見出し画像

Vol.17:「九頭龍スミレ」のミッション開始

「九頭龍スミレ」に使いを寄越してきた存在。なんと「閻魔大王」だという。

「閻魔大王」「焔摩天」「地蔵菩薩」。本地垂迹思想により色々な物と同一とされているようだ。元を辿れば、インドのヤマラージャという事になるらしい。
「地蔵菩薩」から派生して「シャグジ」とも関係があるようだ。「シャグジ」「ミシャグジ」。諏訪大社のミシャグジにも関係あるのかもしれない。
「観察者ユリヤ」に同行した諏訪大社への旅と関連性を少し意識してしまう。
また、地蔵菩薩は首里観音堂にも祭られており、最初に「九頭龍スミレ」にアプローチしてきたのが首里観音堂の龍だったらしいので、その流れかもしれない。

そして、「九頭龍スミレ」に会いにきた、紫色の着物を着た明治時代の女性。
名前は「萬龍」らしい。
検索すると、絵葉美人として名を馳せた芸妓の「萬龍」がヒットする。
おそらくは、その「萬龍」さんであろうとの見立てのようだ。

萬龍さんは1894~1973年を生きた方。建築家の岡田信一郎さんと結婚されたとある。岡田信一郎さんと言えば、明治生命館や大阪市中央公会堂の作品で著名な近代建築家である。建築家のサポートという発想はここから来ているのではないだろうか。私的には、この「萬龍」さんの存在の方が気になったりもする。
まだ死後50年くらいしか経過していない。

沖縄と閻魔大王の関係性はあるのか。そして、萬龍さんが、何故、閻魔大王の使いをしているのか。巻物を持っているという事でいえば、閻魔大王の眷属の1人である「司命」役とも思えるがどうだろうか。

「観察者ユリヤ」に閻魔大王の印象を聞いてみた。一般的な閻魔大王のイメージらしい。怖いイメージというよりは、業務遂行に律儀な感じらしい。
管理職。業務日報が出てないぞ、と催促に来る鬼上司のようなものをイメージした。

毎晩やってくる閻魔大王と萬龍。ついに「九頭龍スミレ」は根負けしたらしい。契約の内容をやってみる、という事を決め、「観察者ユリヤ」に同行を求めた。

そして、金曜日、なんらかの鍵を開けに行ったという。

その様子を少し聞いたのであるが、三次元世界に重なるようにして存在する別次元世界において、なんらかのアイテムを受け取り、なんらかの鍵を開き、なんらかの情報を入手して。そんな事をやっていたという。龍脈に沿いながら行っているような感じらしい。

「九頭龍スミレ」は情報を受け取った後、琉球の歴史を紐解き始めたという。なんでも、歴史に記された年表に記されていない時期に、龍神の何かの動きがあったという事のようだ。

VRゴーグルを付けて何かロールプレイングゲームをしてる人を見ている感じのようだ。また、ミッション開始前のチュートリアルゾーンで準備を始めた、という段階のようである。小学3年生に課せられたミッションにしてはハードではないか。「観察者ユリヤ」はその姿を見て、胸キュンだったらしい。確かに、なんと健気であろうか。

さて、そして、いよいよ、私も「九頭龍スミレ」と会う段取りになった。明日の事である。急スピードの展開だった。

続く。


サポートありがとうございます。