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秋華賞の指数と見解

 この記事は、日曜日に行われる重賞レースの中からより自信のある重賞レースの指数と見解を述べる記事となっています。

 説明欄に貼ってある表をベースに、評価の横に記載してある各馬のポイントについて触れながら印を打った馬のコメントをしていきます。コメントだけで足りないと思った場合は、さらに表や図を付け加え、なぜ印を打ったか分かる明確な理由を示します。なお、この記事は無料記事です。詳しい予想方法につきましては『隼の予想スタイル』をご覧下さい。指数の回収率につきましては『今後の予定&前半戦振り返り』をご覧下さい。

 他にも私が記事を始めた当初から投稿している『今週の厳選馬』(週末に行われる中央競馬の全レースを対象に、厳選した穴馬を1頭取り上げる記事)、フォロワー50名様突破記念として投稿している『新馬のすゝめ』(関西圏の競馬場で行われる新馬戦の中で1番自信のある1鞍を分析し、馬券の軸となるような馬を推奨する記事)もよろしくお願いします。それぞれ先週の結果につきましては下記の説明欄か今週出される記事をご覧下さい。

 『今週の厳選馬』は基本有料=100円ですが、記事を購入して下さった方には特典として、この記事レベルに自信がある馬の情報をプラスしてお伝え致します。先週の対象レースは京都大賞典で本命のアリストテレスは2着、対抗のディアマンミノルは4着と惜しくもハズレ。ただ購入者限定特典は2/2Rで的中(下記に倍率が大きかったレースの的中画像を公開)と先々週の挽回ができました。さすがにマカヒキのような指数では測れない馬が来てしまうとお手上げですが、秋はほとんどのレースが毎日王冠みたく能力通りに決まるので、その中でも人気と指数が噛み合っていない馬(ディアマンミノルのような馬)を皆様にお届けできればなと思います。
 有料後の回収率(重賞のみ)につきましては下記の記事をご覧下さい。今週取り上げるレースは信越Sを予定しています。土曜の府中牝馬Sはサポートを下さった方にのみ予想を公開します。

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 『新馬のすゝめ』は完全無料ですが、新馬戦なので筆者がオリジナルで算出している指数等(能力指数・PRD指数・総合指数)は提供できません。ただその分血統や調教、騎手、厩舎、生年月日などを駆使して作成した簡易的なレーダーを記事にて提供します。そのレーダーの詳細、『新馬のすゝめ』の概要等につきましては下記のマガジンからご覧下さい。

1.毎日王冠の振り返り

毎日王冠結果

毎日王冠の予想《以下の記事参照》

 久しぶりの総合指数ワンツースリーフィニッシュ。やはり昨年の分析通り秋競馬は高指数馬が好走します。実際セントウルS以後(この記事で取り上げているレースのみ)の勝ち馬は総合指数60以上3位以内ですから、来週以降に続くG1も非常に楽しみです。

 1着のシュネルマイスター。勝ちタイム1:44.8は過去10年の中で3番目。ダノンキングリー、アエロリットに続く好タイムです。レース後のコメントでは「すごくいい脚を使ってくれた。川田さんに届かなかったと思ったけれど、僅かに勝てた。NHKマイルCを勝ったときはエンジンのかかりが少し遅かったけれど、今回のラスト300メートルはいい瞬発力を使ってくれた」とC.ルメール騎手。予想記事でも述べた通り、夏に放牧を促したことでしっかりと成長していましたね。このレース内容であれば天皇賞秋でも問題ないとは思いますが、そうなれば確実に乗り替わりが発生(グランアレグリアとの兼ね合い)してしまいます。こういった難しさを踏まえるとおそらく次走はマイルCSでしょうか。

 2着のダノンキングリー。少し驚いたのがレース後の談話で川田将雅騎手が「前回の安田記念よりもはるかに具合が良かったです。そのぶん、気持ちも入り過ぎていたので、あれ以上ゲートを出すことができませんでした」とコメントしていたことで、前回とほぼ同じ調整にも関わらずここまで状態に差が出るものなのかと、良い勉強になりました。もしかすると前走はレース間隔が空きすぎたからあまり状態が良くなかったのかと思ったり思わなかったり。いずれにせよシュネルマイスターがいなければ完勝でしたから、強いレース内容だったと思います。次走は天皇賞秋かマイルCSか分からないですが、川田将雅騎手がこのまま続けて騎乗してくれるようなら、面白い存在になりそうです。

