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パトゥムタニ日記 vol.23〜気候変動か社会変化か。タイ人が傘を持つようになった〜

6月末。日本は記録的な暑さ。
40℃を超えたところもあったそうですね。
日本の実家付近も38℃まで上がったそうで
一人暮らしの母を案じて、娘達からLINEの連投。
クーラー使え、水を飲め。
既読がつかないと何かあったかと本当に心配でした。

私が子供の頃は「日本は四季があって、一年中気候が比較的穏やか」と
習いましたが、関東地方でも年間で37〜8℃から氷点下までの
温度差となると、温暖で穏やかとは言えない。
加えてゲリラ豪雨。深刻な気候変動の影響と言えますね。

タイに住んでいて気候が変わったなと思うのは雨の降り方です。
昔は“スコール”という言葉にふさわしく
カンカン照りが一転俄かにかき曇り。。。まさに天地がひっくり返るような雨。
それがさっとあがって、また真っ青な空。
そんな感じでしたが、今はまるで日本の梅雨のよう。
曇り空がじめっと広がって一日中鬱陶しい。
ちょっと降っては止み、またしとしと降り出す繰り返しです。

冗談のような話ですが、昔は傘なんてデパートくらいでしか売っていない
高級品でした。
これだけ雨の多い国なのに、誰も傘を持っていなかった。
2〜30分も待てば止むのだから、雨が降ったらのんびり雨宿り。
どうせ滝のような雨で傘は役立たない。
何で傘が必要なの??

そんなタイ人達が傘を持ち始めたのが
10年ほど前のタイ大洪水の年だったと思います。
あの年は、本当に雨が多くて、しとしと降り続ける雨で、
遂に、市場に中国製の傘が並びました。
今ではコンビニでも、ペラペラのビニール製ですが
簡易レインコートを売っています。


そして、変わったのは雨の降り方だけではないのかも。

「雨宿りしてます。止んだら急いで行きますから〜」
1時間後、のーんびりオフィスに入って来るスタッフ達。
苛々しているのは日本人の駐在員だけ。隣でこっそり歌っていた私。
♪風が吹いたら遅刻して、雨が降ったらお休みで♪ 😅
そんな南国タイの職場は昔の話。
日本のように、とまではいかないものの
タイムレコーダーでそれなりに管理されて
今ではなかなか大変なようです。


街中を走り回るフードデリバリーのドライバー達も
のんびり雨宿りしているわけにはいきません。
すぐに水浸しになる道を水飛沫を上げて走っていきます。

市場のおばちゃん達。
よくコンビニのレジ袋をかぶって歩いていましたが
そんな姿も見なくなった。
格好悪いと思ったのか、レジ袋が廃止になったって
被るものがなくなったのか。

世界中の本社、支店とインターネットでつながってメールは24時間来るし、
夕方4時半からミーティングなんて日本人はクレイジーだ。
先日偶然会った、以前の職場のタイ人マネージャーが嘆いておりました。
ただ、そう言いながらどこか誇らしげな彼。
聞かなかったけれど、彼の鞄の中には折り畳みの傘が入っていたような気がします。



そう遠くない未来、雨が降ったらさっと傘を広げて歩くのが
タイでもフツーになるのかしら。
それはちょっと寂しいけれど。。。

本日もお読みいただきまして、ありがとうございました。



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