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ディケンズ『荒涼館』を読む。その4

ついに最終巻。読み終わりたくない……。さすがに登場人物の名前を覚えたので、メモはほどほどに、駆け抜けるように読みました。(『荒涼館 (四)』ディケンズ作 佐々木徹訳 (株)岩波書店)

キャディーが病気になり、エスターが看病に通う。9週間て長い。エイダが何か悩んでると思って、一緒にリチャードの住んでるとこに行く。もう荒涼館には帰らないと言うエイダ。内緒で結婚しちゃってた。寂しくなる荒涼館。泣くエスター。

デッドロックの屋敷に、スモールウィード爺やエスターの育て親の元メイドが来て、デッドロック夫人の過去や、エスターの過去の情報を買えと言ってくる。タルキングホーンという押さえが無くなって、夫人の秘密が野放し状態。

そんなこんなで夫人は何も持たずに屋敷を出る。って大丈夫?変な気を起こさないでよ?

バケット刑事(警部だった)が名推理って言うか、犯人が証拠残しすぎだったのと奥さんのお陰で無事に犯人を逮捕。

デッドロック准男爵、庭で倒れてすっかりヨボヨボに。追い討ちで夫人の置き手紙を見る。バケット警部に捜索を依頼。バケット警部テキパキしてて、こういうキャラクター今までいなかったから新鮮。

警部、エスターと共に夫人を追う。自殺の可能性があるから、止める役として連れて行くらしい。途中でウッドコート医師も同行。ウッドコートさんがあらわれた後のくだり、少女漫画か!ってなったけど、違う違う、少女漫画がこういうぐっとくるシーンを真似してるの。映画もないんだからね、この頃。

あっさり終わり(あっさり過ぎん?)物語は終焉に入る。

ドッキリで素直にびっくりした!ネタバレ知らないでよかった!!

ついにジャーンダイス裁判終わったけど、えええーーーそんなのってありーーー!?色んな名前がつけられた、フライトおばあさんの鳥は解放された。そんな話もあったなあ……

ガッピー、最後まで笑わせてくれてありがとう(笑)

荒涼え

感想

読み終わってしまった…………すんごく面白かった…………読んで良かった………エスターいい子で嬉しかったけど、いい子過ぎな人って、実は自己肯定感が低いのかなって思いました。でもエスターはいい人に囲まれてるから、これからは大丈夫だよね。あまりにもあっさりな所や、刑事ものもまあ、初期だからねえーという所もあるけど、荒涼とした社会の諸問題を色々盛り込み、話のうまさ、映像的カメラワーク、これでもかのナイス比喩表現、観察眼、ユーモアとペーソス、笑いあり、涙あり、愛あり、当時の流行あり、まさに、傑作と呼べる小説。読んで損はありません。全部知ってから読み返すのがまた楽しいです。

訳者の解説も、当時の事がよくわかってよかったし、エスターの語りの癖とか、なるほどなーと思いました。最後の、この訳業を岩波文庫が大好きな母に捧げる、のとこもよかったです。

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