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【プチ史跡巡り】寺とトンネルと悲しい物語(1/3)
土曜日の夜の事、息子が「明日友達と山形に遊びに行ってくるね」と言い出しました。それはそれで問題ありませんが、家内が「明日は何をしようね」と聞いてきました。
日曜日は家でゴロゴロしていたいのですが、この質問の意図するところは「息子もいない事だし、いると行けないところにでも出かけよう」という事です。
回答を誤ると大変な事になるので、頭の中の引き出しを片っ端から開けて、昨年の春にうなぎを食べに行ったのを思い出し、その店の近くにもう一軒ある老舗にうなぎを食べに行く事にしました。
でもそれだけだと、遠い所にうなぎを食べに往復するだけで、ちょっとコスパが悪い感じがします。そこでいつもの「美味しいものを食べるのがメインと見せかけて、実は自分の行きたいところに行きたいだけ作戦」を敢行する事にしました。
うなぎ屋さんの場所は車で一時間程の登米という町です。古くは北上川の水運で栄えた町でした。ここでうなぎが獲れるので小さい町なのに今でも二軒のうなぎ屋さんがあり、遠くから人が訪れるのです。
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今日来たのは清川。享保から続くお店との事。
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11時の開店ですが、10時20分に到着。予約をしていないので、たくさん予約の人がいたらどうしようと心配しましたが、そんな事もなく11時に無事入店できました。
出てくるまでに時間が掛かるだろうと、うな重の他にうざくのサラダ仕立てを頼みました。
ところが思いのほか早く出来上がり、うな重とうざくが同時に来ました。
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うな重はいつどこで食べても美味しいです。
昨年食べたすぐ近くの東海亭と比べると、あちらはボリュームがあって、タレの味が濃く、焼きが強め、清川はご飯は東海亭よりは少な目、タレの味は控えめ、焼きは弱めでふっくら感が強いです。
個人の好みでしょうが、僕は清川の方が好きかな。
今回は米の美味さを感じました。このあたりは米どころなので、どこで食べても米が美味しいとは思うのですが、タレが濃すぎないので米の美味さを余計感じたのかもしれません。
食べ終えて11時40分にお店を出ました。
次はここから20分程のところにある、柳津虚空蔵尊に向かいます。
その名の通り虚空蔵菩薩が本尊で、726年に行基上人がこの地で彫ってお祀りしたのが始まりです。
818年には空海もやってきて、大黒天や毘沙門天を置いていきました。
ちなみに福島県の柳津にも全く同じ名前のお寺があります。
当時大伴家持が多賀城にいて、33年ごとに開帳したらどう?と提案したので、以来33年ごとに御開帳されています。
前回は2016年で、秘仏御開帳好きの僕は当然訪れていますが、当時は御朱印帳を持っていなかったので、そのために今回わざわざ来たのでした。
周りに人家も無い山の中にあるお寺ですが、どこから来るのかというぐらい人がやってきます。この地域の人の信仰を集めているようです。
境内の入り口に小さな川(水は流れていませんでした)があり、小さな橋が架かっています。
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なんの変哲もない小さな橋ですが、なんと大伴家持がここで百人一首にもある
かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける
霜が降りて真っ白になった橋を見ていると天の川みたいで
見とれていたらもう遅い時間になってたよ
という歌を詠んでいるのです。ちなみに今の橋は日露戦争後にかけ替えられたものです。
これって考えると凄いことだなと思います。1300年前の歌が今に伝わっているわけで、今流行っている歌が西暦3300年に聴かれているだろうかと想像すると、聴かれているとは思えないです。
しかもこんな辺境(当時は朝廷の力が及んでいたのはこのあたりぐらい)の地に、一流ミュージシャン(と言っていいのか)が来て、即興ライブを行っていたとか。それを思うと不思議な気持ちになります。
境内は密教系の寺院という事で賑やかです。お参りした後、境内にある七不思議なるものを回ってきました。
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こちらは行基上人の仕事
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行基さんに負けるわけにはいきません
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「邪魔にならないようにするから切らないでくれ」と住職の夢枕に現れて、
翌朝見たらぐにゃりと曲がっていました
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晴れている日でも葉先から雫が落ちたので、
奥方を慕う涙か悔し涙かと言われたそう
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本堂に頭を垂れているように見えたとか。
今は絶えてしまったそうです
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縁結びやイボ取り、こぶ取りに霊験があったそう
落雷でもあったのか焦げています
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松の木の幹の間に杉が生えて来て、松が杉の子育てをしているように見えたそうです。
今は松は枯れてしまい、後ろの大きな杉だけが残っています
裏山を登ると奥の院があるのですが、今回はパスしました。前回登った時は結構しんどかった記憶があります。
御朱印も貰ったので次なる目的地へ向かいます。
つづく
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