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マグネティックフィルターを出している会社が多すぎるのでまとめる

 最近の一眼レフ、ミラーレスカメラおよびその交換レンズは性能が良くなりすぎており、同じレンズとカメラを使えば誰でも同じ描写が得られるという時代になっています。[独自調査・要出典]

 ここ2,3年は表現にひと味つけるためのフィルターの類が様々なメーカーから再び発売されるようになりました。2018〜2019年頃は角型フィルターの新製品がKANI、NISI、MARUMI(H&Y)、COKIN(ケンコー・トキナー)といった新興・老舗メーカー双方からリリースされ、角型フィルターバブルとも言える年でありました。また、2020年頃からは、古くからの定番品であるブラックミストフィルターやソフトフィルターの新製品が各社からリリースされるという情勢です。

 そんな中で、最近注目を集めているのがマグネティックフィルターです。通常の円形フィルターは、たいがいのレンズに備え付けられている溝にねじ込む形で使用します。一方でマグネティックフィルターは、磁石が入ったベースプレートをねじ込みで固定し、フィルターは磁石を使ってベースプレートにくっつける、という機構を採用しています。
 この機構で便利な点は、明らかに着脱が楽であるという点です。ねじ込み式の円形フィルターは、つけ外しが面倒であるという点で描写が変わらないとされるプロテクター以外の取り付けを忌避されがちです。
 角型フィルターもベースとなるフィルターホルダーさえ取り付けておけば、フィルター本体の着脱は容易ですが、フィルターの交換に意外と時間がかかる、ホルダー自体がかさばる、暗闇ではフィルターの着脱がしづらい、といったような弱点が存在します。
 マグネティックフィルターであれば、ベースプレートにフィルターを重ねるだけという性質上、これらの弱点はなくなります。

 そんなこんなで、マグネティックフィルターが気になってきたので各社どんなものを出しているか整理してみることにします。意外と色々ある。


1. H&Y(MARUMI)

 まずは香港に本拠地を置くメーカーH&Y。基本セットとしてベースプレート及びND8,64,1000のセット販売をしている。フィルター側のラインナップとしては、他にCPL、光害カットを用意しており、十分なラインナップ。
H&Yはマルミ光機の角型フィルターをOEM製造していた経緯もあり、マルミのマグネティックフィルターもH&Yが製造している。また、今回紹介する中では唯一日本法人があるため、国内からサポートをうけることができる。

2. Breakthrough Photography

 アメリカに拠点を置くフィルターメーカー。日本ではあまり知られていないが、CPLやNDの色シフトのなさは一線を画する出来である。
筆者は2019年にここのマグネティックフィルターを購入したのだが、現在は新たにVersion2を開発中ということで、ディスコンになってしまっている。Version1は磁石が強力すぎて、CPLフィルターを接続すると指の力では回転できないという重大な欠点が存在する。

3. FreeWell

 Freewellは動画制作者向けのフィルターブランドで、Breakthrough以上にスチルだけ撮る人には知られていない。このメーカーもマグネティックフィルターを出している。特徴的な点としては、典型的なCPLやNDフィルター以外にミストフィルター(おそらくブラックミストであろう)をラインナップしている点である。

4. K&F concept

 うーん、このメーカー、他社の設計書とかパクってそうだけど大丈夫ですか?(暴言)
とにかく安いのですがND1000とプロテクターとCPL以外のラインナップがなく、あまり選択肢としては上がらないと思います。

5. Manfrotto XUME

 老舗マンフロットからも実は2017年にXUMEというラインがリリースされています。現在はほとんど動きがない。(まあ一度リリースするとあまりやることもないのだろうが)最大の欠点ははフィルター径77mmまでの対応であり、最近の大口径レンズでありがちな82mmをサポートしていない。

6. Haida

 Haidaも中国の新興メーカー(2004年設立)。H&Y、Freewellと異なるポイントとしては、円形のGNDをラインナップしている点。ねじ込み式でもGNDをラインナップしているのですが、濃さをコントロールできないGNDに意味があるのだろうか・・・。フィルター自体の性能はFstoppersなどを見るとそこそこレビューされており、しっかりしているようだ。
 Haida製品の購入は、Amazon.com、カメラオタクおなじみB&H、Aliexpressなどから行える。国内ではHAKUBAが代理店として一部商品を扱っているがマグネティックフィルターについては未発売のためサポートは受けられない。

https://haidaphoto.com/en/product-show/Magnetic%20Series


まとめ

 今回はマグネティックフィルターを出しているメーカーを洗い出してみたが、まともにすぐ使えるメーカーに限ると半分もない。実際に製品ラインナップが豊富ですぐ買えるのはH&YとFreewell、Haidaの3社で、国内からでもサポートを受けやすいH&Y一択の状況と言えるだろう。ミストフィルターがどうしても欲しいときだけFreewellを検討するべきだ。Haidaに関しては、H&Yとラインナップがほぼ同じなため、あえて積極的に薦める理由がない。
 これは余談だが、以前ニッシンジャパン主催の販売会でH&Y Japanの担当者と話したところ、意外と内情に詳しい方だったので単なる輸入商社ではないのだと思われる。

この記事を書いたあと、筆者はH&YのProfessional Kit + CPLを購入しました。82mmのフィルター4枚とベースプレート2枚、キャップが付いて約24000円はフィルター1枚あたりで換算するとなかなかお得なのではないでしょうか。

販売サイト:https://hy-filter-japan.com/items/60c2ef72933e9b1e97a72dc1

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