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悩み苦しみを共有することで心の距離が縮まるのです。

「夏の庭」という、小説が原作の舞台を観てきた。

夏休みを迎えた男子中学生3人が、とあるきっかけから「死」について興味を持ち、もうすぐ死にそうだと噂される近所のボロ屋敷に住むおじいさんの観察を始める話だ。

最初は全くの他人だった3人とおじいさんの関係だが、さまざまなきっかけを経て心を許し合う関係になる。その後3人は、おじいさんには太平洋戦争中の従軍経験によって人を殺めたことがあり、その罪の意識から戦後も妻とは生き別れになったことを知る。

その背景を共有することによって、「友達」と呼べるまでに距離が縮まった4人は、ある夜、おじいさんが上げる打ち上げ花火を楽しんだ。おじいさんは戦前、花火職人だったのだ。

しかしそれが、4人で過ごした最後の夜になった。翌日からの部活の合宿から帰ってきた3人は、家の軒先ですでに息絶えたおじいさんを発見する。おじいさんのそばには、4房のブドウが置かれていた。

大変感動的な舞台だった。

いろいろと考えたことはあったが、私の中でやはり印象に残ったのは、この中学生3人とおじいさんが「友達」と言えるまでの関係性を築けたことだ。どれだけ年齢が離れていたとしても、その人の生きてきた背景、悩みや苦しみを共有することによって、心の距離は縮めることができる。

その人の生きてきた背景を知り、関係性を結ぶことによって初めて、その人が特別な人になる。このメッセージは、「星の王子さま」で感じたメッセージと一緒だ。

人々が疎遠になりがちな昨今の社会情勢の中で、こうして人々が関係性をつくり合うストーリーが胸に響いた。

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