ボドゲはいいぞ。斬捨御免はいいぞ。

『ボドゲはいいぞ。』、第3弾。

うちのボドゲ同好会では、月の最終週の活動は「重量級ゲーム会」と決めて、重いやつ(1~2時間かかるやつ)をメインでプレイすることにしている。そして余った時間で軽いやつ(10分とかでできるやつ)をやる、みたいな。
結論から言うと、軽いやつのほうが私の好みだったのだが、まずはメインでやったほうから。例によって写真は取り忘れた。

■『老師敬服』

コンセプトは、「強い弟子をたくさん育てよう!」という感じ。自分が老師となって、弟子を修行させて武闘会で競い合わせ、もっとも上手く弟子を育てたプレイヤーが勝つという育成ゲームっぽい雰囲気。

初期セットは、弟子3人+アクションカード3枚。各プレイヤーはどの弟子にどのアクションをさせるかを決めて、アクションカードを裏にした状態で弟子とアクションカードの組み合わせ3つを場に出す。そしてターンプレイヤーから順番にアクションカードを1枚ずつ公開していく。都合3周で全アクションカードが表になるのだが、ここにこのゲームの特徴がある。

アクションカードではリソースが得られ、それを使って場から新しい弟子やアクションカードを得ることができる。これはいわゆる拡大再生産系のゲームのよくあるパターンなのだが、このゲームではアクションカードが公開されたとき、他プレイヤーのアクションに乗っかって自分もそのアクションで得られるリソースを得ることができる仕組みがあるのだ。

ただし、当然タダ乗りではない。「敬服チップ」というリソースを相手に渡す必要がある。これは渡された側にとっては0.5点の勝利点となるのでむやみには使えないが、実質自分のアクションが増えることを意味する。この仕組をうまく使い、互いに敬服しながらリソース(敬服チップ以外にお金とお酒がある)を集め、弟子を強化していくという流れだ。

この「敬服システム」は、拡大再生産系の代表作『カタン』などで行われる、交渉によるリソースの交換をシステム化したものとも考えられる。このあたりは好みが分かれるところかも。

全ての弟子がアクションを終えたあとには武闘会が控えている。各プレイヤーは弟子を1人ずつ選んで武闘会に出す。弟子とアクションカードの組み合わせで攻撃力が決まり、そこでも上位になればリソースや勝利点が得られる。ちなみに、武闘会に出た弟子は疲れているので次のターンは使えないという縛りがあり、これもなかなか悩ませられる。

このラウンドを5回行い、勝利点が最も高いプレイヤーが勝つ。勝利点を得る方法は「敬服される」、「武闘会で上位に入る」と「弟子を覚醒させる」が主。弟子の覚醒はアクションでリソースを消費すれば行えるが、ゲーム終了時に覚醒させていない(ちゃんと育てきれていない)とペナルティがあるのでかなり重要。勝利点の比率的にも、弟子をちゃんと覚醒させるのが一番大事。

ちょっと複雑なので1回プレイしただけでは掴みきれないところもあり、何度かやっていくうちにわかってくるタイプのゲーム。

■『斬捨御免』

こっちがなかなか気に入ったやつで、短時間で終わる正体隠匿系ゲーム。いくつかバージョンがあるみたいだけど、私がプレイしたのは幕末編。「薩摩」「長州」「新選組」「アメリカ」みたいに陣営がわかれてて、基本的にはそれぞれ1番から7番まで1枚ずつある。トランプみたくシャッフルしてカードを1枚残して配ってスタート。残した分はゲームから取り除く。あると完全にわかっちゃうパターンが増えるので。

まず、各プレイヤーは手札の中から1枚を選び、裏向きに場に出す。これが各プレイヤーの正体であり、一番早く誰かの正体を当てたプレイヤーが勝つ。

ターンプレイヤーは自分の手札から1枚選んで場に出し、左隣のプレイヤーに「おぬし、こやつを知っておるか……?」と問いかける。聞かれた側は、公開されたカードが「自分の正体と同じ陣営」もしくは「同じ番号」であれば「知っておる……。」と言いそのカードを横向きにする。そうでなければ「知らんのう。」と言う。これを繰り返していくと、場にカードと情報が蓄積されていくので、自分の手札も含めて考えると徐々に正体が絞られていく、というふうになっている。

ターンプレイヤーは相手の回答後、誰かの正体がわかれば「お主、〇〇陣営の△△とお見受けする。」と正体当てを行うことができ、指名されたプレイヤーは当たりならば「いかにも……。」、外れならば「人違いでござろう。」と返事。ここで当たりかつ自分と違う陣営ならば「斬捨御免!」と決めゼリフを言ってそのプレイヤーが勝利。外すと「ぬかった……!」と言ってそのプレイヤーは脱落してゲーム続行。そして、当たりかつ自分と同じ陣営ならば両者勝利になる。

何が楽しいかって、ロールプレイ的なセリフがあるので、たとえば悔しそうな「知っておる……。」が出ただけで笑える。基本的に3周くらいすれば誰かはバレるので「ぬかった……!」シーンはなかなか見れないのだけど、追加ルールでスキルカードを各プレイヤーに一枚ずつ渡すというのがあり、その中に「あまのじゃく」という「知っておる……。」と「知らんのう。」を全て逆に言わないといけないカードがあるので、それがあると当てるのがちょっと難しくなる。指定した相手の語尾を「ごわす」にするだけの謎スキルカード「西郷」みたいなのもあるけど。

どうも古くて「幕末編」は買いにくいみたいなので、代わりに「戦国編」を貼っておく。短時間のパーティーゲームとしてぜひどうぞ。トランプサイズなので旅行とかにもいいかも。


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