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雉の記事

毎朝通勤の途中で歩いて橋を渡ります。

川といっても普段は川幅10mぐらいの川で、両脇の土手の方が広いぐらいの川です。住宅地の中を流れているので、水質はそれほどいいとは思えません。夏になって水が少なくなると、生臭い匂いが漂ってきます。

そんな川ですが、生き物の宝庫なのです。

寒くなって来ると鴨みたいな渡り鳥が次々とやってきて、集団で暮らしています。
時々白鳥もやってきます。白鳥は大きいので、飛んできて着水する時に頭上を飛ばれると驚きます。

鷺は色んな種類の鷺が一年中います。水の中に立って、動かずにじっと水中を見つめて、時折小魚を咥えています。

昨年は、残業が終わって帰宅する途中でハクビシンに出くわしました。しばらくじっとしてたので写真を撮りましたが、残念ながら古いスマホだったので画質が悪く、暗がりの中、犬だか猫だかわからないボンヤリした写真しか撮れませんでした。

初夏になるとマルタウグイという大きな魚が何百匹と遡上してきて、バシャバシャ音を立てて群れます。水深が浅いので、背びれが出たりしていますが気にせず群れています。
たらいの中にびっしり入れられたウナギみたいな感じで、ちょっと気持ち悪いぐらいです。

2週間ぐらいでいなくなるのですが、産卵のために集まってくるようです。網でも入れたら40Cmぐらいのヤツが一度に数十匹は獲れるでしょうが、ちなみに全然美味しくないそうです。
食べた人のブログを読んだことがありますが、ケミカル臭がして食べられなかったと書いてありました。

この他にも、草ぼうぼうの土手なので、虫も蛇もたくさんいますが、毎年春先になるとやって来るのが雉です。
例年5月頃に目撃するのですが、今年は3月の下旬に見つけました。

枯れたススキだか萱だかわかりませんが、あんな感じの草がぼうぼうに生えているところに、草の隙間から赤いものが見えたので、おっ今年は早いなと思っていました。でも翌日からは見当たらなかったので、移動したのか見間違いだったかと思っていたら、一週間ぐらいした朝に「ゲ、ゲ~ン」というあの独特の壊れたラッパみたいな声が聞こえてきたので、姿は見えないけれどどこかにいるなというのがわかりました。

オスの雉はトップの画像のように、ド派手な色をしていて、特に目の周りが赤いので目立ちます。こんなに派手ですが、うまくできたもんで、藪の中にいるとすごく見つけにくいのです。

その代わり例の鳴き声で鳴きまくるので、まさに「雉も鳴かずば撃たれまいに」といったところです。

ところで、今年は例年よりも1か月半近く早く雉を目撃しましたが、七十二候では1月15日頃に、雉始雊きじはじめてなくというのがあるので、暖かい地方ではもっと早くから雉の鳴き声が聞かれるんでしょうね。

と、ここで七十二候を調べていて、初めて知った事があったので一つ紹介します。

雉が「ケーン」と鳴くのはオスの求愛行動です。
「ケーン」と鳴いた後、羽をバタバタと羽ばたかせて大きな音を出すのですが、これを「母衣ほろうち」と言います。

ところが雉のメスはそうそう寄って来ませんし、来てもなかなか求愛に応じてくれません。

塩対応というヤツですね。

ここから「けんもほろろ」という言葉が生まれたそうです。

「ケーン」と「母衣」ですね。

国鳥の割になかなかお目にかかれず、雉を見ると嬉しくなってしまうので今日は雉のお話を書いてみました。


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