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体のトリセツ #2~手と体の繋がりを考える

こんにちは、パフォーマンスビルダーの三浦千紗子です。
今回の取説は「手」を取り上げてみたいと思います。「手」を使えるのは人間の特権ですからね。特権であるならば、そこを上手に使ってみたいものです。

では今日は手のページを探ってみましょう。

1、 手も繋がっている

「トリセツ #1~体を繋がりで考える」では、骨盤と背骨の動きは連動しているという例を取り上げました。

今回は、その「手」バージョンです。
もちろん、手も体のどこかの動きと連動しているのです。


2、実験してみましょう

何事も体で体感するとわかりやすいと思うので、今回も実験してみましょう。
まず前回の実験を活かして、骨盤を真っすぐに立てた状態で座るか立ってみましょう。

<手をダランと自然に下ろします。>
① その状態から、わざと手の甲が前を向くように、もしくは自分のお腹の方  を向くように動かしてみます。
② 次は反対に手のヒラが前を向くように、もしくは体の外側に向くように手のヒラを動かしてみましょう。

トリセツ手1

<スタート>

トリセツ手2

<①手の甲を前に向ける>

トリセツ手3

<②手のひらを前に向ける>

そうすることで…
今皆さんの肩が連動していることにお気づきですか?!
手の甲を前に向けると肩が丸まるような動きをします。
逆に手のヒラを外に向けると肩が開くような動きをします。

ポイントは、「肩を動かそうとしていないのに肩が動く」ということです。

皆さんは今、手のヒラの向きを変えるように動かしていただけですよね?
でも、実際は肩の動きも変わっている、つまり、無意識のうちに連動しているのです。


3、 実験からわかること

このように手の向きを変えることで、肩の状態が変わりました。
人間の肩にもちょうど良い場所(状態)があるのですが、現代人は極めて巻き肩になっていることが多いという特徴があります。(この実験で言う①の状態ですね)
いわゆる、姿勢が悪い状態です。
どうしてもパソコンやスマートフォンを使っている時間が長いとこのような状態になりがちですよね。前回の投稿では、「骨盤の状態が背骨や頭の状態に影響を及ぼしている」と書きましたが、実は手も姿勢や肩・首・頭の状態に及ぼしているのです。

筋肉は動かさないと硬直してきてしまうため、長時間このような状態でいると、肩こりや首の痛み、そしてそこから派生する頭痛に悩まされそうだということは想像がつくと思います。

この状態をスポーツの観点からみてみましょう。
今回は「コンタクト」を取り上げてみたいと思います。
(ルールで接触が認められているか否かは別として)特に対人競技の場合は人との接触が避けて通れません。ラグビーやアメリカンフットボールのような「THE コンタクトスポーツ」はもちろん、バスケットボールのゴール下のせめぎあい、サッカーのボールの1対1でのボールの奪い合い、ハンドボールでのディフェンスやフェイントなど、こうした場面におけるフィジカルの強さは、多くの競技で求められている要素です。

トリセツ手4

トリセツ手5

またちょっとだけ実験を。
立った状態でわざとひどい巻き肩の状態になって、誰かに押してみてもらってください。(周りにぶつからないように気をつけてくださいね)
次に巻き肩ではなく、手のヒラがちょうど前を向くくらいの状態で押してみてもらいましょう。

そうすると、巻き肩の状態では押されるがまま、当たり負けしやすいと思うのですが、肩の状態が良い状態だとさっきより耐えられる感じがしませんか??
これがコンタクト時のフィジカルの強さに繋がってくるのです。

ちなみに、肩の状態が良いと、自然と足に力が入りやすくなり、踏ん張りやすい状態になるんですよ!だからコンタクトに強くなると感じるんです。 
そうするとボールもコントロールしやすく、次の一歩も速く出るようになるメリットが!! と、すみません、スポーツの話をすると止まりません。。

例えば、「コンタクトに強くなりたい」ために(普通に生活している中でこんなニーズは出てきませんが笑、スポーツ等を行うと仮定して)、ただ体幹を鍛えればいいというものでもないんです。
腹筋を100回やるよりも、巻き肩を改善して生活した方が効果的。そして肩を良い状態(巻き肩ではない状態)に置いて、各種競技の練習を行います。そうやって過ごすだけでも体は変わってきます。その上で体幹トレーニングをすることが望ましいでしょうか。

「手の状態は肩の状態にも影響を及ぼす、結果的に体幹を始め全身の状態にも影響を出している」
と、この取説には書いてあります。

特に、「肩の状態がいいと、足の力を効率良く使える」この要素は様々な形で応用できます。
短距離走など陸上競技の力の出し方、バイオリニストの演奏時の立ち方や力の使い方等々、一見肩のトピックと関係が深く無さそうなところにもしっかり関連性があるのです。
やはり体が繋がっている、全体を見て考えることが大事ですね^^


4、 おわりに

今回は、手と体の繋がりを探ってみました。

実はこの手の話は今回のコンタクトスポーツの例に留まらず、あらゆるスポーツ、またその域を越えて音楽や芸術など様々な動きに大きな影響を与えているポイントでもあります。
私のパフォーマンスビルダーとしての強みの一つに「手の観点」があると書きました。その「手」が及ぼす影響は、到底ここには書ききれませんので、これから少しずつ、さまざまな例を取り上げながらその影響力、魅力についてお伝えしていければと思っています。


画像引用:見出し「PIXABAY

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