見出し画像

映画で楽しむ宇宙開発史

宇宙メルマガTHE VOYAGEの読者の皆様、はじめまして。この度、編集部の都村さんからの依頼で寄稿させて頂くことになりました日達です。

都村さんとは彼がインターンをされた時に知り合いました。私は今、ある宇宙ベンチャー企業で民間初の月面探査を目指して月着陸船の設計開発に携わっています。

今年はアポロ11号の人類初の月面着陸から半世紀50年の年になります。アメリカは2025年までに再び人類を月に送り、本格的な有人月探査を目指しています。月軌道上に宇宙ステーションを設置し、また民間の月探査機による月面へのペイロード輸送を行うなどの様々なミッションが計画されています。

このように、アポロ11号から50年という節目において、世界の宇宙探査が再び月に注目する中、巷でも月そして宇宙探査への関心度が高まっています。

さて、皆さんは映画はよくご覧になられますでしょうか?私は映画鑑賞が趣味で、様々なジャンルの映画を観ます。映画館で大きなスクリーンで映画に浸れる時間は、私にとって実に幸せな時間です。

今年は宇宙そして月探査を題材にした映画が大ヒットしました。アポロ11号で人類で初めて月面に降り立ったニール・アームストロング船長の半生を映画化した「ファースト・マン」や「ドラえもんのび太の月面探査記」が公開されました。少し前だと「アポロ13」や「ライトスタッフ」などがありましたね。宇宙に興味を持ったきっかけが、こういう宇宙開発映画だという人も、ひょっとしたら多いのではないでしょうか?

さて、今回は、そんなわけで少し宇宙開発映画の話をしましょう。月探査に関する映画だと、やはりアポロ計画に関するものが多いですが、その中でも意外に知られてない一作品を紹介します。

紹介したいのは「月のひつじ」。これは2000年に公開されたオーストラリアの映画作品です。主演は名優のサム・ニール。時は1969年。アポロ11号が人類初の月面着陸に向かおうとしてました。ミッションでは、月面へ無事に着陸した暁に月面からのテレビ中継を予定してました。当然ながら月面からの電波を地球側で受信する局が必要になります。当時使用される予定だったのはアメリカのカリフォルニア州の地上局でしたが、打ち上げ予定が変更となり、着陸時刻が月がアメリカの裏側にある時間帯になります。そこで、急遽オーストラリアにあるパークス天文台のアンテナを使うことになります。しかし、パークスは田舎町。ここの天文台所長であるクリフ・バクストン(サム・ニール)は、予期せぬトラブルに見舞われながらも、この一大イベントを成功させるために尽力します。「アポロ13」のようなドラマチックな展開ではないものの、ほのぼのだけども笑えて感動するアポロ計画の裏ドラマとして楽しく観れる映画ですね。未鑑賞の方は是非観てみたらいかがでしょうか?

画像1

月探査を題材にした映画やドラマはまだまだ沢山ありますが、月探査以外にも、有人宇宙飛行、スペースシャトル、火星探査、宇宙科学、米ソ宇宙競争、陰謀論まで、またジャンルもドラマ、アニメ、ドキュメンタリー、コメディまで、宇宙開発を題材にした映画って古今東西様々なものが作られているんですね。

ということで、最後に少し宣伝だけ。
実は、今回そんな宇宙開発の歴史を扱った映画をまとめて紹介した本を出版することになりました。

タイトルは『映画で楽しむ宇宙開発史』で鳥影社から出版されます。

映画の中に描かれた宇宙開発を紹介して解説した本で、内容は、「アポロ13」「はやぶさ/HAYABUSA」などの知名度のある作品から始まり、アメリカ、日本、ロシア、ヨーロッパ、中国と全世界でこれまで公開された宇宙開発をテーマにした映画、テレビ映画、ドラマ作品を紹介してます。

Amazonなどでも販売される予定ですので、興味がある方は是非ご購入頂けましたら嬉しいです。

スプートニク、アポロからすでに半世紀以上、人類は宇宙に夢を抱き、挑戦し続けてきました。皆さんも、映画で人類の宇宙開発の物語を楽しんでみてはいかがでしょうか?

以上、今回は宇宙と映画のお話しでした。



日達佳嗣 | Yoshitsugu Hitachi
昭和59年10月3日東京生まれ。大手電機メーカーで人工衛星の姿勢制御系設計開発に従事し、現在は宇宙ベンチャー企業に勤務し、民間初の月探査に向けた月着陸船の開発に従事している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?