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指す順6th 自戦記(第1回戦)

さて初めての自戦記を書こうとしているのだが、「じせんき」を変換しようとすると「自洗機」になってしまう問題を早めに片づけたい。「自分が戦った記録」略して「自戦記」。私は戦った。自分で自分を褒めてあげたい。

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・・・てな訳で負けた。前回よりはマシだった気はするが、完敗だった。もしかすると対局前から気持ちで負けていたのかもしれない。というのも、対局の3時間ほど前に投下されたこちらのツイートを見てほしい。

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こちらの戦法がバレている・・・だと・・・!?

たしかに前期は『中飛車』を採用したが、今回も採用しようとしていることをなぜ、さらさらさんが知っているのか?

そういえば、私のツイッターアカウント名は『中飛車仮面ぺるそなおだった。
どうしてこんな名前にしてしまったのか・・・一生の不覚である。

こんな名前の奴が中飛車にしなかったら24のコメント欄は誹謗中傷の嵐で荒れること必至だ。

いや、待てよ。これは高度な心理戦で、さらさらさんが中飛車にしてくる可能性もあるのではないか?

その場合、こちらは対抗型にするべきなのか?私は生粋の振り飛車党。居飛車の指し方なんて義務教育で履修していない。

かといって相振り飛車にはしたくない。弱点をさらしたくはないが、なんていうか、すごく苦手なのだ。なんかほら、繊細じゃない?

そんなこんな葛藤した挙句、素直に中飛車にしようと心に決めて対局開始時間を待った。

ここからは激指先生をお呼びして、候補手とかを教えて頂きながら進めようと思う。

21時対局開始、前期と同じくこちらが先手となった。初手を変えてみたのがこちらの工夫。前期では▲7六歩と角道を開けたのに対し、▲5六歩と「中飛車するぞ!!!」という覚悟をぶつけてみた。この時点ではなんと形勢互角。まだまだ戦える局面だ。

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実はこの一戦に用意していた秘策があったのだが、そんなことお構いなしに黙々と駒組みが進んでいき、恐れていた事態が起こってしまう。

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これ『穴熊』ですやん。絶対、熊ですやん。
こちらとしては組ませるわけにはいかないが、かといって阻止する手段を用意していない。
(知らないだけ)これはくまった。どうしよう。この時点で勝てる気しない。普段の雑多なネット対局なら冒険して特攻することもあるが、大事な一戦で冒険するほど肝が据わっていない。

チキン野郎なのだ。それはそうと、今日のお昼は某フライドチキンのお店で購入したフライドチキンの炊き込みごはんに某カレーのお店で購入したレトルトをかけてみたが、味がカレーにかき消されてしまい、フライドチキン炊き込みごはんの良さが損なわれてしまった。

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そんなことよりも、局面は少し進んで27手目。早くも方針が迷子になっていた。悩んだ末、本譜は▲4八に飛車を回ったが、感触としては微妙だった。振り飛車党としては、飛車と玉の居心地とが良くないので、なんか振り飛車党っぽい形にしてみたが、特に深い狙いはない。

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じわじわと形勢が悪くなっていく音が私には聞こえていた。局面は少し進んで47手目、ここで飛車をぶつける手も考えたが、飛車交換になった後にこちらが良くなる未来が見えなかったので、ごめんなさいの歩を選んだ。

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結果的に飛車交換になってしまい、先着される展開になったが、このあたりからだいぶ自信がなくなってきた。57手目に飛車を合わせた手はそんなに悪くないと思っていたが、激指先生的にはダメだったらしい。

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問題の60手目、これが恐らく敗着。激指先生もそう仰られている。次に△6七飛を打たれたらダメ。絶対。わかってたはずなのに完全にやらかした。駒台に飛車あって相手陣に打てるとこあると打ちたくなるよね。てか、打っちゃうよね。それが人間の性だよね。悪手なんて指してなんぼだよね。

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で、こうなるわけ。『角』『金』のどちらか選べなんて、将棋の神様は残酷だ。本当は攻撃用に『角』を残したかった。だが、美濃囲いっぽくしておけば、最終盤にそれなりにアレなんじゃないかと思い、守備用の『金』を残すことにした。少しでも駒損を補おうと『桂』『香』を取ったが、こちらの『桂』も取られ、被害は拡大していった。

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一縷の望みに賭けた『逆襲の桂』。あわよくば1筋に香車を重ねてガジガジいければチャンスがあるかもしれないと考えていた。しかし、そんな甘い考えは全く通用しなかった。

率直な感想としては、「あ、逃げるんだ」だった。何なら声に出ていた可能性さえある。玉が1筋からいなくなり、再び方針が迷子になり始めた。とりあえず『角』を取るくらいしか思い浮かばず、その先に後手玉を寄せられるイメージが湧かなかった。

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攻めの手に困ったので、後手からの4六桂を警戒した受けの手だったが、感触としては非常に微妙。良くはないだろうなぁ・・・という感じだった。さらに香車を重ねた手も微妙というか、悪い手だったと思う。素直に桂馬を取っていた方がまだマシだったかもしれない。

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からの△5六香。
これで本格的に負けを覚悟した。

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心境はまさにこれ。生き残りたい。まだ生きていたくなる。

そして最終局面。ここで投了を考えた。むしろそうするべきだったと思う。しかしできなかった。まだ負けたくなかった。勝ちたかった。初戦を白星で飾りたかった。受けがないのはいくら終盤力のなさに定評がある私でもわかる。

あと一手、あと一手だけ・・・そう思い指した▲1六歩。そして△同香。やろうと思えば、
あと一手だけ指せる・・・でもしなかった。

なぜなら、私は長男だからだ。兄弟はいない一人っ子だが、立派な長男である。もし私が長男じゃなかったら回線を切断していたかもしれない。長男でよかったと心の底から思う。

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おしまい

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