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パフォーマンスビルダーとは?

こんにちは。

パフォーマンスビルダーの三浦千紗子です。
「パフォーマンスビルダー????」「昨今流行した片仮名肩書か~?」と思われるかもしれませんが、今日はその所以と私の仕事について書かせていただきます。
私は、元々トレーナーという仕事をしていました。いわゆる“体づくりをする人”ですね。そして今でもトレーナーではありますが、この仕事を始めて早15年、トレーナーよりもしっくりくる自分を表す名称が「パフォーマンスビルダー」でした。
トレーナーは、トレーニングを通してクライアントの体づくりをします。だけど私はクライアントの“いい体”をつくることが自分の仕事の目的ではないなあと考えています。今回は、この文字面だけでは怪しさ万歳?の肩書についてお話させてもらいます。


1、パフォーマンスビルダーの仕事の目的とは?

突然ですが、私の仕事を家に例えて考えてみましょう。「立派な家」であることもさることながら、「住む人が幸せである家」がいいなあと思います。海辺の家なら塩害に強い錆びにくい家、豪雪地帯なら雪国ならではの仕様があり、ご高齢の方が一緒ならば段差の少ない家、荷物が多いご家族であれば収納の多い家、最近では共働き夫婦仕様の家なんて言うコンセプトも目にしました。要は、住んでいる環境や家族構成により求められる機能に違いが出てくるはずです。仮に、立派な建物だったとしてもその環境や用途に合わなければ住みづらい家になってしまいます。
そして、そもそも家が簡単に壊れてしまったらみなさん困りますよね?、修理費がかからず、住んでいる人が快適に生活できる家であることが大切ですよね。

実は、体も同じなんです。

「立派な体」は、体だけをみて評価できません。
その体を使って何をするのか、そこに焦点を当てた仕事がパフォーマンスビルダーです。例えば、スポーツをするのか、音楽を楽しむのか、趣味である料理を楽しむのか。
その人が「何をしたいのか」によって、体づくりは変わってくるはずです。
同じ“走る”でという行為でも、マラソンなのか、バスケットボールなのかにより体のつくり方は変わり、料理を楽しむことが目的なら立ち仕事が苦にならない体づくりを考えます。
また、人が「どんなパフォーマンスレベルを求めているのか」によっても、立派な体の定義は変わると思います。ちなみにこの、「パフォーマンス」という言葉は、スポーツや音楽・芸術・芸事などいわゆる華々しいものだけに限定して考えていません。日々のお仕事、育児や介護、家事など人によって様々な答えがあると思います。
そして家と同じく壊れないこと、これが絶対かつ前提条件です。怪我や痛みに困らないこと。
家は壊れたら部品を交換できますが、人間の体はそうはいきません。
つまり、パフォーマンスビルダーの仕事の目的は、
① (半永久的な)怪我の予防
② パフォーマンスの構築

この2点になるわけです。


2、パフォーマンスビルダーの具体的な仕事の内容とは?

私の仕事の内容を具体的にお話しましょう。大きく2点あります。

① 「フォーム(動き)の見直し及び構築」
故障(怪我・痛み)が起こるのには、必ず原因があります。
人が何千、何万とルーティーンで繰り返すフォーム(動作)が間違っていると、体が壊れやすくなります。
ここ数年ランニングブームですが、膝やふくらはぎ、足首や足の裏など下半身にトラブルを抱えている方が多いようです。それは、知らず知らずのうちに下半身に負担のかかる動きをしているから。実は、人間の体にもきちんとした取り扱い説明書があるんです。その“取説”をもとに、下半身の負担を減らし合理的なフォームを身に着けることで、タイムを向上させ、長く(長時間、長期間)ランニングを楽しめる体を手に入れることができるのです。

② 「フォームを継続的に安定させる体づくり」
そのために必要なトレーニングをします。
なぜならば、人は疲れてきた時や難易度の高い技術や技に挑戦する際に、フォームが崩れて本来のパフォーマンスを出せない場合があります。その様なことにならない様に、安定したパフォーマンスを続けられるように体づくりを行います。
★★★そのためトレーニングですが、私には実はちょっとした武器があります。それが「手」です。みなさん、ランニングをするときに手のトレーニングをしようって考えますか??実はどんな人にも限りなくポジティブなヒントになるんですよ、それはまた機会を設けてお話させてください!



