣の国韓国からのゲストが私の教室を訪問して下さいました。ヨルダン教育省からの訪問はヨルダンで研究していた知人の紹介でした。多くの外国からの訪問を快諾していただいた聖心女子学院に感謝申し上げます。
 外国からの私の教室への訪問は以下の経緯です。
1994年10月6日 アメリカ新聞協会NIE担当部長 ベティ・サリバン氏
6年ゆり組「世界のニュースをキャッチ」
1996年6月10日 韓国言論研究院 安奇徳氏
5年ばら組「サッカーワールドカップ杯 日韓開催決定」
1999年7月7日 韓国 中央日報 韓眞淑氏 
6年ゆり組「やってみよう ボランティア」
2001年1月26日 韓国新聞活用教育学会 李貞均氏
5年ゆり組「ワールドカップから広がる世界」 
2003年3月11日 ヨルダン教育省
4年ゆり組「インターネットで新聞社のホームページ探検」
2003年11月4日 元アメリカ新聞協会NIE担当部長 ベティ・サリバン氏
小林聖心女子学院小学校5年ゆり組「『どこでもドア』で世界のニュースを」(読売新聞の企画で関西を訪問したベティ・サリバン氏が姉妹校である小林聖心女子学院小学校で私の授業を参観するとともに、サリバン氏と協力授業を行う)
2007年2月6日 朝鮮日報ユー・ナニ氏、高陽市大化小学校教諭 李貞均氏
5年ばら組「テレビの捏造、新聞の盗用」
2007年6月12日 韓国言論財団 李東雨氏、金基先氏、金柄秀氏参観
6年ゆり組「『赤ちゃんポスト』あなたは賛成、反対どっち?」
2007年10月11日 韓国教育部派遣教師9名参観 
6年ゆり組「新聞で読解力を磨こう」
2012年11月23日 高陽市大化小学校教諭李貞均氏、日本NIE学会会員
 5年生と保護者「親子で新聞を楽しもう(ファミリーフォーカス)」(日本NIE学会イベントの公開授業で李貞均氏との協力授業を行う)
 ベティ・サリバン氏は2回、李貞均氏は3回訪問して下さっています。ここではサリバン氏の訪問の様子をご紹介致します。

 1994年10月10日の『朝日新聞』に「新聞素材に自分で判断 NIE公開授業」の見出しで授業とサリバン氏の参観の様子が書かれています。その記事を引用します(横書きで引用しますので、漢数字は算用数字にしています)。
 
6年ゆり組の教室で、子供たち41人が、その朝届いた朝日新聞と読売新聞のページをめくりながら、見出しや記事を目で追う。30ページを超える紙面の中から、自分が選ぶきょうのトップニュースを探しているのだ。
 東京都港区白金4丁目の聖心女子学院初等科で6日、新聞を教育に生かすNIE(ニュースペーパー・イン・エデュケーション)の公開授業が行われた。米国でNIE活動に取り組む米国新聞協会のベティ・L・サリバンさんも参加した。
 6日付朝日新聞朝刊の一面トップは「電機メーカー9社が数年間にわたって談合を繰り返していた疑いがある」との記事。読売新聞は「厚生省がゴミを減らすために資源ゴミを引き取る公益法人を設置する案をまとめた」だった。
 子供たちが、その日の新聞記事の中で最も大切だと判断した「トップニュース」は、新聞社の判断と随分違う。ある子どもは「在京フランス人の子供たちが、日本橋・京橋まつりの大名行列に参加することになった」(読売・都内版)を「大事なニュースだ」と言った。
 別の子供は「カナダの宗教団体の信者らがスイスで集団自殺したらしく、48人が焼死した」(朝日・社会面)を選んだ。「ユキヒョウの毛皮が手に入るモンゴル狩猟旅行が外国人に人気」(朝日・国際面)も小学生にとってもはトップニュースになる。一面から選ばれたのは、ザイールのゴマで上着をかぶって雨をしのぐ子供の写真と短い記事(朝日)だった。
 記事を選んだ子供たちは、大きな地球儀の前に出て、ニュースの現場になった場所を指し示し、記事の用紙と感想を述べた。「日本橋の大名行列は見たことがない。でも、フランス人の子供たちが一緒に参加するのは楽しそう」
 「ユキヒョウの毛皮」のニュースでは、岸尾祐二教諭が、毛皮が手に入るモンゴル旅行の値段が1人2万5千ドルとの記事に、「日本円でいくら」と質問。「2千5百万円」との大きな記事に、「うそ、2百50万円じゃないの」と小さな声で反論があった。話題は動物保護に関するワシントン条約に及んだ。
 「アルジェリアのサッカーチームの会長が射殺された」(読売・国際面)の記事では「犯人はイスラム原理主義過激勢力と見られる3人組」とあるのに対し、「イスラム原理主義って何」と子供たちから逆に質問があった。岸尾教諭は「簡単に説明できない。千恵蔵やイミダスで調べてみましょう。先生も次までに調べてきます」と答えた。(中略)ゆり組の公開授業では、4日に起きた北海道東方地震を伝えた日本の新聞で被害者の人数がそれぞれ違うことも話題になった。サリバンさんは「米国の小学校では、2つの新聞を読み比べるというところまで進んでいない。みなさんのレベルの高さに驚いている」と語った。

新聞を読み比べながら、ひとりひとり自分のトップニュースを探しています。
選んだ記事に関する場所を地球儀で示し、記事の要旨と感想を話します。
2紙の同じ話題の記事を読み比べています。

 2003年11月13日の『読売新聞』に「サリバンさん 研究授業参観」の見出しで授業とサリバン氏の参観の様子が書かれています。その記事を引用します(横書きで引用しますので、漢数字は算用数字にしています)。

 小林聖心女子学院小では、東京都港区にある聖心女子学院初等科の岸尾祐二教諭(49)が5年生42人に授業をした。
 岸尾教諭は、おととしの米同時多発テロを伝える新聞などを見せながら、漫画「ドラえもん」に登場する「どこでもドア」や「タイムマシン」になぞらえ、「『どこでもドア』のように国際ニュースを身近に読める。未来と過去も読める」と新聞の機能を説明した。
 サリバンさんは「地域、国内、国際各ニュースの違いを若いうちに理解してほしい。アメリカ人は民主主義のためにもよく新聞を読むと助言。」(後略)

 韓国の李貞均(イ・ジョンキュン)氏とは日本と韓国で20回以上お会いしています。コロナ禍でお会いする機会がありませんでしたが、いつか再会したいなと考えています。昨日、新年のメッセージがメールで届きました。早速返信しました。李さんとの交流の様子については後のエッセーで書かせて頂きます。

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