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哲学対話に参加してみたのです。

少し大きめの人数での「哲学対話」イベントに参加してきた。

哲学対話とは、いくつかのルールを守りつつ、ある特定のテーマについて小集団でそれぞれの考えを出し合って対話していくものだ。

ここでのルールとは、発言内容を制限する意図のものではなく、1人ひとりの発言しやすい環境づくりを行うために必要なものだ。例えば、「その人が話し終わるまではしっかり耳を傾ける」「人それぞれ、という結論に落ち着かないようにする」「自分の言葉で話す」などだ。

今回は20人くらいが参加したイベントだったので、それを半分に分け、およそ10人程度の小集団の中で哲学対話をした。

最初に、各自が最近疑問に思っていることとか、気になることについて、「問い」の形式で多数書き出していく。それをメンバー内で共有して、今日対話したいテーマについて投票形式で選択して対話を始める、という形だった。

私が最初に出した問いをいくつか挙げると、以下のようなものだ。

「朝〇時に出発すると決めて準備しているのに、必ずその時間よりも後に出発することになってしまうのはなぜ?」
「人間が生きるためのエネルギーの源泉は何なのか?」

他にも2つくらい書いたが、このブログを書いている時点では忘れてしまっているくらい取り留めも無い問いだ。

私は計4個くらいの問いを書いてメンバーの輪の中心に出した。他のメンバーの問いも中心に集まると、問いが多数になる。今回は投票の結果、私の「人間が生きるためのエネルギーの源泉は何なのか?」という問いが選ばれた。多数あった問いの中でもかなり人間の根源的な部分に触れる深い問いで、日常生活の中で問うたら大体イヤな顔をされそうなテーマだ。

しかし、今日は哲学対話なのだから、こういう問いも正当化されるのが少し嬉しい気分だった。

実際に話してみて、メンバーからの意見やコメント、やり取りを聞く中で、いろいろな気づきがあっておもしろかった。というのも、この問いは私にとっては最も喫緊の課題であり、これをうまく自分の中で納得性のある説明をしなければ、前に進めないような気がしていたからだ。

先の問いに関係する、私の印象に残ったいくつかのコメントを再編集して紹介すると、例えば以下のようなものがあった。

・エネルギーの源泉としては内発的動機と外発的動機の両方があり得る。内発的動機として本当に自分の興味関心からやりたいことを追求している研究者タイプもいるかもしれないが、多くの場合は外発的動機として、恵まれない幼少期や青年期を過ごす中で抱えていた鬱屈や、現実社会と自分の理想とする社会とのギャップを埋めようとする力が動機になるのではないか。もし今そういうエネルギーが湧かないのだとしたら、恵まれて生きてきた人間なのかもしれない。
・「学ぶこと」「新しい世界を知ること」がエネルギーの源泉になってきた瞬間があるとして、学べば学ぶほど自分の知っている世界が拡大するとともに、自分の知らない世界との接触面積が増えることによって知らないことも同時にどんどん増えていきどこまでいっても終わらない感覚は、いわゆる「バーンアウト」している感じなのではないか。

そう言われて、その対話中にはなかなか脳内がまとまらなかったが、一定期間が経ってから改めて考えて少し整理された感がある。

前者について、確かに私はかなり恵まれて生きてきた方だと思う。両親は小言くらいは言ってくるが決して過保護や過干渉になることはなかったし、金銭的にも特に生活に不自由することなく生きてこれた。学校の勉強や部活などで大きな壁にぶつかったような経験も少ないし、大体どのようなコミュニティであっても周りの人たちから比較的信頼を集めやすい人間だった。鬱屈のようなものを抱えている度合いは少ない方の人間である気がしている。

後者について、バーンアウトしているような感覚になっているのは、「タスク完了型」の仕事の仕方をしているからかもしれない。「何かを(明確に)達成すること」を楽しみや喜びにして生きていて、何かに取り組んでいることそのものが幸せなのだ、という感覚で物事を捉えられてない気がする。何をしているときが自分にとって幸せなのか、と考えると、今やっている仕事とはまた全然違うところに自分にとっての幸福が見出されるような気がして、ますます今の仕事に対して疑問符が付いてくるようにも感じた。

自分にとっての喫緊の課題に関する問いをテーマに採用してもらったことも相まって、今回の哲学対話はかなり自分ごととして捉えて考える時間を楽しむことができた。

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ともやの思考整理日記
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