2023年ベストアルバム番外編
2023 年のベストアルバムには選びませんでしたが、良かったものの呟きを纏めました。
Breaking Bread / The Unity Band
南アフリカのコレクティブによる2nd。リズムも多彩で、ブラジルのサウダージ感もあるコンテンポラリージャズといった趣でとても良い。"Tietiesbaai"はスタンダードな輝きを放ってて、バンド名通りボーカル含めた各パートのバランスも心地良い。
Njaboot / Julia Sarr
セネガル出身SSWの3rd。R&B/ジャズ/アフリカンポップスをベースにした楽曲とシンプルなアレンジの演奏が彼女のソフトかつエモーショナルなボーカルを引き立たせる。パーカッションの鳴りが印象的で、ゆったりした時間の流れに身を預けたくなる心地良さ。
ULTRALIGHT / Suté Iwar
ナイジェリアのラッパー/SSW/プロデューサーのデビューフル。とにかくドラムの音が良くてパターンも多彩。レゲエ/ダブの影響も大きく、ベースラインもカッコいい!アフロフュージョンを通過した洗練された浮遊感と懐の深さを感じるヒップホップ/R&B作品。
Lotus Glow / Adi Oasis
NY拠点のSSW/ベーシストで"ADELINE"から改名後初AL。ホーンアレンジやギターが効いたレトロなソウル/ファンクといった趣だけどリズムが強靭!特にベースラインがめちゃファンキーでカッコいい!リラックスしたボーカルやコーラスもまた心地良いんです。
Belongs on a place called Earth / Secret Night Gang
マンチェスター拠点Kemani Anderson(Vo), Callum Connell(Sax)率いるバンドの2nd。クールかつアグレッシブなジャズファンクで、ストリート/日常感も感じるUKらしさ。前作よりしっかり"ファンク臭"が増してる点が良い。
Shelter / Alice Phoebe Lou
南アフリカ出身ベルリン拠点SSWの5th。サイケデリックに漂うエレキギターやオルガンの音が心地よいカントリーフォーク。親しみやすいメロディ、そこに彩りを添えるバンドサウンドが、気張らない暖かさを感じるボーカルを際立たせていてとても良い。
Oratorio Of A Forgotten Youth / Amandla Freedom Ensemble
南アフリカ拠点トランペット奏者Mandla Mlangeni率いるコレクティブの3rd。クラシックの要素も感じさせるスピリチュアルなジャズとポエトリーリーディングにボーカル曲やアフロビートを挟んだ形で紡がれた叙事詩。レクイエムのような荘厳さと悲しみを感じさせつつも、ストリングスやクワイアの美しさ、Yonela Mnanaのボーカル、穏やかなサックスの響きがシリアスなだけではない豊かな感情を思い起こさせ、ポエトリーリーディングによって鼓舞されるような力強さを感じます。
Toil and Trouble / Angelo De Augustine
南カリフォルニア拠点SSWの4th。ギターシンセサイザーやピアノのビンテージ機材を使い、打ちひしがれながらも仄かな希望を頼りに紡いだ小宇宙。囁くようなボーカルと繊細なソングライティングは美しく、 M6からM7の流れには救われる。
Unruly / Olamide
ナイジェリア拠点ラッパー/SSWの10th。派手さは無いがトレンドを取り入れつつもじっくり染み渡ってくるメロディがキャッチーで、バイオリンの音色やコーラス、自然体ながら様々なトラックを乗りこなすラップが心地良い。特にM10〜ラストの流れが素晴らしい。
Summer Breeze / Tay Iwar
ナイジェリア拠点SSWの最新EP。ドラムやサックスの乾いた音、透明感のあるギター、重なるコーラスには清涼感があって、今時分に合う夏の風。客演も同郷のTwelve XII、UKからKnucksとKojey Radical、USからIDKと、バラエティに富んでて良い感じです。
Safe Ground / Sandrayati
インドネシア出身SSWのデビュー作。感傷的で儚さを纏った彼女のボーカルはパーソナルな温かさの中にも気高さが感じられる。ギターの弾き語りと最小限のアレンジが広大な大地に一人佇んでいる様な、孤独だけど清々しい、そんな気分にさせてくれる作品。
Tunico / Tunico
リオデジャネイロ出身マルチ奏者のデビュー作。リズムの粘っこく重心低く、かつダンサブルな享楽性とスリリングな疾走感!キャッチーで洗練されたテーマからプレイされる各パートのソロは開放的でメロディアス。日常と仄かなサイケが交わるサウダージ感が良い!
JazzRx / The JuJu Exchange
シカゴ拠点のNico Segal, Julian Davis Reid, Nova Zaiiによるユニットの2nd。ジャズを基調にクールダウンしたメロウなポストロック/エクスペリメンタル。28曲48分、ザッピング感覚で流れる曲が映し出す様々な景色に没入できる素晴らしい聴取体験。
Come Around and Love Me / Jalen Ngonda
ワシントンD.C.出身リバプール拠点SSWのデビュー作。シャウト混じりの歌唱からスイートなファルセットまで自在に歌いこなす様はスマートかつフレッシュ。少し荒削りなところも最高!パーカッションの音も心地良いヴィンテージソウル。
Gardening / Siv Jakobsen
オスロ拠点SSWの3rd。美しく親しみのあるメロディやボーカルに見る自身の心を耕し安らぎを見出していく様な過程を中庭というメタファーを使って表現していることにしっくりくる。弦や管のアレンジ、コーラスも温かくもパーソナルな本作を引き立てる。
The Greater Wings / Julie Byrne
NY拠点SSWの3rd。ピアノやハープを導入しシンセサイザーの比重が大きくなったことで、より輪郭が曖昧になり広大で深みを増したサウンドスケープ。幽玄で美しいボーカルの中にみる、これからも歌っていく事への覚悟のような強さが心を打つ。
Africa Unite / Bob Marley & The Wailers
ジャマイカやアフリカ各国、アフリカにルーツを持つアーティストが参加したプロジェクト。最新のダンスホール/レゲエ/ヒップホップ/アフロビーツによって新たに再構築された曲は原曲に対するリスペクトに溢れてて、良い企画盤です。
Calling / CHERISE
ロンドン拠点SSWのデビュー作。クラブやライブハウスとは違う、カフェにいるような日常に溶け込むリラックス感。歌中心のパーソナルな作りと洗練された演奏やアレンジが心地良いソウル/ジャズ。肩肘張らない自然で様々な表情を見せるボーカルもとても良い。
Blessed / Mohbad
ナイジェリア拠点ラッパー/SSWの2nd EP。マチズモを感じさせない朴訥としたラップと歌、王道的なアフロビーツともAltéとも違うアフロポップも感じさせるビートはスタイリッシュ。M3でのZlatanとの掛け合いやM7でのクワイヤによるコーラスには胸が熱くなる。
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