見出し画像

星の旅人たち

映画「星の旅人たち」をみて、サンティアゴ・デ・コンポステーラを知る。

映画のストーリーは、落ち着いた日々を送る初老の眼科医に、突然、疎遠だった息子の訃報が届く。スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの旅の途中での死であった。

ひとまず、遺体を引き取りに向かう。なぜに、わが息子は、このサンティアゴの巡礼の旅をしていたのか。疎遠になっていた息子のために、遺灰を抱えて、息子のトレッキング道具をまとい、約30日間のロングトレイルを始めるのだ。

途中、旅を共にする同行者との関係も織り交ぜてのロードムービー。

さて、この映画でこのロングトレイルの存在をしり、私も興味がわいてきたので、各種のリサーチを行った時期がある。

北アメリカ大陸のいくつかのロングトレイルコースは、おもいっきり過酷だが、この巡礼の旅は、巡礼者の宿に泊まりながらのもの。

キリストの12使徒の1人であるヤコブがイスラエルあたりで殉教する。その遺体を乗せた船がスペイン南部に流れ着いた、という伝説。
その墓が800年ごろ、星に導かれて発見されたという。そこから巡礼の旅が始まる。巡礼者が多くなり、巡礼宿が整備され、警護する武力勢力が構成されていった、とある。レコンキスタに活用されたような節もある。
近年になって、ロングトレイルコースとして、再び脚光を浴びているらしい。
熊野古道のトレッキングと提携しており、信仰は関係なく、トレッキングとして楽しむ人も多いらしい。

グーグルマップでルートを確認してみると、スペインの昔の集落の様子が見えて興味深い。

いつか、私もチャレンジしてみたいという思いが湧いてきた。
いろんなコースが設定されているが、長いものだと、35日ぐらいかかる。
参加証のようなものをもらうだけなら、最短距離コースもある。
日本の御遍路さんに類似したもののように思う。

さて、映画では、聖ヤコブの教会の先の海岸にて、遺灰をまく。死んだ息子の代わりに踏破し、分かり合えたようなラスト。仲間達もそれぞれ何かを発見して、再び人生の旅に戻っていく。

主人公はさらに足を伸ばして、アフリカ大陸のモロッコを歩く姿で終わる。旅の魅力にハマったのだ。

感慨深い映画である。



サポートありがとうございます。