3、 図で見るパフォーマンスビルダー

図解

「トレーニングをする」ことが目的ではなく、目指すべきパフォーマンス(黄色い部分)を念頭に置き、メディカル的な側面を考慮しながら、フォームづくりとそれに伴う体づくりを行います。★マークの部分が私のポジションです。

この図をまた家を例に交えて紹介してみます。

例えば、家の中で台所の棚が壊れてしまったとしましょう。
その場合、まず壊れた箇所の修理をしますね。
これが体ではメディカル的な部分であり、例えば病院では故障を診断し必要な治療をして怪我を治してくれます。
(台所の話であれば棚を買い替えるという選択肢もありますが、体の場合は買い替えるという選択肢を選べないのです…)

更に、なぜ棚が壊れてしまったのかを考え同じことが起きないように補強する、これが体ではトレーニングにあたります。
その際に、元々ドアの材質が弱かったということもありますが、おそらく多くの場合は日ごろの使い方に理由があると思うので、棚を丁寧に使ったり、少々手荒に使っても支障が出ないように補強します。

でも、そもそもその棚を使わない導線を考えてみることも大事な視点ではないでしょうか?
その棚を使わない、もしくは違う収納場所を活用した結果、その棚の使用頻度を下げるという選択肢もあるはずです。壊れてしまった棚の現在の使用方法を確認し、もっと別の収納方法を考えたり、クライアントにどんな台所だったら理想的なのかという話を聞きながら、根本的な台所の使い勝手を向上させる方法を提案する。
それがパフォーマンスビルダーの見ている世界です。
  
棚の故障をきっかけに台所の使い勝手を向上させるという例と、同じことが人間の体でも起きます。例えば膝の怪我をしてしまったとしたら、その理由を考え(おそらく膝以外の体のパーツの役割が伴わず膝に負担がかかっている状態であることが多い)、新しい使い勝手≒パフォーマンスを構築します。怪我はしないに越したことはありませんが、万が一怪我をしてしまったとしてもその人のパフォーマンスを構築するためのヒントにもなるのです。この点についても改めて、後日書かせてもらいますね。

現代社会の中で、日本でも世界でも修理を行うメディカル的な側面は科学の進歩と共に日々進化し、体を補強するトレーニングの概念も様々なサービスとして充実してきています。
ただ、そもそも棚を使う必要があるのか、他に代替できるアイディアはないか、そして台所を使うユーザーはどんな使い勝手を求めているのかという視点での意見はまだ目にする機会が少ないように感じています。
多くの人が何度も同じ怪我を繰り返してしまうことの理由の一つもここにあると思います。
メディカル、トレーニング、各種パフォーマンスが独立して存在するのではなく、本来はこれらが融合して初めて物事が上手く回るはずです。 

そのため、クライアントには、私から一方的にこのトレーニングをして、と提示をするというよりは、メディカル的な側面と体の取説を考慮し、クライアントの要望や目的を聞きながら、合致した提案をする形を取らせてもらっています。

4、おわりに

「肩の怪我に悩んでいたアスリートがフォームを見直し体づくりをすることで怪我に困らず質の良い練習を重ね、本人の目指すレベルへ近づく」「腰痛に悩んでいたお父さんが立ち仕事に負けない姿勢を身に着け体づくりをし、子供の運動会で一緒に走る」などスポーツで活躍する、音楽の豊かさを享受する、家族と大切な時間を過ごす、自分の職務を全うする。人の数だけ答えがありそうです。

怪我や痛みに困らず、その人が生来発揮できるはずのパフォーマンスを全うできることで、たくさんの幸せが増えたらいいなあと考えています。

自分のつくってきた仕事を誰かにつなげ、とどけたい。

NOTEの場で、私がふだん考えていることを発信していければと思っています。


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