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No.106 2023年11月24日 洗足学園小学校訪問 現在私が最も注目している私立小学校のOpen Dayに参加して

 洗足学園小学校は、川崎市高津区にある私立小学校です。同じキャンパスの中に洗足音楽大学附属幼稚園、洗足学園小学校、洗足学園中学校・高等学校、洗足こども短期大学、洗足学園音楽大学が設置されています。
 私は川崎市で生まれ育っています。中学生の時に陸上部長距離グループに属していました。当時、川崎市中学校駅伝大会が川崎市北部の宮前平駅近くで行われていたので、その試走や大会に行くために南武線(当時は国鉄、現JR)で平間駅から武蔵溝の口駅まで行き田園都市線に乗り換えていました。武蔵溝の口に近づくと広い敷地に学校のような建物があり、なんという学校かなといつも思っていました。1981年に聖心に勤め洗足学園ということが分かりました。今でもたまに南武線に乗り武蔵溝の口に近づくと洗足学園の風景を見ています。
 1981年から2023年まで42年立ちましたが、私の42年の経験から私立小学校で最も評価が高くなったのが洗足学園小学校ではと個人的に感じています。ですから今回のOpen Dayはとても楽しみにしていました。
日本私立小学校連合会『日本私立小学校連合会―結成70年の歩み―』によれば、洗足学園小学校の設立は1924年(大正13年)になっています。小学校の入り口には次のような垂れ幕がかかっていました。来年2024年に100周年を迎えるようです。聖心女子学院初等科の姉妹校、小林聖心女子学院小学校(宝塚市)の創立が1923年(大正12年)で今年創立100周年を迎えました。

 1949年設立という記述も見ることがありますが、1924年設立には次のような歴史的な出来事があるようです。
 「1924年(大正13年)創設者前田若尾が、旧平塚村(現:東京都品川区)の自宅に私塾を創設。その2年後現在の東京都目黒区洗足に移り、校名も洗足高等女学校と改める。敬虔なクリスチャンであった創設者は、新約聖書ヨハネによる福音書」第13章に書かれているキリストの言葉から、「洗足」と命名した。
キリストは、明日は十字架の上に消えることを悟ったとき、12人の弟子たちの足をひとりひとり洗ってやって、最後の晩餐の席につきました。イエスは、夕食の席から立ち上がって上着を脱ぎ、手拭(てぬぐい)をとって腰に巻き、それから水をたらいに入れて、弟子たちの足を洗い、腰に巻いた手拭で拭きはじめられた。(中略)しかし、主でありまた教師であるわたしが、あなたがたの足を洗ったからには、あなたがたもまた互いに足を洗うべきである。わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしが手本を示したのだ。」
Wikipedia 洗足学園小学校https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%97%E8%B6%B3%E5%AD%A6%E5%9C%92%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1
 東京都大田区南千束の洗足池公園に洗足池がありますが、そちらは日蓮上人が足を洗ったと言われています。
 後ほど言及しますが、Bace_Cという学習スペースには次の写真のようなキリスト教関係の書籍が展示されていました。創設者の敬虔なクリスチャンの精神が今も生きているのですね。

 それでは当日のOpen Dayのようすについて述べていきます。
 当日配布された冊子には、「ICTの日常づかいとデジタル・シティズンシップ教育で新しい学びを創造しよう」とあります。テーマが簡潔にまとめられこの視点で授業や施設を観察していけばいいことが分かります。
 当日の私の行動は以下のようでした。
12:30       学校着
12:30~13:20 Bace_C見学
13:25~14:10 授業見学 3年・6年社会科
14:20~15:50 講演「ICTの日常づかいとデジタル・シチィズンシップ教育」国際大学GLOCOM准教授・主幹研究員 豊福晋平氏
16:00 所用のため帰路に
 
