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パフォーマンスビルダー三浦の視点#6 ~女性アスリートの膝を守る:女性の体のトリセツ

パフォーマンスビルダーとして、「怪我や痛みの予防を前提とし、パフォーマンスを構築することで、より豊かに生活できる人が増えてほしい」「その人らしい幸せな時間を過ごして欲しい」という考えのもと活動しています。
怪我の予防の観点からスポーツ界を見渡した時に、どうしても気になるのが、女性アスリートの膝の怪我の多さです。もちろん男性アスリートでも膝の怪我は起こりますが、女性ほどの発生頻度ではありません。しかし、怪我が起こるには必ず理由があり、その理由を明確にし合理的に対応することでぐっとその発生率を下げることができるようになります。
今回は、女性アスリートの膝の怪我の予防、そしてパフォーマンス構築に関して話をしてみたいと思います。


1、現代のトレーニングノウハウ(知識・技術)に欠けているもの

あらゆる現代スポーツにおいて、トレーニング科学の発展は目覚ましいものがあります。
日本では2001年に国立スポーツ科学センターができて以来、またIT技術の進歩も相まってアスリートが専門的なサポートを得て活躍することが一般的になってきました。
ただ、そんな進歩を遂げる中で私には気になることがあります。
それはいわゆるウエイトトレーニングを始めとした体づくり、つまり筋肉のつけ方が気になります。
ウエイトトレーニングそのものはとても有効なトレーニング方法だと思いますが、そのウエイトトレーニングの導入の仕方に一つの懸念があります。
それは、男性も女性も同じ方法でトレーニングを行うことに対する懸念です。
男性と女性の体はダンプカーと軽自動車くらい差があると言っても過言ではありません。そこに同じノウハウをあてこむことが、女性の怪我の多さに関与していると考えています。
元々頑丈なつくりのダンプカーは車体も丈夫にできているため、エンジンである筋肉の出力を高めても問題ない場合が多いのですが、軽自動車のようにそこまで車体が頑丈ではない車にダンプカーのエンジンを積もうとしたら軽自動車のどこかに負担がかかり壊れてしまいます。
一般的な運動に比べ強度の高い運動レベルを求められるアスリートへの筋力アップは有効なトレーニング方法ですが、選手の適性を判断し、活用することが重要だと考えています。

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