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原子力発電の未来を考える

2023年、原子力行政のパブリックコメントが募集された。
「今後、どうしたらよいか」との国の問いかけに対し、投稿してみた。
締め切りまで時間が足らず、具体的なデータを提示できていないのが残念。
だが、考え方だけでも伝わればと思った。

以下投稿文。

【意見1】
3.6. 廃止措置及び放射性廃棄物の対応を着実に進める
(3)現世代の責任による放射性廃棄物の処理・処分の着実な実施

[要望]
1.推進だけでなく脱原発も含めた前提を希望。
2.その期限を数値化を希望。目標=数値化では?

推進するのならオンカロの設置期限。
脱原発なら運転猶予期限。
  ※オンカロ;高レベル放射性廃棄物の埋設最終処分場

原発行政で最も拙いのは期限を切らない事だと思います。 商用運転開始から57年、オンカロはいまだに候補地さえ決定出来ず、発電所内の 保管プールの75%が使用済み核燃料で埋まる今、なぜ「気をつけて運転すればいい」という話になるのでしょうか。

始めた頃は「100%準国産エネルギー可能かも」と夢見ました。
しかし、もんじゅは廃炉となり燃料増殖は出来ず、MOX燃料は国内製造できず、国内コントロール出来ない技術事情での福島のシビアアクシデント。廃棄物は地上の 低線量物質でも行き場が困っているのに、高線量物質は埋設候補地も決まらず、決まっても10万年保管とは。
とても責任をもって管理できる年数ではありません。
これに未来を感じろと言うのが無理な相談です。

現実として、代替エネルギーの開発と脱原発を同時に進めるべきと思います。その場合、廃棄物の問題も含めた保守と運転の技術は守らなければなりませんから、最新の炉を一つだけ残して、古いものから徐々に廃炉にしてはどうですか。

EUタクソノミーを持続可能の指標とされている様ですから、2050年に脱炭素を実現する事、燃料プールの満了期限を考えると、廃炉まで10数年しか猶予が無い様に感じますが、如何ですか。
ぜひ、具体的な試算をして文章に数値目標を盛り込 んで欲しいと願います。代替エネルギー案については、次項3.2に対する意見に書きます。


【意見2】
3.2. エネルギー安定供給やカーボンニュートラルに資する
   安全な原子力エネルギー利用を目指す
 (4)革新炉開発・利用に向けた取組

脱原発も含めた両論併記を願います。

革新軽水炉もSMRも、放射性廃棄物を生み続ける点では現状の軽水炉と本質的に同じです。
EUタクソノミーを引き合いに持続可能性を語るのであれば、廃棄物の問題解決(オンカロの運用開始)に期限を付けるべきです。
※廃棄物の問題については、別途3.6について意見を書きました。

エネルギー調達全体について、方針の追記を望みます。
必要量について
電力需要が現状維持か右肩上がりの前提になっていますが、本当にそうでしょう か。需給バランスの為に、ピーク消費時に合わせた発電・送電システムが構築されていますよね。しかしピーク消費がカット出来たらどうでしょう。発電量そのものを減らせるのでは無いでしょうか。

ピークカットについて
再生可能エネルギーなど不安定な余剰電力を蓄電でき、必要時に即時放電できたら。ナトリウム系の環境負荷の少ない電池を太陽光パネルの下に設置し、スマートグ リッド連携できたら、地上の揚水発電所になるかもしれません。
そのような大容量で 高速な電池の開発も進んでいるようです。
地産地消のエネルギー
傾斜地が多く、水量が多い我が国は小型水力発電所も有効と思います。
太陽光、風 力、潮力など消費地に近いところに多くの小さな発電所を置くのが良いでしょう。従来型の大規模発電なら、これまでの設備を生かし火力発電を脱炭素化するのが一 番早いでしょう。
現時点でも世界最高の熱効率を誇り、脱炭素燃料の混焼も始まっ ている我が国は世界最先端であると思います。ぜひ行政からの応援もお願いしたいです。

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