猫の牙

ねこちゃんのブラッシングをしていたらいつの間にか見たこともないぬるっとしたものがねこちゃんの首元あたりにあり、しかもそれをねこちゃんが口に入れようとしたので急いで払った。見てみると牙だった。うちのねこちゃんは保護猫だ。飼い主行方不明で飼育放棄をされていて人に慣れていない。見つかった時はゴミ屋敷状態の部屋に5匹猫がいてそのうち2匹はウイルスによって失明していた。うちに来たねこちゃんも時々目が腫れるし、何より歯肉炎がひどい。以前、歯が痛くなってご飯が食べられなくなり抜歯手術をした。抜歯は時間がかかるし負担もあるので、4本の牙(犬歯)は残した。その牙も自然に抜け落ちて、残り2本にまでなっていたうちの1本が抜けたのだ。表に出ていた部分の倍ほどの根があり、確かに手術で取るのも大変だよな、と思った。当のねこちゃんは最初は違和感なのかペロペロしていたがそのうちなんともなくご機嫌にしている。抜ける前の方が痛かったのかもしれない。ねこちゃんの顔を見た時にいつも見えていた牙が見えないのがまだ慣れない。特に意識して見ていたわけではないのに無いとなんだか違和感を感じる、その感覚が我ながら不思議だ。

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