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選ばれない確率・終

前話のタイトルをエヴァにちなんで『序』にしてしまったので、『破』『Q』としようかとも考えたが、将棋にちなんで『中』『終』の方がしっくりくると思ったのも束の間、三部作にするほどの内容でもないのと、『中』だけ書かれると『麻雀』か、『ラーメンマン』
話だと勘違いする人がいるかもしれないので、『中』は飛ばして『終』になる事を
心よりお詫びしたい。(誰に)

【前回までのあらすじ】

なんやかんやでハート将棋コンが始まった。

男女2人ずつの席が4テーブルあり、
8対8の人生を賭けた大勝負の前に、
まずは深呼吸し、周りを見渡した。
ジャニーズ事務所に勝手に書類を送られたり、
何代目かのJSBになりそうな男性は、
ぱっと見、見当たらない。会話を聞く感じ、
M1グランプリや仁志松本のすべらない話に出るほどのトーク力がありそうな男性もいない。
戦える。勝算は十分にあるぞ…
と自分に言い聞かせた。

『自己紹介タイム』
これは正直、全く覚えていないが、どうせ当たり障りのない事しか言ってないと思う。
将棋で例えるなら、飛車先の歩を突くか、
角道開けるか、ちょっと尖って真ん中の歩を突くくらいの差しかないだろう。今後の展開にさほど影響はない。

各テーブルにいる男女が最初に書かされたプロフィールカードを交換し、軽く会話する時間が設けられていたが、1組に与えられた時間が非常に短く、会話が盛り上がるか、盛り上がらないかの絶妙な時間帯で打ち切られる。例えるならば、どこかの店で何気なく流れてきた有線の曲が良さげだなと思っていたら、サビ前で店のCMが差し込まれてガッカリする感じだ。

進行の都合上、これは仕方ない。
まずはサラッとお話する事で、好印象ならまた話したいな…という余韻になるし、悪印象ならこれ以上、話す必要がなくなり、救済となる。

最初のテーブルには『ボードゲーム』好きの女性がいた。私はこの頃、ちょうどオリジナルのボードゲームを製作していたので、話のネタには困らなかった。『ゲームマーケット』略して『ゲムマ』にも出典する予定だったので、その女性は私の作っているゲームのタイトルをメモしていた。話も弾み、ゲームも楽しかった(気がする)これは好感触なのではないだろうか。

二つ目のテーブルには、ペットを飼ってる女性がいた。何かその話で盛り上がったが、それ以外にこれといって収穫はなかった。

三つ目のテーブルではやらかした。
ゲームに没頭しすぎたのか、緊張していたのか、ペア(はさみ)将棋的なやつで、
二手指ししそうになって、とても咎められた。
変な手指したらぶっ殺すぞ的なプレッシャーで終始萎縮していた。ゲーム前の雑談?では楽しく会話できただけに、ミスが悔やまれた。

細かくは覚えていないが、この辺りでおやつ休憩だったと思う。ハート将棋の形をしたとても可愛いお菓子で、味も美味しかった。これだけでも参加した価値があったのではないかと思う。将棋のプチ講座は、知ってるようで知らない将棋についての豆知識?を得ることができた。

さて、四つ目のテーブルには、振り飛車好きの観る将の女性がいた。個人的には共通点も多く、最も好印象だった。ここでもそれなりに盛り上がったと記憶している。(改ざんされていなければ)

ついに迎えた最終戦。運命のフリータイム
なんと席移動が自由!気になるお相手ともう一度お話しできる絶好の機会!しかしここで、予期せぬアクシデントが起こった。

誰も席移動しない!!!

そんなに最後のテーブルが良かったというのか!?いや、確かにそれはそれでアリと言えばアリなのだが、せっかくのチャンスをみすみす逃してしまう。

『みんな可能性をもっと信じよう!!!』

そう訴えたかったが、各々のテーブルの男女はこちらの事情なんてお構いなしに盛り上がっている。ではこちらのテーブルはどうか?

女性陣は移動する気力も残っていないかの如く、ぐったりしているように見える。
まさか、もうすでに敗勢なのか?
さっきはあんなに盛り上がったのに?

しばらく様子見をしながら、女性陣の(その場凌ぎの)リクエストで同卓の男性と対抗系の将棋を解説をしながら指す事になった。私に説明できるほどの棋力はないので、一手ごとに感覚的なコメントを添えて、ゆるーい感じで進めていった。だが、すぐに飽きた。

ここで各々がお花を摘みにいく時間が訪れたのだ。空いた席を何食わぬ顔でスピーディーに
奪い合う無言の椅子取りゲームが始まった。
第3テーブル(勝手に呼んでいるだけ)に男性陣が群がっていた。そこには一部の隙もない。
私も狙っていたが、終局まで男性陣が絶えることはなかった。

そして終局ー
『ハート将棋』争奪じゃんけん大会が開催された。貰ってどうするってわけでもないが、貰えるものは何でも貰う主義だ。一回戦で負けた。
あくまでこれは余興だ。本筋とは関係ない。
じゃんけんで強い男に魅力を感じる女性がいるのならば話は別だが。

8人の女性の中から3人を選抜し、連絡先を書いた紙を運営に提出し、帰り際に運営から渡される袋?の中に、自分を選んでくれた異性の連絡先を書いた紙が入っているというシステムだ。相思相愛の場合は、この上ない最高の気分に浸れるだろう。

一人一人順番に呼ばれ、運営から袋を受け取り、店を出て行く。ついに私の順番が来た。
すぐに袋の中身を見るような行為はNGだ。
せめて誰にも見られない場所へ移動したかった。思いついたのは最寄りの駅『清澄白河』のトイレの個室だった。

そこまで平静を保ちながら、参加者を見つけても会話を交わすこともなく、ただただ目的地に向かって歩き続けた。そして開封の時!!!
理論上、最大で8枚入っている可能性がある。
さすがにそれは高望みというもの。
3枚…いや、2枚、せめて1枚だけでも!!!

中から出てきたのは『ハート将棋』のカタログみたいな冊子と、苺の飴みたいなやつ。以上。
隅々まで調べた。結果、ゼロ永遠のゼロ
信じられなかった。自分を過大評価してたわけではないが、さすがにゼロはないだろうと。

そういえば、持ち時間の少ないプロフィール交換タイムの話題、ほとんど『17キロ痩せた』話で、そりゃ、それなりに盛り上がるよね。どうやって痩せただとか気になるよね。私個人に対する興味なんて全く湧かないよね。

8人が3人を選べる状態で1人にも
選ばれない確率を計算してみた。
『凄くないですか?

略して『凄八』っていう話。

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