見出し画像

体力テストをしてみよう(MASテスト)

どうもアスレティックパフォーマンスコーチのタケダイグウジです。

競技パフォーマンスを向上させる指標の1つとしてスタミナがあります(その定義は置いておいて)、アスリート達がどれくらいのスタミナレベルあるのか共通種目でコーチ陣も選手たちも知りたいところです。

で、やってもらうテストを僕らコーチはMASテストと呼びます。

体育でやらされた1500m走とかもおんなじ様なもんです。。。(´;ω;`)ウゥゥ

MASとはMaximal Aerobic Speed=最大有酸素速度

の略で、疲労困憊まで走った時の最大速度を測るわけです。この速度はVO2 max(最大酸素摂取量)下の速度、Velocity at VO2 max=vVO2 max なんて書くので、

『〇〇選手のvVO2maxは18㎞』なんてやり取りします。

分かりやすい例だと、1000mを3分で走れるならvVO2maxは時速で20㎞となります。ただ、3分しか動かないことはないので、これから書く各種テストでもっと長い時間動き続けるのをおこないます。

因みに単純なダッシュ力は
MSS Maximal Sprint Speed最大スプリントスピード

と表記します。

僕らはそれらのデータをベースに持久力向上プログラムを時期に応じて処方するわけで、根幹が分からないと強度設定やボリュームが適切でなくなる可能性があります。MSSのことや何故この2つを計測する必要があるのかは別の機会に。

この辺のテストは散々紹介されてきているので、より詳しく知りたい方はCopilot AIさんとかに聞いてください。

代表的な3種類を紹介いたします。


クーパー走

単純明快、12分間走り続けてどれくらいの距離を走れるのかを測るテストです。詳しくは下記ブログや動画をどうぞ。

1㎞4分ペースで3000mなので最低でもこれくらいはクリアーしたいところです。

マラソンとかトライアスロン系の競技されている方はやってみたことあるのでは。

メリット:簡単に誰でもおこなえる。GPS付きのスマートウォッチ(活動量計)なら全力で12分走れば良い。マラソンの様に走り続ける競技には適しているかも。
デメリット:大勢でおこなうには400mトラックや最低でもスタート地点に何回か戻ってこれないと正確な距離が分からなくなる。間欠的に走り⇔休むを繰り返す競技だと適正的に合わないかも。

Yo-Yoテスト

みなさんご存知Yo-Yoテストです。名前忘れても延々とコーン往復するアレです。
種類は3種類あって、大雑把に書くと
・20m往復をひたすら走りまくる
・20m往復したら5秒休む
・20m往復したら10秒休む
どのタイプでもビープ音がなって、段々スピードが上がってきます。
2回ゴール地点まで走りきれなかったら終了です。

僕はより速いスピードを出せて回復能力を測りたいので合間に10秒休む
Yo-Yo間欠性回復力テスト
を使うことが多くて、Levelが1,2あります。サッカーやバスケだと昔からやっているので日本でデータが多いの使っているのもあります。

こんな感じで段々ビープ音の鳴る間隔が短くなっていきます。

メリット:走速度、切り返し能力、回復能力を測れる。走る距離が毎回一定。必ず戻ってくるのでそこまで場所とらず計測しやすい。
デメリット:専用の音声ガイド+スピーカーが必須。スピードが上がれば走る時間がどんどん短くなる。必ず計測する人が必要。走れる選手は計測時間が長くなる。

レベル1のスピードシート
最後まで走ると3600mオーバーで90回以上走ることに。

YYIR L1シート

レベル2のスピードシート
最後まで走ると2600mオーバーで65回以上走ることに。25までもいった選手は遭遇したことないです。

YYIR L2シート

30-15間欠的回復テスト

スポーツ科学者兼超有名なコーチでHIIT Science創設者の一人、Martin Buchheitさんが作成した体力テストでその名の通り、
30秒動いて15秒休むのを繰り返します。

時速8 or 10kmからスタートして、0.5kmずつスピードが上がっていきます。
下の図の通りフィールドでおこなう際は40mの往復で20mのところ、ラインの手前3mゾーンも作り、切り返し走りながらこのゾーンまで走って来られなくなった時点で終わりです。

バスケットボールコートの28mでおこなえる音源もあります。

詳しい説明は下記の通り

実施風景はこちら

メリット:走り、切り返し、回復が計測出来、動く秒数と休む秒数が一定。
デメリット:専用の音声ガイド+スピーカーが必須で必ず計測する人が必要。結構スペースとマーカーを使う。

おススメは?

僕は長年Yo-Yoテストをおこなっていますが、サッカーやバスケではここ数年30-15IFTを使うケースが増えてきています。Yo-Yoも30-15IFTも無料音源がアプリであるのでBluetoothでワイヤレススピーカーに繋いだり、電子ホイッスルでコーチが知らせたりして非常に安価で運用出来ますので,、どちらを選んでも継続してデータを貯めていけばよいでしょう。僕は走距離にエクセルやスプレッドシートに計算式を当てはめて簡易的にVO2max出せる様にしており、可能なら同時に心拍数も計測して本当の個別最大心拍とリカバリー心拍を把握するようにしています。

30-15でもYo-YoでもどっちでもOKだと思いますが、定期的に実施していきどう変化してきているのか残しておきましょう。

MASテストって必要なん?

とはいえ、そもそもこんなテストする必要あるの?って話です。

スキル練習中のGPS&HRや筋トレやムーブメント中のVBTの様にトレーニングしてるときに勝手にデータ取れるのと違って、テストのためのテストなので実施時期が重要ですし、めちゃくちゃ疲れるので残ります。シーズンスポーツならプレシーズン時、中断時期に一斉におこなえますが、僕が多く見ているプロ格闘技ですと選手毎に試合時期が違うので中々タイミングが合わないんですよ。

なので、やりたいけどやれない時はあえて時間が短くて済んだり、自分でおこなえるトレッドミルや追い込み特化型エルゴメーターakaパワーMAX、風神・雷神、wattbikeなどで試合後の初期トレーニング時期におねがいします。

重要なので何度も書きますが、ただただ数値残すだけは避けたくて、あくまでも普段おこなうHIIT処方の為のベンチマークにすぎないのを注意して実施してください。

このテストに限らず体力テスト全般をおこなってデータだけ計測してくれる会社が増えてきていますが、そこから先は僕らコーチが何を処方するかなので、そういうことが出来るコーチを雇うことが一番重要ですかね。

そんなタケダイグウジにお仕事依頼はコチラから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?