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深夜に伏見稲荷行った話

2022年の8月にYouTubeで深夜の伏見稲荷に行ったスレを紹介する動画を観た。
そしたら興味が湧いてその数日後に行ってみた話。

調べてみると夜の神社は人ではないモノの時間帯だから行ってはいけないなどの情報があったが、伏見稲荷大社は24時間いつでも入れるということなので特に気にしなかった。

午後7時過ぎに自宅を出発、グーグルマップ上では片道110キロほど。
もちろん下道で向かった。

国道372号を通る頃には時刻は午後9時を過ぎていて辺りは真っ暗、車の数も減ってきてなんとなく心細くなった。
山間を抜ける国道372号は街灯が少なく、頼れるのはZRX(バイク)のぼんやりとしたハロゲンライトのみだった。
登りのカーブの途中で道路の端を腰の曲がったお婆さんが歩いているのを確認したのが午後10時、状況を理解するのに時間がかかったし認めたく無かったので幻覚と自分に言い聞かせた。

京都に着いてから1時間ほど道に迷いながら伏見稲荷に着いた。

時刻は午前1時前
でっけぇ鳥居

京都の夏らしくとても暑い夜だったが、ライトアップされた鳥居の前では暑さより感動が勝った。
伏見稲荷といえば千本鳥居だよな〜という浅はかな知識しかなかったのでとりあえず向かった。

クッソ怖ェェ

何処からか金属音が鳴り響く中、千本鳥居を歩いた。
足音が反響して追いかけられてるような気分だったので早足で歩いた。

一通り伏見稲荷を歩いたので帰ろうとした矢先、伏見稲荷の案内板が目についた。
「稲荷山山頂」
どうせ来たなら山頂まで登るか〜というノリで稲荷山の山頂を目指すことにした。

稲荷山の中腹ぐらい

ずっと鳥の鳴き声がする中、階段と坂を下りたり上ったりしながら山頂まで歩いた。
普通にしんどい

この時に驚いた事は自販機が設置されていることと値段が高いこと、そして私のように深夜の伏見稲荷に来ている人がいる事だった。
自分以外に来ている人は皆2人組だったのでとても疎外感を味わった。許せん
どの2人組も1人で来ている俺の事を驚いた目で見ているのがわかった。

深夜に1人で来ているからなのか、前面にでっかく「提督」と書いたTシャツを着ているからなのか理由はわからなかったが二度見されたりした。失礼な

山頂まであと少しとなった所で大きな谷があった。
今いる場所から階段を下りまた上るという山頂直前にして最大の苦行だった。
かれこれ1時間も歩いてるので少し休憩しようとした時に谷の向こう側の階段から話し声が聞こえた。

木の枝の隙間からみると黒のズボンを履いた人が階段を下りていくのが見えた。
話し声は2人だった。

階段の幅は狭く一本道である。
階段を下りているという事は嫌でもすれ違うことになるので谷にある少し開けたところで待とうと考えた。
階段を下りている途中で突然話し声がしなくなった。
向こう側にある階段を見ると誰もいなかった。
熱帯夜に山登りをしているにも関わらず汗が止まった。
山頂方面に引き返したのか?
そう思いつつ気にしないようにして山頂までの階段をひたすら上り続けた。
なんなら走って上った、どうしても人の姿を確認したかったのかもしれない。

山頂来ちゃった!

誰もいねぇ

かなりのペースで階段を上って山頂に着いたのに誰もいなかった。
友達に電話でもしようかと思ったが圏外、
8月なのに肌寒く感じた。

山頂の祠に彼女ができますようにとお祈りしたところで帰る決意をした。

めっちゃ走った

怖かったから後ろも振り返らずに階段も一段飛ばしくらいで下りていった。

そしたらいたんだよなぁ〜 イノシシ
行く手を阻むように座ってた。

そっと来た道を引き返して迂回できる道から下山しようとした。

そしたら目の前を何かが横切った。
ただでさえ夜の神社に来ていることとイノシシと先述の人の件で恐怖心がピークになっていた俺は叫んだ。
「ウオォォォォゥゥゥ‼︎」
自分でもわかる、全て半角カタカナの叫びだった。

目の前を横切った何かをそこで初めて認識した。

ネコチヤァンだった

プリティ♡

俺が叫んだのでネコチヤァンもビクッ!ってなってた。
ちゃんと謝った。

そこからは何事もなく下山して帰路に着いた。

途中で道を間違えて行きとは違う山間の下道を永遠に走った。
時刻は午前3時、京都から大阪に抜けるまでの対向車は3台、後続車はいなかったので孤独だった。

兵庫県に入る頃には日が出て周りが明るくなってきた。
ポートアイランドで朝日を見ながら休憩した。
家に帰ったら午前7時、眠気はピークを迎えていた。

完全なる思いつきツーリングとなったがとても有意義な時間だった。
夜の神社は違う世界みたいだった。

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