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ボイストレーニングの基本

2月頃からボイストレーニングに通い始めました。通いたくなった理由としては、カラオケとかですぐに喉が疲れるなあ、もっと高音領域の歌が歌いたいなあ、歌モノマネ好きだけどもっと基本を押さえた上で真似たら深みが出るのではと言ったところです。最初は全てが初めてで新品のスポンジのように吸収してましたが、だんだん苦手というか自分ができていなかったところにぶつかり出すと自分は今どんな立ち位置にいるんだ?と走っている場所が分からなくなりました。そこで改めて本当の基本を学び直して立ち位置を知りたいと思い座学的なところに立ち返りまとめてみました。

ボイストレーニングに必要な要素は「声の出る仕組み」を知る、「声の出る要素を分解する」ことでどこができていてどこができていないかを客観的に捉えることができると思います。そのあたりを以下にまとめていきます。

☆声の出る仕組みはずばりこの図の通りです。

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出典「基本のボイストレーニング」監修:シアーミュージック

声(音)は振動です。肺から空気が来るとまず声帯を通ります。声帯が振動することで音が発生します。その音は喉、舌を通り、鼻と口の空洞の中で共鳴することで外に音として聞こえていきます。
声の出る仕組みはわかりましたが、どうすればそれを良い歌を歌うのに昇華させられるのか。

例えばギターでは、図のように音が外に響くために一番効率の良い形状をしています。

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人間の体でもその最大効率を上げるにはどうしたらいいか。それは先ほどの声の出る仕組みの中で登場した役割や部位などの働かせ方に尽きると思います。もう一度図を見ながら説明して行くと、①肺から出る息(ブレス)をコントロールし、②声帯をコントロールし、③喉(喉ちんこ、喉仏)をコントロールし、④舌をコントロールし、⑤口の開け方をコントロールすることで自分の出したい声を発見できるのです。

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出典「基本のボイストレーニング」監修:シアーミュージック

もう一つ大事な要素があります。それはリラックス(脱力)です。声の出る仕組みの中で登場するのは全て筋肉を動かすことでコントロールされるものです。それが緊張してこわばっていると上手くコントロールできません。それとリラックスの要素として歌う姿勢もあります。肺から出した息、声が邪魔されることなく気道→鼻・口を通っていけば無駄な力を消費しなくて済みます。悪い姿勢で気道が塞がっていればそれだけ歌に使う息を送り出す量が増え、喉が疲れ良い声も出せずと悪循環にはまっていきます。
リラックスした姿勢で全ての筋肉が脱力していることで100の力が100の声となり外に出ていきます。

まとめるとこのような感じでしょうか。
良い声を出すには、
①リラックスする(姿勢と筋肉)
②コントロールする(喉、舌、口、息、声帯)
ことを念頭において、ボイトレ中の自分の立ち位置を確認すると良いと思います。
コントロールの中でも息と声帯についてもう少し深掘りします。

●息について
息をコントロールするとは具体的にどのようにやるのか。その答えがそのまま「腹式呼吸をする」ということになります。

胸式呼吸=胸から息を出す。腹式呼吸=腹から息を出す。と誤解してしまいそうですが、そもそも息を腹から出すというのは人間の構造的にあり得ません。人間は何も意識していなくでも胸というか肺を動かしながら呼吸をしています。しかし歌を歌う時は適切な息量を出しながら微調整していく必要があります。その時歌手の人の体で行っていることは、横隔膜を上げ下げすることで肺から出る息を調節しているのです。これこそが「腹式呼吸」の正体です。
息をコントロールするとは腹式呼吸を会得し実践することだと思ってOKです。

●声帯について
声帯のコントロール(声門の開け閉め)をすることで音を最大限に外に出すことに付加して声質、声色を変えてより魅力的な歌を歌うことができます。世の中でよく言われているチェストボイスとかミックスボイスとかが登場します。ボイトレをしたい、歌が上手くなりたいという人はここを出発点にしてしまうがために、喉を潰してしまったり迷走してしまう傾向にあるんだと思います。土台は上述しているリラックスとコントロールですね。その二つを前提として声帯のコントロールについて説明していきます。

以下の図の通りですが、声帯をどれくらい緩めるか、張るかの度合いをコントロールすることで声質が変わります。

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出典「基本のボイストレーニング」監修:シアーミュージック

図でも少し触れられていますが、4つの声質を紹介します。

・チェストボイス:いわゆる地声。声に芯がある。声帯が閉じていて息が漏れない。
・ファルセット:いわゆる裏声。声帯が緩んでいて息が漏れる。
・ヘッドボイス:裏声の一種だが、ファルセットと違い芯のある声。マイケルジャクソンの「ポウッ!」っていう声のイメージ。
・ミックスボイス:ボイトレの代名詞のような声質。地声と裏声の中間の声質。声門に閉鎖をかけながら裏声を出すようなイメージ。

これらの細かな出し方までは説明しませんが、声門のコントロールをするために出す息の量を調節する=腹式呼吸をする。その間に上手く共鳴できていないと無理に声を出そうとして喉が疲れ痛めるとなってしまうが故に、まずはそこを意識しなければいけないのです。なかなか今自分がやっていることが正しいのか判断は難しいと思うのでそこで、ボイトレの先生に脱力できてますよー、ミックスボイスできてますよーと見てもらうことが大事だと思います。

私個人の話ですが、ボイトレの先生からは、どちらかという裏声より(息が基本漏れているような)の歌い方だと言われています。
それが良い悪いではもちろんないですが色々な声色が出せれば幅が広がり楽しいですよね。それ故に声門を閉じることにとても苦労しています。笑
上記の悩みを改善するのに最高のトレーニングがリップロールです!リップロールとは、唇を震わせながら息を出すような動きです。子供の頃やってた方も多いかもしれません。
リップロールをやることで以下の効果が得られます。
・顔周りの筋肉のリラックス
・腹式呼吸のトレーニング
リップロールは息を一定に出さないと上手くできませんので自然に息の量のコントロール(腹式呼吸)を意識できます。それにより高い声の時は息の量を増やそうとしたり変な力を入れずどんな声質でも一定の声量をキープする訓練にもなります。

さらに、リップロールを音程をつけて行うと、声帯の微妙な変化だけに集中することができ、音程の正確なコントロールを身につけることができます。(音程は声帯のヒダの収縮でコントロールしているが、歌っている時は違う筋肉で無理に出そうとしたりしてしまう)
まずは愚直に基礎から。リップロールもこのことを意識して行うと上達は早いと思います。ぜひ参考にしてみください♪

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