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星を求めて出かけよう!~はじめての星活・前編~[イワシロ アヤカ]

「星を見たい!」と思い立ったら、その勢いで外へ出て、心ゆくまで堪能できたら素敵ですよね。
でも、一体どこへ行けばいい?
どんな準備をすればいいの??
星空を求めてのお出かけならではの、場所や持ち物のセレクトを2回に分けてお届けいたします。
今回は、星を見るための場所探しです。筆者の実践している方法と体験を、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まずは近所の公園から!あなただけの星見スタイルを探そう
星は、空さえあればどこからでも見ることができます。ベランダや、玄関ドアの一歩外でももちろんOK。それに加えて、いくつか「行きつけの場所」を作っておくと、いつでも行けていいですね。
自宅近く・通勤通学途中に寄れる公園は、第一候補になります。公園だけでなく、海辺や河原、展望台などは空を遮るものがなく、星を見るのに良い条件を持っていることが多いです。こうした場所に実際に行ってみて、空を見上げてみましょう。

高知市内の展望台から。街明かりはあるものの、空が広くてGood! イワシロ撮影

何度か出向くうちに、どんな星見スタイルが自分に合っているかがわかってきます。
例えば、「コンビニやトイレは近い方がいいのか(便利さ重視)」、「どんなことをするのが好きなのか(写真を撮りたいのか、星座を探すのが好きなのか)」といった、自分好みのスタイルが分かると、次の場所選びがスムーズになります。

ちなみに筆者の行きつけは、自宅から歩いて1分の公園です。明るくて天の川はあまり見えませんが、空が広くてとても気に入っています。

行動範囲を拡大!往復1〜2時間でお出かけ感を楽しもう
近い場所での観察に慣れてきたらちょっとだけ足を延ばしてみましょう。Google Mapなどの地図アプリで、往復1〜2時間圏内にある、公園や展望台などを検索します。「広場」や「駐車場」というワードでいい場所がヒットすることも。(車には十分気をつけてくださいね!)良さそうな場所を見つけたら、いきなり夜に行く前に昼間に確認しておくのがベストです。どんな雰囲気なのか、安全な場所なのか等を把握しておくと、安心して出かけられますね。

下見や日帰りが可能な範囲のお出かけに慣れておくと、より遠くへ行くハードルが下がります。また、何かあっても自宅にすぐ帰れる場所であれば、お子さん連れでも安心してお出かけできます。

筆者の場合は、車で30分のところにある自治体が管理している無料・予約不要のキャンプ場がお気に入りです。海辺にあり、地平線が見えるのがポイント。コーヒーを淹れたりしながら、ゆっくり星を眺められる場所として重宝しています。

海辺のイメージ(写真は高知県黒潮町の入野海岸)イワシロ撮影

夏休みに向けて!満天の星スポットを下調べ!
流星群の夜など、ちょっと遠出してスペシャルな場所で楽しみたいときは、衛星データで下調べ。おすすめは、Light Pollution Mapです。星の光を妨げる「光害」がどこにどの程度あるのか、衛星データをもとに表示してくれます。PCで開くと、明るい場所が色付けされた地図が出てきます。(スマホアプリもあります)
https://www.lightpollutionmap.info/
 

www.lightpollutionmap.infoの画面キャプチャ。四国周辺を拡大。

行きたい場所周辺の地図を見ながら、人口の明かりが少なく暗い場所をだいたい把握します。個人的な感覚ですが、黄色で天の川がなんとなく見えはじめ、緑で十分、青~グレーの所では満天の星という感じです。
地図を左クリックすると、数値が現れます。SQM(空の暗さ)は、都心で17くらい、漆黒の闇だと最高値の22です。

高知県大川村の数値(www.lightpollutionmap.infoの画面キャプチャ)

こちらは、高知県最北端(四国の「おへそ」にあたる部分)にある大川村の数値です。SQMの値が17のときを0点、22のときを5点満点とすると、大川村は21.81なので、5点満点中4.8点とかなりの高得点!満天の星を見ることができそうです。(実際、かなりすごいです)

SQMが21.36の才谷龍馬公園から。電線はあるが星が十分見える。
緑色の線はホタル。イワシロ撮影
SQMが21.85の大豊町・梶が森山頂にて。素晴らしい星空がひろがる イワシロ撮影

暗い場所の候補が見つかったら、その周辺をやはりGoogle Mapで調べていきます。道があって、安全に行くことができそうな広場や公園があるかを調べてみましょう。

良さそうな場所を見つけたら、さらに拡大したり、航空写真やストリートビューを見たりして詳しく調べます。必要なら管理者に問い合わせすることも大切です。(その場所が夜間誰でも入ってよいかどうかは、必ずチェック。私有地に勝手に入るのはマナー違反です。)満天の星を見るための場所探しなので、明かりも重要です。敷地内の街灯や自動販売機はもちろんですが、信号機やコンビニなどの明かりはとても明るく、夜になっても消えません。近すぎないか、光がどちら向きかなども、わかる範囲で見ておきましょう。

木が空を覆っていないか、駐車場がありそうか、トイレがありそうかなどは確かめておきましょう。加えて、地面がコンクリートなのか、芝生なのか、ベンチがあるかなどがわかると、過ごし方を具体的にイメージできます。

「いざ出発!」で気をつけたい“マナー”と“安全・安心”
下見に行けない場合、候補は1箇所に絞らず、何箇所か見つけておくと良いでしょう。実際に現地に行かないと分からないことはたくさんあります。最終的には、その場所で「安全に・安心して・気持ちよく」星空を楽しめそうか、自分で確かめる必要があります。

あるとき、筆者が星を見に山の方へ出かけた帰りのこと。車で道を進んでいると、のり面(道路の壁のこと)が崩れている場所に遭遇し進めなくなってしまいました。ここで初めて、間違えて林道に入っていたことに気付きました。間違えてから10分以上経っていました。
慌てて道を調べようとしましたが、なんと携帯電話が圏外!いつまたどこが崩れて、引き返せなくなるかも知れない中、誰にも連絡できず、道も分からず、祈りながら狭い道をひたすらバック。無事戻ることができましたが、かなりヒヤヒヤしました。

怖い思いをしないためにも、携帯電話の電波が入るかどうかは確認しておいた方がよさそうです。それだけでなく、動物や虫、天気の変化にも要注意です。

そして、もう一つ重要なのはマナーを守ること。私有地に入らない、ゴミを放置しないなど、せっかくの素敵な場所を大切にするよう心がけましょう。誰も見ていなくても、星がきっと、見ていてくれます。

いかがでしたか?ベランダ・お庭・近所の公園から、気軽に星活をはじめてみてくださいね。
そして次回は、「安全に・安心して・気持ちよく」星を楽しむために持っていくべきグッズやお天気の調べ方などを紹介します。

イワシロアヤカ
星空体験プロデューサー/星のソムリエ®︎(星空案内人)/ワークショップデザイナー®︎
「リアルな体験が人生を豊かにする」がモットー。メインテーマは星と宇宙。 イベントや講座のプロデュース、キャンプや旅企画、星空教室開催など 体験への扉を開けるべくマルチに活動中。 星空体験を届ける「sorashiro」代表。2児の母としても毎日奮闘中。
sorashiro https://starwatching.design/
Instagram https://www.instagram.com/sora46design/


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