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優しさのバトンリレーと想いの結実 - チェリまほ最終話感想 -

*以下は最終話ネタバレを含みますので、ご注意ください。

皆さん、チェリまほ最終回は見られましたか?僕はもう4回も見てしまいました。24日深夜の放送から2日たった今でも余韻に浸っています。前の記事で、



思いのたけや気持ちの変化を記載したのですが、最終回視聴後も案の定気持ちがこみあげてしまい、新たに記事を書いてしまいました。この記事ではチェリまほ最終回で感激したこと3点+αを中心に感想を書きたいと思います。

1.優しさのバトンリレーが作る全員の見せ場

最終回には主要登場人物全員の見せ場があり、最終回まで見ていた視聴者には感慨深いものがありました。

通常、主要人物全員に見せ場を作ったりすると、詰込み感が透けてみえ作品のバランスが崩れてしまうことがありますが、チェリまほは違いました。あくまでも安達を中心としたストーリーを軸に、登場人物全員の個性や性格を活かした出番を持たせ、30分作品の高い密度を保ったまま、フィナーレまで段階的に盛り上がっていきます。僕はそこに作り手さんの作品への愛情を感じとりました。

最終話のストーリー自体を端折ると、黒沢との別れの決断にしたことに落ち込む安達が同僚や友達に背中をおされて、もう一度黒沢と向き合うことを決意し、その後元々デート予定の場所だったアントンビルの屋上に向かい、居合わせた黒沢と再度恋人の関係に戻り、魔法の能力を喪失するも恋愛を楽しむ30歳として歩んでいくハッピーエンドな内容です。

最終話冒頭で気を落とす安達に対して、藤崎さんは気づいてそっと励まします。他方で、柘植も六角→湊→柘植と伝え聞いた情報から安達のもとを訪れ励まします。まるで優しさ・思いやりのバトンをつなぐリレーを見ているようで、胸が熱くなりました。そのバトンの最終走者は安達であり、1話冒頭にあった自転車で全力疾走し、過去の安達を追い抜かす(超える)というシーンに繋がる演出もジーンときました。周囲から優しい思いをもらって、全力疾走してたんだね安達。

そのリレーでは、安達が利他的な周囲に勝手に助けられているという構図ではなく、あくまでも安達が元々周囲にプラスの刺激を与えていて、結果として背中を押してもらっていることも秀逸です。視聴中自然と涙がこぼれていました。

2.藤崎さんのファインプレー

最終話の藤崎さんの素敵な人格やファインプレーは触れざるを得ません。

人格面では、安達と黒沢の思いや関係を知りながら、それをそっと見守る優しい人です。会社生活のストレスのはけ口に社内ゴシップとしてに言いふらすようなことはせず、あくまでも2人をとてもニュートラルに見ていて、必要なときにそっと手を差し伸べます。他人の少し特徴づいたことを知っていても、何も変わらない藤崎さん。こんな人が会社にいたらなんと素晴らしいんでしょうか。

最終話で藤崎さんは、黒澤との関係を解消することを自ら決断するも落ち込む安達に対して、安達の頑張りに刺激を受けて社労士の勉強を始めたことを伝えます。実際に行動を起こしているところに安達の影響への説得力がありますし、元気じゃない人に単に元気だせと言わないところが素敵です。そしてその後、そっと言います。

「誰といるとかいないとか、恋愛するとかしないとか、全部その人の自由だけど、何を選ぶにせよ、自分がその自分を好きでいなきゃ。そうじゃないと、どんな答えをだしても相手が納得できないんじゃないかな」

名言ですね。恐らく藤崎さん自身もアセクシャルの自分に悩んだ時期があったのだろうと思うと、とても心に響きました。ここではふと自分のセクシャリティについて悩んだ若い頃を思い出し、涙ぐんでしまいました。

また藤崎さんはその後黒沢から以前相談を受けていた2人の初デートであるクリスマスの花火大会が中止になることを知ります。そして安達が黒沢に会いにいくことを察知して、六角とともに2人のために花火を打ち上げて、最高の夜の演出を人知れず行います。最高に温かい演出と立ち回りに藤崎さんを大好きになったのは私だけではないはずです。


3.安達と黒沢@アントンビル

個人的に一番グッときたのは黒沢と安達がアントンビルの屋上で、お互いの想いを再確認し恋人に戻り、はては1歩進むシーンです。

ビルの屋上で安達は黒澤に、「魔法がなくなっても、間違えることがあっても、一緒にいたい」と想い伝えます。

伝えている最中に黒沢は安達にハグをし、心の声を読ませて「好きだよ」と気持ちを伝えます。魔法を使われているのが嫌だろうと安達が思いこんでいることを逆手に取った、優しい黒沢なりの伝え方です。

そして、黒沢は「安達が心を読んでくれたから付き合うことができて、魔法に感謝している」と言葉にして告げます。これは7話で安達と黒澤が恋人関係になった時に安達が発した「俺はこいつの心に触れるために、魔法使いになったのかもしれない」という言葉に呼応するかのようです。この演出に僕は目頭が熱くなり始めます。

そのうえで、黒沢は「魔法は関係なく安達は安達だ。安達じゃなきゃ嫌だ。」と伝え、用意していたプレゼントの万年筆を捧げて、「俺とずっと一緒にいてください」とプロポーズに近いことを伝えます。黒沢の包み込むような言い方と目線に、7年間に渡る安達への想いを確かに感じ取り、また安達ファーストに想い続けた結果が報われることを思うと、本ドラマ中で一番涙が止まりませんでした。

プロポーズへの安達の答えはもちろんイエス。間髪いれず、それを祝福するかのように藤崎さんと六角が用意した花火が打ち上がります。二人だけの特別なクリスマスになったのは言うまでもありません。人のために何かを想い、行動に移すっていつの時代も美しく、人の心を打ちますね。


4.その他少し感じたことと結び

・OPソングで安達の絵が完成してました。よく見ると、絵はよく見ると青くて寒色で、OPソングの黒沢カラー。黒沢をモチーフした絵?

・「メリークリスマス」という柘植に対して、安達が「柘植・・」という返答が妙にリアル

・エレベーターキスの際の安達の表情の成長っぷり、、

前の記事でも書きましたが、僕はこのドラマを見て気持ちに明確な変化がありました。周りにあるぬくもりにも気づきましたし、ぬくもりを感じる行動に触れた時、その人はどういう気持ちでそうしてくれたのか前よりも想像するようになりました。

セクシャリティなんてものもあまり意識もしなくて良いのかなと感じたこともありました。どういう自分であっても、自分自身のことがさらに好きになりました。昔の僕だったらきっとゲイの部分は隠しながら感想を書いたと思います。僕だからこそ感じ取れること、楽しめること、巡り会えた人がいるんだなと、この記事を書き終えながら思いふけています。

優しさのバトンは現実世界にも届いてます。それはきっと僕だけじゃないはずですよね。本ドラマに出会えたこと、制作に関わられた皆様に本当に感謝しています。

少しでも何かお礼をしたいと思ってブルーレイプレーヤーを持ってないのに、チェリまほブルーレイBOXを予約してしまいました(笑)。手元に届く3月まで時間があるので、TSUTAYAプレミアムでも加入しようかなぁ。いずれにしてもブルーレイが届いたらニマニマしなから再度満喫したいと思います。では。

皆様からのスキがもらえるととても嬉しいです。