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ペンタNote

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思いつくままに
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2024年1月の記事一覧

春の足音

水仙が咲くころ 菜の花や梅が咲き始める 暖冬の大雪で寒くなっても 公園の花壇で水仙が咲いている 子供の頃は水仙が咲くと 仏壇の花瓶に供えていた祖母を思い出す 座敷の畳が少しだけ冷たくて 線香の匂いと水仙の香りが混ざる 半世紀ほど前の記憶だけど 築100年の家で襖と障子に囲まれた部屋で 祖母が手仕事をやっていた 晴れた日は 近所の畑で菜のお世話 時間が日差しと影の動きで進んでいた 今では時計やスマホを眺めながら 今日の時間を感じている 都会のマンションの部屋には 水仙の香

考えをリセットする時間

毎日、時計を見ながら、カレンダーを見ながら、スマホの着信を気にしながら過ごしていた。 小さな機械仕掛けの針が少しずつ時を刻んで行くけど 人生の時間は自分の心の針が刻んでいると気が付いた。 定年を迎えた日は、運動会のゴールの線をまたいだ瞬間 その翌日は電線に並ぶ燕が南の空へ旅立つ日 少し経つと、商店街の八百屋の犬やクリーニング屋の受付にいる猫 色々なものが時間の針になって行く。 会社では毎日のローテーションを誰かに与えられ 機械仕掛けの歯車のように止まれない時間 今ではひな