断易における「空亡」について
空亡は別名、天中殺や、大殺界の一部を構成し比較的判断が単純であるため占いマニアによく知られている凶作用の星と通例理解されていますが、これらの判断は本来の空亡の実情を必ずしも正確には反映していないようです.
断易の判断としては補助的な意味合いが強く、吉凶は力量と関連しており、空亡だけを取り上げて単純に凶とは判断いたしません.
空亡の爻はあたかも冬眠しているような状態で活動力を失っており、他爻を生剋・合することもなく、他爻より生剋・合を受けることもない、いわば「治外法権」のような取り残された状態を示しているという特徴があります.
空亡の2つ
・有気である「仮の空亡」
・無気となっている「真空」
と見分けていきます.
仮の空亡は空亡が解けた時、復活するようにその力を表してきます.
真空は無気であるため復活することはなく、「死亡状態」にあるとみます.
例⒈ 求財占(沢水困の不変)
申月/破:寅
己酉日(空亡:寅卯)
‥ 未(父母)
— 酉(兄弟)
—〈応〉亥(子孫)
‥ 午(官鬼)
— 辰(父母)
‥〈世〉 寅(妻財):月破/空亡
財を得られるか、儲かるかどうかは妻財用神です.
世爻に用神がついているのは目的の達成しやすい象であるとするのですが、
月破に値り日辰からは剋を受け、休囚して無気の空亡の状態です.
これを「真空」といい、死亡状態であり復活できない用神となっています.
例⒉ 求財占(沢水困不変)
寅月(破:申)/辛亥(空亡:寅卯)
‥ 未(父母)
— 酉(兄弟)
—〈応〉亥(子孫)
‥ 午(官鬼)
— 辰(父母)
‥ 〈世〉寅(妻財):/空亡・生合
この卦は月臨の寅が世爻に値り、日辰から生合の関係ですが空亡になっています.
このように旺相している用神が空亡になっていても世爻についているため目的は成就しやすいとみます.この空亡を「仮の空亡」といい、空亡の傷の癒える「出空」の値り日よりお金の流れがよくなるなどと判断します.
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