 3着のポタジェ。姉にルージュバックがいる血統で、この舞台でも良いパフォーマンスをと思ったんですが、ギリギリの3着。レース後のコメントでは「強烈な脚を使う馬が2頭いたので、出していって流れに乗せた。ただペースが流れたときに追いかける形になってしまい、ラストはダラッとしてしまった。上位2頭に並ぶ間もなくかわされてしまった」と吉田隼人騎手。なかなか勝ちきれない競馬が続きますが、負けた相手は後々G1で戦わなければいけない相手ですから、もう少し差を詰めておきたかったですね。年齢的にも早くもう一皮剥けないと、この先厳しくなるかもしれません。(ルージュバックも早熟傾向が強めで、5歳時には不安定な成績が続きました)


2.秋華賞のポイント

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 秋華賞を予想する上で、まず最初に取り上げたいのが前哨戦を含めたレースレベル。上記の表は5つのレースから算出した指数を参考にして、人気の中心馬もしくはレースの代表馬がどのレベルに属したレースで好走したのかを記した表となっている。
 高レベルは桜花賞組。レースタイムはもちろんのこと、同じ阪神競馬場で施行された点も高評価。ソダシが札幌記念を制したように、古馬相手でも通用する指数(ハンデ込み)が出ている。次に挙げられるのがローズS組。左回りが気になるものの距離は同じ2000m。2着馬のエイシンヒテン以外は本番に通ずる指数をマークしている。
 低レベルは紫苑S組と条件戦組。紫苑Sの勝ち馬ファインルージュは良いデキでなかったにも関わらず0.3差の完勝。それを示すようにレース自体の指数も低調だった。条件戦組も例年と変わりないレベル。3勝クラスで勝ち負けになる点は評価できるが、2頭とも斤量減での好走で指数もまちまちだった。両レース馬は好走できたとしても使った上積みがないと本番では厳しいだろう。
 この5組の中で唯一参考外としたのがオークス。オークスは秋華賞で求められる要素と真逆の要素が求められるレースであり、距離も3歳牝馬としては過酷な2400m。さらには例年よりもペースが流れたため、一層参考にする意味がなくなった。(指数自体も平凡)
 こういった要素に付け加え、阪神競馬場が変則開催であることや、高速馬場+内前有利という点も気に留めておきたい。以上の要素から今年の秋華賞の様相は「桜花賞好走組VSローズS好走組&他レース経由の高指数馬」となる。これから出す各馬の指数もこれらの点に注目して見て欲しい。

ポイント➀ 関西勢優勢

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 上記の表は過去5年分の秋華賞のデータ(下記に続く表も同様)となっている。今年は阪神開催だが、同じ関西圏の競馬場ということを考えると、コース形態にまつわる要素以外は大きく変わらないだろう。

【今年の該当馬】※両条件共に該当
・アンドヴァラナウト
・アールドヴィーヴル
・エイシンヒテン
・エンスージアズム
・サルファーコスモス
・ステラリア
・ミスフィガロ
ポイント➁ 継続・乗り替わり

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 G1となる以上、継続騎乗が望ましい。特に3歳馬ということもあり、各々の馬の特性や、成長度を掴めていないとなかなか勝ち切れないのがデータからみて分かる。なお今年は乗り替わりがあまり見られない。

【今年の該当馬】※継続騎乗
・アナザーリリック/津村明秀
・アンドヴァラナウト/福永祐一
・アールドヴィーヴル/松山弘平
・エイシンヒテン/松若風馬
・エンスージアズム/岩田未来
・サルファーコスモス/川田将雅
・スライリー/石川裕紀人
・スルーセブンシーズ/大野拓弥
・ソダシ/吉田隼人
・ホウオウイクセル/丸田恭介
・ユーバーレーベン/M.デムーロ
ポイント➂ 当日の馬体重

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 前走から馬体重減はかなり厳しい。いくら前走高指数を出していようが、メイチの仕上げにしてしまうと本番では力が出せない。ただ今年は有力馬含め軒並みプラス体重(調教後馬体重)であまり参考にならない。

