「豚たちの沈黙」

「ようこそクラリス。ちょうど午後のカモミールティーを嗜もうとしていたところだ。どうだね君も、子ウサギちゃん。

落ち着いた口調と裏腹に、隠しきれぬ傲岸不遜。その頭脳明晰ゆえに当然のように他人は皆虫だと思っている、孤独な天才。その才能は前向きに使われる事はついぞ無く、孤島の牢獄で一生を終える運命。
なのに何故、その心は挫ける事なく誇り高き闇の王のままなのだ?クラリスは嫌悪感と息苦しさを隠せない。

「口のきき方に気を付けてレクター。今この場で法務大臣に電話して、今日中に電気椅子送りにだって出来るのよ。
「合理的に考えて、君にはそんな事出来やしないさ。」脂ぎった眼つきで舌舐めずりするレクター。

「私の頭脳の利用価値と天秤に掛ければね。

悔しいけど彼の言う通り。その悪魔的な頭脳による推理とプロファクティングにより、数々の迷宮入り案件を解決出来たのは紛れもない事実。

「…私が悪かったわ教授。またあなたの頭脳が必要なの。お願い力を貸して。
「それが頼み事をする姿勢かな?
「…お願いします教授。我々の手に負えない案件が次から次に詰まっているんです。」土下座。「どうかお願いですからお力を貸して下さい。
「フムン…いいだろう。なるべく簡潔に話してくれたまえよ。
「…らっきょうが旬なので、漬け方を一からご指導下さい。
「お安い御用だ。次は?
「梅が旬なんで初めて梅干漬けてみようと思います。漬け方教えて下さい。
「クク…勿論だとも。

西暦2025年、中年童貞やそれに限りなく近いおっさんが、介護福祉医療&サービス業で、きちんとコミニュケーション出来ないてかウザい等の理由で次々に問題を起こし、
政府はこれを社会問題とみて、しかるべき予算をかけしかるべき措置をした。結果、中年童貞を囲い込んでクスリ打って気持ち良くさせる中年童貞貧困ビジネスが成立したよう。
私はこの事業を立ち上げるに当たり、知り合いの小劇場俳優に声かけた。演技力が生かせる美味しいバイトだよと。キモいおっさんが自己満の世界にこもる手助けをして国から助成も出る。

でもこじらせ中高年は治せないし彼らの仕事出来るアピールすごい。負けそう。

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