同じ地支と同じ五行との間の若干の意味の差異
〔比和〕
比和とは、卦中の爻の十二支の五行と月建あるいは日辰とが同一五行となって扶助し、強くなることを言います.
日辰・月建は卦の中の爻である十二支に働きかけます.
爻が同一の地支であった場合、併臨・併扶しているので特別に「日臨」・「月臨」などと呼ばれます.
しかし卦中の爻どうしがいかに強く勢いがあっても、
卦の中の十二支同士では比和の作用はありません.
〔イ〕月建と同一の十二支が卦の中に存在すると、月に値ると言い非常につよくなり、用神(占う目的になるもの)や忌神(目的を遮るもの)が月に値れば、
その月内に吉凶に関する非常に重大な意味を持つことになります.
〔ロ〕日辰と同一の十二支が卦の中に存在すると、日辰に値ると言って非常に強力となり、休眠している安静爻も目覚め、発動と同様の能力を持ち他爻に作用し生剋の影響を与えます.
(注*)日に値ると単に強くなるのみならず、その日のうちに吉凶の作用を起こしてくるなどの暗示があるとみなしたりします.
〔ハ〕月建・日辰と同一の五行は、「旺相」となり、有利になります.
(ex. 「寅と卯」/「申と酉」/「巳と午」/「亥と子」/「辰・戌・未・丑」
(注**)月に旺じるのも日に旺じるのも、その力量は同等です.
ただし、「月」の場合はその月の節内に限定されるとし、節を越えるとその力は衰えると考えていくのですが、日辰に旺じ強くなっている爻は月を抜けてもその力は弱まらないとします.
【例】(問い)「出世を占う」
午月巳日 雷山小過の不変卦を得る
‥ 戌(父母)
‥ 申(兄弟)
—〔世〕午(官鬼)
— 申(兄弟)
‥ 午(官鬼)
‥〔応〕辰(父母)
出世の用神は官鬼である四爻の「午」になります.
この用神は月建と同一の十二支であり、
かつ日辰と同一五行で併扶となっています.
このような場合を「比和を得て強くなる」といいます.
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