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私について もう会えないけれどお幸せに

もうすぐ退勤時間ですが、その前にちょっとだけオフィスに残ってこれを書いています。やっと一人の時間が出来ました。クリスマスが近いせいか、早めに帰る人、休暇を取る人が多い中、何となく居残って仕事を片付けてホッと一息着いたところです。師走とは本当によく言ったもので、とにかく毎日忙しくて、時間があっという間に過ぎていきます。

日本時間は真夜中過ぎ、さっき風邪を引いたという彼にもお休みを言ったので、本当の意味で一人の時間です。大丈夫か心配していても何もしてあげられない事が悲しい時があります。

2024年は私にとって忘れられない年になりました。年の初め頃からいろいろあり過ぎて、生まれて初めてキャパシティーオーバーだと自覚したました。夏の終わりくらいまで暗いトンネルの中にいるような気持ちで辛かったです。

普通は記録しておきたくて物を書くのでしょうけれど、私の場合は忘れるために書いていたようなものです。実際その効果があって、嫌なことや辛いことがかなり封印できました。読み返してみると、こんなことを書いたんだって自分で驚くくらいです。

気持ちが落ち着いて年の瀬を迎えるにあたって、今何となく思い出したことがあるので、昔話をさせてください。忘れるためなのか、記録しておくためなのかは正直言って分かりません。

一年前の今頃、ある友人から学生時代の彼が2年前に結婚したと知らされました。晩婚だと内心思ったけれど、おめでとうを言いたいから連絡先を教えてほしいと頼んだところ、新婚生活を壊すようなことをしてはいけないと教えてもらえませんでした。あんたはあくまでも元カノなんだから、絶対近づいてはいけないと念を押されました。もうずっと昔のことだから時効でしょうと言ったけれど、友人は譲りませんでした。

本当に連絡したかったのか、結婚したと聞いてちょっとだけ胸が痛んだので平気な振りをしたかったのか、自分自身はっきりと分かりません。私たちが付き合っていたのは私が結婚する前なので、25年以上前に遡ります。

お酒の席でこちらの同僚たちにちらっとそのことを話したら、四半世紀も忘れられなかったのかなあって、何だかロマンチックな想像をしてました。実際のところは、彼が夢を追いかけていたため独身を通していたことを私は知っているので、私のせいではありません。
夢を諦めて再就職して、家庭を持ったと聞いています。

私も夢を追いかけて今に至るので、彼とは縁がなかったのでしょう。
でも、今年の初めにいろいろ辛かった時、その彼の連絡先を知らなくってよかったと思ってます。最初に浮かんだ顔が彼の顔だったので、自分でも歯止めが効かなかったかもしれません。真面目な人なので、全く相手にされなかったとも考えられますが、とにかく波風を立てずに済みました。

結婚したと聞いて、このままもしかすると一生会えないのかと思うと急に悲しくなったりして、私は本当に勝手です。

私が結婚してヨーロッパにいることはその人も知っています。その後学生時代の友人とあまり付き合わなかったのは、その人に私の事をあまり知らせたくなかったからもあります。彼が独身を通しているのを知っていたので、私が子宝に恵まれて幸せな家庭を持っていることとか、知らせたくなかったのが一因です。女だけれど上書き保存はしないんです、私は(笑)。

私がこっちに来てまもない頃、私が友人たちに連絡をよこさない事をその人が愚痴っていたと友人から聞いています。私なりの気遣いのつもりだったので、苦笑しました。

当時から、価値観の違いとか、将来の夢とかいろいろ噛み合わない部分が見えていたこともあって、仮に一緒になっていたとしても円満な暮らしが出来たかは疑問です。でも、私はそれでもちょっとだけ、彼の奥様に嫉妬しているのかもしれません。
とにかく話が面白い明るい人なので、今後一生楽しく暮らせると思います。

逆に彼が結婚していなかったらやり直せたのかどうかとか、今となっては考えても無駄なので考えないようにしています。先にも書いたように、真面目な人なので、セカンドパートナーなどは理解してくれないかも知れません。お前何考えてるんだって叱られそうなので、会っても言えないかもしれません。私は彼と付き合っている頃からちょっと変わってましたが、(普通の)人の道から外れる程ではなかったので、そう言われたら言い返せないかもと思います。

彼には幸せになってほしいと心から願っています。だから悲しいけれど、会わないのが正解なのだと思います。



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