【今年の該当馬】※前走馬体重<調教後馬体重
・アナザーリリック/+21
・アンドヴァラナウト/
+8
・アールドヴィーヴル/
+8
・エイシンヒテン/
+8
・エンスージアズム/
+10
・サルファーコスモス/
+8
・ステラリア/
+14
・スライリー/
+18
・スルーセブンシーズ/
+18
・ソダシ/
+6
・ファインルージュ/
+5
・ミスフィガロ/
+12
・ユーバーレーベン/
+14
ポイント➃ 阪神競馬場で好走経験
・京都競馬場連対経験(過去5年)
2020 デアリングタクト  エルフィンS
     マジックキャッスル ファンタジーS
     ソフトフルート   矢車賞(1勝)
2019 シゲルピンクダイヤ 未勝利
2018 アーモンドアイ   シンザン記念
     カンタービレ    未勝利
2017 ディアドラ     矢車賞(1勝)
     モズカッチャン   未勝利
2016 ヴィブロス     未勝利
     パールコード    新馬
     カイザーバル    白菊賞(1勝)

 京都開催時、馬券内にきた15頭中11頭がこの条件に該当していていた。今年は阪神開催となるが、京都競馬場よりも特徴的なコース形態であることを踏まえると、より重要なデータになるかもしれない。

【今年の該当馬】
・アンドヴァラナウト/未勝利
・エイシンヒテン/ローズS
・エンスージアズム/1勝
・サルファーコスモス/未勝利
・ステラリア/忘れな草
・ソダシ/桜花賞
・ファインルージュ/桜花賞
・ミスフィガロ/未勝利
・ユーバーレーベン/阪神JF
ポイント➄ 桜花賞&岸和田Sの調教パターン
・2021年 桜花賞
1着 ソダシ
週前 栗坂4F 52.4 38.5 24.5 11.8 1追
最終 栗坂4F 54.5 39.1 25.4 12.5 馬也 先着

2着 サトノレイナス
週前 南W5F 64.2 49.9 36.9 12.2 馬也 先着
最終 南W5F 69.3 53.6 40.0 13.2 馬也 併入
3着 ファインルージュ
週前 南W5F 67.7 53.4 39.4 12.4 G仕 併入
最終 南W5F 67.6 52.6 38.9 12.0 馬也 先着

・2020年 岸和田S
1着 ポタジェ
週前 CW6F 82.8 52.1 38.1 12.7 一杯 先着
最終 栗P6F 83.2 52.1 38.0 12.1 馬也
2着 ダノンマジェスティ
週前 栗坂4F 51.2 38.4 26.0 13.6 一杯 先着
最終 栗坂4F 51.0 37.4 24.9 12.9 一杯 遅れ

3着 マイネルウィルトス
週前 栗坂4F 53.0 38.2 24.6 12.2 馬也
最終 栗坂4F 53.0 38.4 24.4 12.0 強め

・軸馬の傾向
➊2週連続坂路調教
➋1週前か最終で全体時計52秒台
➌   〃   終い12秒台前半

 同じ高速馬場で行われた桜花賞、今年の開催とほぼ同時期に行われた昨年の岸和田S(3勝)を対象に調教パターンを分析した。両レースとも坂路で好時計を出した馬が2着以内に好走しており、ラップ的にも好位につけたまま押し切る能力が求められているのだろう。(終いあればなお良し)

【今年の該当馬】
・アンドヴァラナウト/全体52.8・終い12.2
・ソダシ/全体50.2・終い12.2
ポイント➀~➄ 総括(データから見る注目馬)

 以上上記に挙げたポイント①~➄に全て該当した馬は、アンドヴァラナウト。よって今年はアンドヴァラナウトをデータからみる注目馬とする。本馬は前走のローズS時も取り上げており、その時は期待通りのレースをしてくれた。またその内容を踏まえてもG1で好走できるだけの下地は整ったと見ていい。陣営は「幼さが抜けて、精神的に少しずつ成長してきた。カイ食いも安定している。前走で2000メートルは少し長いかなと思っていたけれど、(福永)ジョッキーが道中でハミを抜きながら、うまく乗ってくれたからね」とコメント。調整については「ぶれずにしっかり走っていたし、申し分ない」と池添学調教師。福永祐一騎手はまだまだ課題点があるとしながらも、現状で出せる1番のパフォーマンスを魅せるとのこと。最初に示した通り指数は十分足りるだろう。桜花賞組との真剣対決が非常に楽しみである。

