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特撮オタクがプリキュア玩具に感動した話


ようお前ら!アングリー特撮ナードだ!

 うぷ主の野郎が何をトチ狂ったのか「トロピカルージュプリキュア」を完走して、その玩具展開に感心してAmazonで大人買いしようとしてたからブン殴って阻止したぜ!神聖なる変身ベルトの棚に異物を混入させるわけにはいかないからな。
 だが俺も鬼じゃねぇ。どんなクソ野郎にも弁明の機会は与えられるべきだってことで奴の言い分も聞いてみた訳だ。

プレイバリューと商戦期

 奴は「トロピカルージュプリキュア」と「おジャ魔女どれみ」しか女児アニメを知らないから界隈特有の事情には疎いが、いわゆるDX玩具については慣れ親しんだ戦隊モノの商品展開をベースに考えて良いだろうと思ってる。それは俺も同感だ。2月前後に新番組スタート、夏前に追加戦士が登場、秋には最終商品ってな具合で一致している。
 子供が自分の小遣いで買うものなら好きなタイミングで買えば良いが、大人が子供に買い与えるという売れ方を前提とする商品ならば、子供に買い与える大義名分がある時期を見計らう必要がある。例えばクリスマスとかな。
 てな訳でこの手の作品の商戦スケジュールは焦点が固定される。だがここで注意が必要なのは、商戦期と投入タイミングが一致しないということだ。

 一般的にこの手の玩具はターゲットとなる商戦期の少し前から出して浸透させておくという売り方をとる。この浸透期間が長すぎれば肝心の時期に飽きられてしまうし、短くてもダメだ。ではどのくらい空けるのがベストなのか。そこに子供番組玩具の難しさがある。同じ戦隊シリーズでもクリスマス向け商品を早めに出す作品もあればギリギリのタイミングで出す作品もあったりと試行錯誤してる訳だ。ご苦労なこったな。

 そこで「トロピカルージュプリキュア」がとった戦略が販促の二度漬けだ。例えば追加戦士キュアラメールのアイテムであるマーメイドアクアパクトはキュアラメール登場回の放送日6/20に発売された。これはパクトとブラシが合体して銃になり強化必殺技を撃てるというのがウリの商品だ。

 だが強化必殺技の発動に必要な小物アイテムは始めは登場せず、しばらくラメールは通常必殺技で戦う。

 そして8月、プリキュア達の南の島での冒険を2週に渡って描く夏休みスペシャルとでも言うべきエピソードにてようやくパフュームシャイニーリングが登場し、満を持して強化必殺技がお披露目される。

 つまり玩具の最大のセールスポイントであるギミックを1ヶ月以上も温存し、夏休み商戦真っ只中に持って来た訳だ。早めに出し過ぎても遅すぎてもダメなら、早めと遅めの2回やればいいじゃないってことだな。

 最終商品であるトロピカルハートドレッサーなんかはもっと顕著だな。9月中旬に発売して、ランドビートダイナミックより強力な最大の必殺技マリンビートダイナミックを発動する小物の登場が11月中旬。ほぼ2ヶ月間も温存してた。

 それと話は変わるが初期メンバーの変身アイテム、つまりシリーズのメイン商品であるトロピカルパクトも劇中描写と合わせて良く出来ていた。
 プリキュアの変身シーンはフル尺だと1人1分ほど、それを全員分やろうとすると大変時間を食うことになるから中盤以降は同時変身版の変身バンクを使うことになるわけだが、トロピカルージュプリキュアの変身プロセスはちょうど4分割できる構成になっていて4人でパート分けするとちょうどいい。

 まるで同時変身バンクから逆算して個別の変身シーンを作っていたかのような収まりの良さだ。大人の事情的な存在だと思っていた同時変身バンクがちょっと感慨深いものになった。
 そしてそれを見越していたかのようにトロピカルパクトでは個別の変身音だけでなく同時変身版の変身遊びも収録しているというのだ。

 プリキュア玩具には疎いのでよく知らないのだが、こうした仕様は歴代でも珍しいと聞く。むしろ他の作品ではやってなかったのか。というか戦隊モノでもやってくれ。 
 同時変身に気を配るのは、考えてみればチームヒーローとして当然のことかもしれない。忘れていた何かを思い出した気分だ。

……買ってもいいかもな。トロピカルパクト。



アングリーSCPナード © mary0228 http://scpjp-fansite.wikidot.com/ascpn
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