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思い上がり、夏

前にも書いたが、私の棋力はずいぶんと長いこと停滞している。その理由は、まぁ色々とあるのだろうが、本人がそれを自覚しない事には一歩たりとも前に進まないだろう。

しかし上達へのプロセスは人それぞれで、何が正解なのかは他の誰にも分からない。自分にもわからない。わかっていたらとっくの昔に実戦しているはずだ。仮にプロの先生やアマチュア高段者、自分より強い有段者などからの勉強法をアドバイスされたとしても、自分に合うかどうかはやってみないことには何とも言えない。

神のみぞ知る。蟹の味噌汁ではない。
これはただ言いたかっただけなので
どうか流してほしい。

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もうすぐ将棋を再開して丸4年が経過しようとしているが、自分が想い描いていたサクセスストーリーからは大きく逸脱している。
とはいえ、この4年という間に何もしてこなかった訳ではない。棋力向上の為に、自分ができる範囲内で様々な取り組みをしてきたつもりだ。

その一つに「棋書を買う」という非常に中毒性の高い愚かな行為がある。もちろん、その行為自体は全く悪くない、むしろ良い行いだと思う。
しかし罪深いのは、買った棋書を全く読まずに寝かせておくことだ。私の場合、棋書のタイトル、著者、キャッチフレーズに騙され、(語弊あり)脳死で購入に至る。

昨今では電子書籍という便利なテクノロジーが普及したおかげで、紙媒体の書籍がなくても、パソコン、スマホ、タブレットなどで簡単にダウンロードし、アプリ内に保管しておく事ができる。そうなると、ますます読まなくなるという負の連鎖が始まってしまうのだ。

自分の中に課題が見つかる→WEB上で棋書を探す→良さげな棋書が見つかる→クリックする→購入する→ダウンロードする→開く→まえがきを読む→目次を読む→数ページ読んでみる→思ったより難しい→コラムを読む→閉じる→自分の中の課題が解決しない→新たな課題が見つかる→WEB上で棋書を探す…と、だいたいこんな感じのサイクルになる。

Twitterで誰かにオススメされたり、棋書ミシュランで高評価の棋書はだいたい買った。(明らかに自分に関係なさそうなのは除く)

この時点で断言できる事は、棋書は買うだけでは強くならないという事だ。強くなれる理由はちゃんと隅々まで読み込まないと知ることが出来ないのだ。僕を連れて進んではくれないのだ。

棋書がダメなら次にすがったのは『指導』。プロの先生や、アマチュア高段もしくは、有段者に教えてもらえばいいじゃないかと安易な考えに至った。

※過激な表現があった為、自主規制

となると、実戦経験を重ねるのがいいのか?
私の場合は多分、違う。これにはどうしても
勝敗が絡んでしまう。勝ってる時は良いが、負けると最悪、負け方にもよるが、すぐに対局の振り返りなんてしたくもない。勝つまでやらなきゃ気がおさまらない。

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それでも最近はなるべくやろうとしているが、精神衛生上あまり良くない。AIに最善手を聞いたところで納得できる答えは返ってこない。そう、私は対局後の検討が下手くそなのだ。これは課題として積んでいる。

次に『棋譜並べ』。符号で混乱、手番を見失う、投了図以下の簡単な詰みがわからん。
などの理由でまだ効果の実感には至っていない。(一応、実践中)

やっぱりね、みんな言うけどさ、結論としては
なんだかんだ詰将棋なんじゃないかと
私は思うわけよ。そして詰将棋でお馴染みのシリーズと言えば?

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そう、皆様ご存知ハンドブックシリーズ。
恐らく私が最初に買った詰将棋の本なのだが、
あるアマチュア高?段者に「10周やればいいよ」とアドバイスを受けた事がある。言葉通り10周やってみたが、正答率8〜90%、時間もそんなに速くはできなかった。『3手詰ハンドブックⅡ』も変わらなかった。

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「何分で1周終わった(当然、全問正解)」みたいなツイートを見かけるたびに自己嫌悪というか、自分の能力の低さを認めたくなくて、現実から目を背けるように『3手詰ハンドブック』はだいたいできるようになったから、初段になるには、『5手詰ハンドブック』もできるようにならないと!みたいな謎の思考になっていた。早速買ってやってみたが、すぐに断念。
1周するのに3年以上(多分)かかった。私に5手詰は早すぎるというのか…?

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その答えは、『駒サプリ』にあった。
前々から、こんな(問題をカスタマイズできるような)アプリあったらいいなと考えていた。一時は自分で作ろうと企画し、所属する会社の社長に提案した事もあったが、超絶めんどくさくてやめた。(すごく大変そうだがら)

「3手詰ハンドブックがアプリでできる…だと…!?」
ツイッターで見かけた瞬間、光速の課金をした。これも私の悪い癖。
良さげなものは吟味せずにすぐ購入してしまう。後悔することも多いが、たまに大当たりを引くこともある。

「5手詰ハンドブックもあればもっといいのになぁ…」なんて思ってた時期もあったが、『1手詰ハンドブック』を何気なくやってみた時に、ある重大な事実に気がついた。

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完璧じゃねぇ…1手詰なんて一万年と二千年前には卒業したつもりだったが、ちょいちょい間違えとるやないか…それも苦手な問題があるだけではなく、過去に正解してる問題を間違えるケースもあるやん…何一つ身についてないやん…めっちゃ恥ずかしいやん…

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いや、すごくショックだった。と同時に少し嬉しくも感じた。伸び悩んでいた原因に、永い時間をかけてようやく辿り着いた気がした。そう、私は基礎が全くできていない。基礎を疎かにしながら騙し騙し、とても不安定な土台に、応用した技術や知識を上乗せしていたことに気がついたのである。ちなみに3手詰ハンドブックの結果はもっと酷かった。

どうしたって!
消せない駒も
捕まらない玉も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう悲しみよ

中途半端な替え歌になったところで、
おしまいにしたいと思う。

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