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教員やめたら教育書が5万円になった

大量の専門書は売れば高くつく。

私は一人暮らしだが、家には180センチの本棚が2台もあった。
8年間買い続けた教育書が本棚にパンパンに溢れていた。

あまり開いたことのないものもあれば、大変お世話になったものまで、もう不要になった。

私の人生にはもう必要がないものだった。

本を売ると思いつくのがブックオフだと思うが、専門書専門の買取の店がある。
教育書って人気がないのか、探すのに苦労した。

私が利用したものは

BOOKRIVER

2000円以上の価値があれば送っても良いというところで、古本にしてはハードルが高いと感じたが、心配はしていなかった。

家を圧迫するほどの教育書たちが2000円以下なわけがないのだから。

事前にISBNという本の識別番号を送付することで、2000円以上の価値があるか調べてくれる。

卒業式が終わったあと、すぐに片付けを開始した。
もう手放したくて仕方がなかった。
教師人生を放り投げたかった。
ぽいー!!!

そして、最大の理由になったのは
お世話になった主任の退職祝いを私の家で行うことになったからだった。

我が校で仏様、天使様と言われている主任をこんな汚い家にあげるわけにはいかなかった。

早急に売る準備を、クソ忙しい3月に行うことになった。
40冊以上ISBNを登録した。
きっとこんなに登録せずとも、2000円を超えただろうところで止めても良かったはずだが、全冊入力し、メールを送った。
気持ち的には
手放す烙印を押すイメージだった。
「さようなら」と。

段ボール4個に教育書を詰め、着払いで送った。

専門書以外にも児童書や絵本はフリースクールに送った。
それ以外のものはブックオフに売った。

こんな感じで本棚1台分の本を手放した。

技術的な教育書は全て手放したが、まだ持っている教育書もある。

私に教育観の主軸を作ってくれた「世界一素敵な学校」
アメリカのサドベリーバレースクールの本だ。

権利をもつことの大切さ、選択を保障する大切さ、子どもたちには力があることを教えてくれた大切な本だ。

これは今読んでもワクワクする。
「教育」好きだなぁと思える本だ。

日本だとなんでこんなに苦しいんだろう。
苦しいことを苦しいと言ってはいけないから?
自分のことより、子どもたちを優先する事が当たり前と思われているから?
自己犠牲が好きだから?

オランダの先生たちみたいに定期的に教師がストライキしてもいい。
教育は余裕がないとダメな空間だ。
余裕がなければ子どものことなんて絶対に考えられない。

私はもう教育現場に戻ることはないだろう。
日本のバラバラな政策と現場無視の予算をかけないトップダウンに辟易とされられたからだ。

教員を辞めても蓄えた技量や経験は別のことに活かせる。
教員の粘り強さや忍耐は次の仕事でも必ず役にたつ。
教育現場は技術を極めざるを得ない、そういう技術を研究する力にも長けている。

教員とはそういう力を秘めている。
もし教員ができなくても安心していい。
かならず別の現場で役に立つから。

今の私は、そうやって1年間生きてきた。
今からの1年も前向きに進んでいきたい。

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