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ツァイスⅡ型 ミツマチヨシコ(2023年9月号)

今月もプラネタリウム生誕100年にちなみ、古いプラネタリウム機器を作成しました。(10月21日から公開のコスモプラネタリウム渋谷秋番組に作品をたくさん提供する予定で制作しています。)

ツァイスⅡ型は、Ⅰ型に続いて作られたプラネタリウムの機械で、現存するのは3機のみです。

Ⅰ型ではドイツの緯度の星空しか映し出せなかったのですが、Ⅱ型では緯度の変化も対応できる機構を取り入れたので、世界中でプラネタリウムの設置を求める声があがったといいます。

アジアで最初にプラネタリウムを設置したのは日本の大阪市立電気科学館。現在の大阪市立科学館です。今も展示されている2号機が、現存する3機のうちの一つです。

ツァイスⅡ型  /  ミツマチヨシコ

その翌年、東京の東日天文館でも同じⅡ型が設置されましたが、残念ながら第二次世界大戦の空襲によって焼けてしまいました。
大阪は、幸運にも空襲で焼けず、その後も長く人々の心に灯をともしたそうです。

再び東京で、プラネタリウムの星を見つけるには、それから10年以上待たねばなりません。大人の方の記憶に強く残る、五島プラネタリウムの開館までは戦後の東京にプラネタリウムはありませんでした。
来月は五島プラネタリウムに設置されていたツァイスⅣ型をご紹介できたらいいなと思います。

また、10月21日からの秋の番組では、ツァイスⅠ型が映し出した星空とその街並み、大阪のツァイスⅡ型が映し出した大阪、そして東京東日天文館のパノラマと星空、五島プラネタリウムのパノラマと星空も映し出そうとしているようです。(鋭意制作中とのこと、お時間あればぜひ足を運んでみてください。)


ミツマチヨシコ
2002年から活動中の切り絵作家。水彩、漫画、動画なども作る。
作風はノスタルジック。ファンタジーとバンプオブチキンをこよなく愛している。
内なる宇宙をこの世界に持ち出し、未知なる外宇宙に思いをはせる日々。

2023年9月号より

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