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3.秋華賞の指数

桜花賞:指数

【能力指数/ベスト5】
1位 ➃ソダシ       70.58
2位 ⑭ファインルージュ  64.69
3位 ⑫アカイトリノムスメ 58.57
4位 ⑨アンドヴァラナウト 57.33
5位 ⑪ユーバーレーベン  57.14
【PRD指数/ベスト5】
1位 ➃ソダシ       66.20
2位 ⑨アンドヴァラナウト 61.14
3位 ⑭ファインルージュ  58.44
4位 ⑫アカイトリノムスメ 57.18
5位 ⑪ユーバーレーベン  55.59
【総合指数/ベスト5】※人気は日曜日早朝時点
1位 ➃ソダシ       68.69 1人気
2位 ⑭ファインルージュ  61.90 2人気
3位 ⑨アンドヴァラナウト 59.21 3人気
4位 ⑫アカイトリノムスメ 58.13 4人気
5位 ⑪ユーバーレーベン  56.47 5人気


4.秋華賞の見解

桜花賞:見解

◎➈アンドヴァラナウト 福永祐一 ポ:成長

 ポイントは成長。さずがに前走(63.53)より指数を落としたものの、桜花賞組に匹敵する59.21は優秀。夏競馬を経験したことで、成長しながら指数を伸ばせた点も高評価。関西馬、阪神競馬場での好走経験、継続騎乗、馬体重減無しと条件もぴったり。枠も手頃で軸ならこの馬か。

○➃ソダシ 吉田隼人 ポ:騎手

 ポイントは騎手。そもそも関東所属の騎手が(0-2-0-19)と振るわないが、吉田隼人騎手のコース成績も(2-2-2-18)とあまり強調できない。また昨日のレースでも上位人気馬に騎乗しながら掲示板前後の成績が目立っていた。関西のG1なだけに関東所属の騎手は軽視したい。

▲⑭ファインルージュ C.ルメール ポ:調教

 ポイントは調教。レースレベル解説時にも取り上げたが、前走はメイチの仕上げではなかった。それにも関わらず紫苑Sを快勝。当然上積みも期待できる上に、叩いたことで調教内容も良化している。1週前併せたスカイグルーヴも昨日3勝クラスを勝ち上がっただけに、この馬も波に乗りたい。

△₁⑪ユーバーレーベン M.デムーロ ポ:馬場

 ポイントは馬場。本当は評価を落とす予定だったが、馬場が渋りそうで4番手に評価を上げた。というのも新馬戦不良馬場+出遅れながらも鮮やかな差し切り勝ち。その時の鞍上も道悪は大丈夫と強気のコメントを出していた。また中間一頓挫あったが、最終追い切り先着は初めて。これなら。

△₂⑩アールドヴィーヴル 松山弘平 ポ:距離

 ポイントは距離。この馬が勝てない要因は指数ではなく、直線でのズブさにある。桜花賞は明らかに距離が足らず、オークスは明らかに距離が長かった。そう考えるとローズS3着は妥当で、休み明けだったことも踏まえると今回パフォーマンスを伸ばせるチャンス。3着以内なら早仕掛けでどうか。

△₃⑫アカイトリノムスメ 戸崎圭太 ポ:体重

 ポイントは体重。人気上位馬の中で唯一馬体重減が懸念されるのはこの馬だけ。中間かなり調教は積めているものの、夏競馬や前哨戦を使っていないことを考えれば成長度に疑問符がつく。また好走データに一つも該当していない点も気になる。上位人気馬の中で飛ぶ可能性があるならこの馬か。

△₄➀スルーセブンシーズ 大野拓弥 ポ:コース

 ポイントはコース。今回阪神開催の恩恵を1番受ける可能性が高いのはこの馬。というのも今回のコースの形態と中山2000mのコース形態はほぼ同じで、この馬自身の中山競馬場2000mの戦績は(1.1.1.0)と着外はなし。1枠1番の利を生かして内々で脚を溜めれれば3着にきても。

☆➆サルファーコスモス 川田将雅 ポ:能力

 ポイントは能力。レースレベル解説時に条件戦組はレベルが低いと記したが、この馬だけは例外。能力指数52.40は桜花賞組のアールドヴィーヴルより高く、阪神競馬場での好走経験がある点も高評価。川田将雅騎手の継続騎乗も良いスパイスになりそうで、この人気なら拾っても損はない。


5.秋華賞の買い目

➈-➃⑪⑭-➀➃➆⑩⑪⑫⑭ 3連複15点

受け取ったサポートは指数の精度を向上させる研究に使わせていただきます。また、サポートして下さった方にはお礼として、他重賞で狙っている馬の情報をお伝えします。