 上記の私の行動から、いくつかご紹介致します。
 1つはBace_Cという空間です。学校で発行しているパンフレットに次のように記載されています。
「子どもたちの好奇心をかきたて 気になることを追究できる創造し 発信し 一人ひとりの興味が学びに変わる 学びが始まり学びの土台を作る 子ども達の学びの基地 洗足学園小学校が掲げるリーダーの育成を 新しい形で支えるために誕生した空間」
 私が実際に見たことは次のようなことでした(写真は自由に撮ってよいということでした)。とても素敵な学習スペースでした。

Bace_Cパンフレットには次のように掲載されています。

13時25分~14:10 授業公開
 すべてのクラスが公開されました。下記は1年生から6年生、12クラスすべての授業内容です。上から1年A組、1年B組というように1年生から6年生まで2クラスずつの内容と使用予定のアプリケーション等が書かれています。

 私は3年A組と6年B組の社会科を参観しました。
 3年生は「『公害』『都道府県』前半は班のメンバーと協力して制作したスライドを活用し公害について発表を行います。後半は、面積の広い都道府県ベスト5を学習します。」とあります。
 前半は6年生の授業を参観していて見ることはできませんでしたが、後半の「面積の広い都道府県ベスト5」はかなりレベルが高い授業でした。Keynote、超教科書、ChatGPTを駆使して一般の3年生の教育内容を超えた授業でした。学習指導要領に捉われない私立小学校らしい授業を拝見致しました。子どもたちの反応もかなり活発でした。先生と自由な意見を交流している姿がとても微笑ましかったです。
 6年生は「『問題演習』今年の入試の予想問題を作ります。地理、歴史、公民、時事問題に分けて1人ずつ担当し、チームで検討しながら作成します。」とあります。
 前半の参観でしたが、すでに6年生で習う範囲は終了しているようで、ロイロノートを活用し、入試の予想問題を作成するというこれも洗足学園の独自性を発揮した授業でした。先生の指示がとても明確で子どもとのやり取りがきびきびしていました。
 3年生、6年生とも私立小学校らしい好感が持てる授業でした。
14時20分~15:50分 特別講演
テーマ「ICTの日常づかいとデジタル・シティズンシップ」
講師 国際大学GLOCOM准教授 豊福晋平氏
 洗足学園小学校が取り組んでいる「ICTの日常づかいとデジタル・シチィズンシップ」を理論的に整理して下さいました。質疑応答でも多様な意見が出て、それを手際よく対応して下さいました。
私も2016年頃から聖心の5・6年生の社会科でタブレットパソコンのロイロノートを使い、主権者教育として選挙に目を向け実際に投票所に行くことも含めた学習を進めました。これも「デジタル・シティズンシップ」の1つではと考えていました。
 
 昼休みは校舎からすぐ近くにある人工芝のグランドで伸び伸びと遊んでいる姿が印象的でした。
 遊びが終わり教室に帰るところの写真です。もう少し遊びたい感じでした。

 私立小学校に勤務してから42年間、私立小学校で最も評価が高くなったと感じていた洗足学園小学校の授業や施設、子どもたちに出会うことができその感じは間違っていなかったと改めて認識しました。系列の洗足学園中学校・高等学校も女子の中高一貫の進学校になり、女子は12月に内部入学試験があり、内部入学試験で合格した場合でも他校の受験が可能とされています。系列の中高のレベルも高く、女子にとっては進学のシステムとしてもかなり整っていると考えます。
 
 冒頭で述べましたように、私はよくJR南武線の車窓から武蔵溝の口駅に近づくと洗足学園の風景を見ていました。Open Day当日も学校に行く途中南武線の車中から撮影してみました。走っている車内からと逆光のため上手に撮影することはできませんでしたが(撮影の技術も下手ですが)。

 帰りに小学校の校舎から南武線が通行する方を撮影してみました。

 学校の外から見ても、学校の中から見ても洗足学園小学校は紛れもなく素晴らしい私立小学校だと考えています。来年11月に開催される洗足学園小学校Open Dayは既に私のスマホの予定表に入っています。
 
参考
洗足学園小学校
https://www.senzoku.ed.jp/

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