会社を潰してしまった話

 こんにちは、ペロペロです。
知らない人からしたら誰やねんって話ですが、これは主にペロペロで通じるごく狭い人たちへ向けたエントリです。

 たまたま話す機会があった人には話したのですが、この度会社を閉じることになりました。
閉じるというとなんかちょっと前向きっぽい感じですがぶっちゃけ倒産です。現在撤退戦の真っ最中です。
先日取締役である某I氏と話した時、I氏は「会社が倒産するとか公言する話じゃないっしょー」と言っていました。
その場ではだよねー、と言ったのですが、遅かれ早かれ知る人は知る事実ですし、そこそこ親しい人達に噂話で知られるのも微妙だなと思ったんですよね。
「あ、あそこの話聞いた?」「あー、なんか潰れちゃったんだって?」みたいな、知らないところで酒の肴にされるのなんかちょっとムカつく(まあいいんだけど)。
というわけで、ご飯のお供や酒の肴になるのであれば、きちんと弊社発送のおかずとして提供したいとこの文章を書いている次第です。
美味いか不味いかはしらん。

 さて会社を閉じるに至った経緯ですが、ざっくり言うと以前からだいぶ経営状態がよろしくないところにコロナ直撃という感じです。
まあコロナ倒産、災難でしたね〜と言ってもらいたいためにこう書いたのですが、ぶっちゃけると経営者だった自分が無能だったからですね。
コロナ後も挽回のチャンスはいくらでもあったし、そもそもコロナ以前までの動きが糞すぎでした。
まあせっかくなので反省も兼ねて、ちょっとそのあたりを振り返ってみます。

 僕が会社を引き継いだ当時、会社では広告デザインとECサイトの運営をメインに行なっていました。
これらの業務は、法人成りする前からやっていたのですが、浅い知識と拙い技術で場当たり的に仕事をしていたように思います。
運良くいろいろな方から仕事を頂きましたが、ただただその場での仕事をこなすだけで、きちんとした知識やノウハウを積み上げていませんでした。
そしてこれが会社がうまく行かなかった根本的な原因の一つでした。

 さて、僕が会社を引き継ぐ少し前辺りから、社内研修や広告デザインのコンサルティング的な仕事をはじめました。
当然、自社業務のノウハウが積み上げられない状態で他社へ有益なフィードバックができるのか?というとかなり無理筋だったのですが、周囲の環境に恵まれてしまい(親切な人が周りにたくさんいたってことですね)、自分たちの実力に気がつくこと無くまあまあの売上でやって行けてしまいました。

 ところでこのコンサル業の中に一つパッケージ商品がありました。
社員研修をしながら企業理念やビジョンをポスター化する「ビジョンデザイン」という商品です。
これは研修プログラムを1から作り、モニター企業を募りポスター制作のノウハウも構築していった、うちの会社で唯一ノウハウが積み上げができた商品でした。
ポジティブな場が作れる研修と、最終的にポスターという成果物もできるので顧客の反応も良く、個人的にかなり気に入っていました。
というわけで、6年前に会社を引き継いだときに、僕は「この事業をメインにしよう…」と決心してしまいます。
今考えるとこれが大間違い。
いや間違いと言うのはちょっと違うな『もっとやりようがあった』ですね。
もっと業界を研究してからするべきだった、営業方法を検討すべきだった、キャッシュポイントを考えるべきだった、など色々反省はありますが、一番の失敗は今までやっていた広告デザインの仕事をいきなり切ってしまったことです。
ねー、引きますねー、馬鹿ですねー。

 そんなわけで、営業戦略も無くいきなり研修事業へ路線変更したので、当然うまくいかず、3年後にはキャッシュが底をつきました。
結局商品が全く売れなかったんですね。
やべぇと気がついて、デザイン関係の仕事を取り戻そうと思うのですが、全部切ってしまったので簡単に戻るわけがありません。
うちがめっちゃ技術やノウハウを持っていれば別なんでしょうけど、親切な人の好意に甘えていただけだったので…。
そんな感じで、何をやっているのかわからない状態で月日が過ぎていきました。
いやー、ピンチこそチャンスとか、逆境をチカラにとか言いますけど、駄目なときは何を考えても駄目ですね。
貧すれば鈍するとはよく言ったものです。

 経営的にどん底な状態で、ようやくやっている仕事が自分に合っていないことに気が付きました。
不得意なことをマンパワーゼロでリサーチ不足のまま突っ走っていたので当然失敗しますよね。数え役満です。
というわけで、一旦すべてゼロに戻して一番自分がマトモにやれそうなことをやることにしました。
唯一利益を出していたECサイトの運営です。

一昨年の秋からてこ入れを始めていたECサイトはPVが前年比の2.5倍、少しづつ売上上昇していました。
これならいけると確信した僕は、自社サイトだけでなくAmazonへの出店も行うECサイトを中心にした再建計画を作成し、銀行へ持っていき頭を下げました。
昨年の1月のことでした。

で2ヶ月後に、コロナ。



ECサイトはよりによってブライダル関係wwwww
ちょwwwwwおまwwwwwwww
3月キャンセルの嵐wwwwwwwwwwwww
4月5月売上ゼロwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
バナナうんこwwwwwパクパクモグモグwwwww



そんな感じで、まあ補助金とか使ってなんとか頑張ろうと思ったのですが、12月ころに売上がようやく前年同月の半分くらいに戻ってきたと思ったらまた緊急事態宣言じゃないですか。
心折れたというか、今つぶれればコロナのせいにできるしもう良いんじゃねってなりましたね。
まあ従業員がいればなんとかしようみたいな気持ちもでたんでしょうけど。

というわけで4月辺りからは敗戦処理をしつつ、知り合いの仕事を手伝ったり、コロナで死にかけのECサイト運営などをやっております。
明るい未来が見えなかった2〜3年からすると、畳むと決めてからの2〜3ヶ月のほうが一応の終わりがあるので気が楽っすね。
お金の心配ばかりしていた数年間よりはるかに精神的衛生的によろしい。
まあそんな感じの近況です。



さて、個人事業の頃からだと12年本当にいろいろな方に生暖かく見守っていただきました。
クライアントの方々はもちろん、元社員のN氏・N氏・I氏、いろいろ勉強させてもらた同友会の方々、遊んでくれたSOHO時代の隣人、ネットのお友達などなどめっちゃ感謝しています。
ありがとうございました。

I氏も僕も12年間、結果はともかくとして頑張りました。
二人共人間的に駄目駄目でしたが少しは成長したことでしょう。
ひとまずおつかれおつかれ。



※今回の失敗から色々と学ぶことが多かったので、時間があるときに細かな反省点をまとめて見る予定です。お金関係のこと(これはなかなか恥ずかしい所が多いw)も処理が終わり次第書いてみたいと思います。

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