シャロンおばさんのような宇宙飛行士[都村保徳]
4月4日、正式に第6期宇宙飛行士選抜試験の応募者数が決まった。僕と同じ20代の人だけでも800を超えるエントリーがあり、過去最高に激しく楽しい競争になりそうだ。今回はそんな宇宙飛行士という夢を分かち合う同志と、月面遭難脱出ワークショップに参加できる貴重な機会をいただいた。
FFS理論を用いて行うチーム型のアクティビティに向けて、事前に宇宙兄弟バージョンのFFS診断を受けて自己分析を行った。その中でシャロンと重なるとは思ってもみなかった。自分はとても外向的で何に対してもすぐに飛びつく習性があると思っていたが、結果は正反対だった。受容性が飛び抜けて高く、拡散性が他のどの因子をも下回っていた。言われてみればと思った。自分の知識経験と実力をもとに、ある程度の算段がついている時にしか挑戦してこなかったかもしれない…。保全的な部分が大きいなと、気づき、驚き、納得感に包まれた。
迎えたワークショップでは、診断結果を元に編成されたチームメンバーとともに、Gateway計画を見据えたリアルな非常事態に直面した。当然まだ誰も経験したことのない事態ではあったが、バランスよく解決案を練り出せたと思う。後の「自分を車の部品に例えると?」というアクティビティで、全員が別ベクトルの役割を持った異なるパーツを自分に投影したように、お互いの長短を補い合えたのだと思う。
大事なのは、各々が持つ異なる因子に優劣はないということ。それぞれの人に相応しいリーダーシップの形があるということだ。
前に立って引っ張る人、道を示す人。
横に並んで一緒に歩く人、共感する人。
後ろから背中を押す人、勇気づける人。
上から見守る人、全体像を見る人。
下で支える人、見えないところで汗をかく人。
今回のワークショップでは、ダイナミックなチームワークの深さ・面白さを学んだとともに、自分を客観的に見るいい経験となった。
4月22日、書類審査の結果が出る。晩春の便りを待ちつつ、今の自分にできること、楽しいと思えることを全力で追いかけよう。結果がどうであれ、悔いはない。今回スタートラインに立てたことが一番の金ピカなのだから。
都村保徳(つむらやすのり)
アストロスケール GNCエンジニア
2021年 英ブリストル大学院卒 Reaction Engines Prize受賞
小学生の頃、公文で相対性理論に出会い、時間と重力の不思議に魅了され宇宙に憧れる。米パデュー大学留学中に三体問題に出会い、軌道力学に恋をする。趣味はチェス&将棋。夢は宇宙飛行士。
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