五行における相互関連性・関係性を定める法

六親五類について

得卦がその占うテーマの主題にたいするメカニズムです.

占ったテーマに対して出た卦がマトリックスとなります.

このマトリックスの基幹となる本宮卦をホームポジションと考え、これを基準にした位相関係を五行の構図に当てはめます.

東洋思想は世界の構図を見定めるのに、まず人間の住む空間や関係を中心にして世界を見渡す.

この人間社会の最小単位が「家族」です.陰陽交わる男女が関わりあい生産されていく中で社会性が編み出されます.

こうした人間を常に介在させ、関係性をもち世界が成り立つことを五行の関連性から見定めていきます.

五行を素材とした関係性を根本的な家族間の構図と比喩的に見合わせていきながら、家族関係から広げていき、社会、世界とのつながりを見極めていきます.

こうして関係性を宇宙全体の森羅万象に当てはめて、それぞれにあわせた目的に応じて「用神=占う目的物」を定め、力関係と相互の距離間を推し量ります.


断易では占う目的を六親五類を通じて直接用神として定めます.

用神とは占いのマト(目的物)のことです.自分自身との人間関係の上下、相手との心の距離、生じているか、自分がなにかをしなければならない関係にあるのか、相手は自分にとって負担を感じる状態になっているか、はたまたその逆の展開なのか、そのための位相関係をきちんと定め、生じる剋するかにより互いの関係性から森羅万象を分類し世界観を展開しなければなりません.



【全て本宮卦を土台とした地支との関係で六親五類を定める】

❶ 父母
❷ 兄弟
❸ 子孫
❹ 妻財
❺ 官鬼
❻ 世爻
❼ 応爻


❶ 父母
 「本宮卦である本体の五行=我」を生じてくれる関係、育ててくれる、教育してくれる、守ってくれる、覆ってくれるものなどのシンボルとして「父母に属しているもの」と位置づけます.
 自分を飾るものであったり、文化的なもの、形式的な儀式的なもの、体裁にかかわるもの、後援してくれるものなどはすべて父母であるとします.

〔人物〕:父母・祖父母・父母の兄弟友達・先生・社長・年長者・仲人・家主・保証人
〔事象〕:書籍文具・契約書類・通信・証書・写真・着物・乗り物・不動産・資格・デザイン
〔天候〕:雨(天を覆い、万物を滋育する)


❷ 兄弟
 自分と同等であったり同類関係のものです。兄弟友人・ライバル・邪魔するもの・貧乏神・ミス錯覚を起こすもの、妻財を傷つけることから利益を争うものなどを兄弟とします.

〔人物〕:兄弟友人・同僚・ライバル・競争者・債務のある人・邪魔者・怠け者・暴漢・詐欺師
〔事象〕:散財浪費・博打・借金・食欲不振・迷い・阻隔・錯覚
〔天候〕:風・雲


❸ 子孫
 自分が生じる関係のもので、養育するものや災から身を守るもの、性能・効能・趣味・信用安全度・財源などとします.

〔人物〕:子孫・甥姪・弟子・医者・技術者・僧侶・占い師・弁護士・右腕の人物・忠臣
〔事象〕:ペット・盆栽・メガネ・入れ歯・義足・薬・酒の肴・お守り・自然に生きているもの
〔天候〕:日月(曇りなし)


❹ 妻財
 自分が剋せるもの、権利を持っているもの、利潤や財産、使用人などを妻財とします.

〔人物〕:妻、友人の妻妾・兄嫁・雇用人・女性・使用人・下男下女
〔事象〕:金品財宝・機械・世帯道具・お膳や茶碗・食品・食べ物・楽しみ・遊び
〔天候〕:晴れ

❺ 官鬼
 自分を剋し、制御するもののことをいいます.場合によっては傷つけたりするなどとし、束縛・威圧を加える、畏れ敬うべきもの、名誉出世に繋がるものなどとします.

〔人物〕:夫や夫の兄弟や友人・女性の愛人・上司・盗賊・税務署・警察官・政治家・堅気でない人
〔事象〕:病気・怪異驚嘆・神仏・悪霊・悪巧み・戦争・故障・就職先・職業・屍・位牌・武器
〔天候〕:天変地異・天災・竜巻・雷雨・地震・自然災害


❻ 世爻
 自分自身の立場、置かれている状況を知るために用います.
自分自身が、占う目的にあわせて利益につながる働きをするか、害をしているのか、不意の邪魔を受けてしまうのか、策に溺れて失敗するかなど、自分と関係のあるテーマを占う場合に当人の利害得失を判断するのに使います.
 占いを依頼された場合は、その当事者自身を世爻とみます.


❼ 応爻
 第三者であり、他人や世間一般と判断していきます.また、漠然とした状態で相手との関係がきちんと定まっていない場合の相手の心を読む場合や相手との関係を知りたいとき、特に利害関係を争っている場合はその相手とみなします.結婚の占いの場合は、相手の方の実家や家庭事情・家柄などとしていきます.


大成卦であるマトリックス「64」種類の中に、この六親五類が位相されておりそれらの相互作用により現実の現象が展開していくことを見極めて未来を先取りしていきます.

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