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EUREKA 見た後にPlayForward

最寄りの映画館が初週で朝昼晩の3回上映だったので、まぁそんなもんだよねーと思ってたら2週目で朝イチと日付またぎレイトの2回のみになってたので、犬に追い回されてるレントンくらい焦って見に行ってきました。予約の時点で☆数見えて「あぁ…うん…」と覚悟を決めてから見ましたが、少なくとも☆数の理由は分かりました。
見に行くにあたって過去作を振り返り、頭が爆発したので一旦整理しようと前の記事を書いたのですが、結構勘違いや情報収集の不足で誤りがありました。追記して修正の形で直したりするかも知れません。
この記事については感想文です。一部どうしても考察っぽくなってる箇所もあります。ハイエボ1、ANEMONEの話も見境なく飛び交います。もちろんEUREKAネタバレは全開です。あと、相当ネガネガしてます。前半は。前半は。

もしまだEUREKAを見ていないなら

可及的速やかに見に行かないと上映終わりそうですが、EUREKA見る前に最低でも「ANEMONE/ハイエボリューション2」だけは見なおしておいた方がよいです。完全に地続きです。1は最悪忘れててもギリ大丈夫ですが、できればテレビアニメ本編との差異は思い出しておいた方がよいです。「ポケットが虹でいっぱい」についてもキー要素として入ってくるので、ANEMONEに近い優先度になります。アニメ本編は見だすと結局見ちゃうので、時間のある人だけでいいと思います(かなり見ちゃった)

~この先はネタバレ感想文です~

気に入らなかった部分の話

見出しが最低ですが、毒は先に吐くだけ吐いておこうと思います。好物は最後に食べるタイプなので。

マンガ&ゲーム組のゲスト参戦、サムナとルリ

今では入手困難であろう、PS2ゲーム版の主人公の2人です。マンガもあり、そっちはゲームの前日譚です。そしてゲーム自体がアニメ本編の前日譚で、KLFがリフを採用する過渡期に、ボーイミーツガールする話だそうです(ゲーム未プレイ)ゲッコーステイトの結成や、ホランドの乗り換え機TB-303(銀色の負荷がやばいアレ)の開発前夜といった感じのようです。地味にムーンドギーが本編より活躍するそうで…。いずれもEUREKAではデューイの手勢として反乱に加担していましたが、特に説明やコレと言った活躍もなくフェードアウトしたので「これはファンサですらないのでは…?」と首をかしげました。

エウレカに呪われた男、エンドウ

全然「誰だっけ」が思い出せず、死の間際になってようやく理解して声が出そうになったのがこの人。AOでエウレカに息子アオを守るよう言われ、本当に命がけで戦って死んだ男です。こちらもやっぱりデューイの手勢でしたが、特に説明やコレと言った活躍もなくフェードアウトしたので「これはファンサですらないのでは…?」と首をかしげました。

説明的なセリフ群

今更それ言うの?というレベルですが、本当に冒頭から状況説明の類をひとつひとつキャラに、それもわざとらしく喋らせるのやめてくれってなりました。EUREKAに限らずずっとそうなんですが、意図的にやってたのかしら…。

大いなる勘違い、宇宙ではなく仮想現実

これはどっちかっていうと私の解釈間違い、もとい情報遮断した弊害で、EUREKAの公式HPにも普通に書いてあります。ANEMONEで魔女化したエウレカが作っては破棄してた世界、あれはどこかの宇宙と連動してたりはせず、シルバーボックスで生み出してた仮想現実だったんですね。捨てられた無数のNPCが意思と思考を持って受肉したと理解しておくのが早そうです。多元宇宙の世界観に仮想世界と現実世界の入れ子までぶっこみ、NPC達が複製であるが故に元の宇宙での性質を大小ズラしながら反映されてるので、さすがに頭がトラパー爆発です。

ドミニクとガリバーの行方

え、ANEMONEで何か意味ありげに受肉してなかった?気のせい?どっかに石井ドミニク中佐とかいた?マスコットキャラに酷似したUMAが秩父山中に出現!とかやってた?
※この記事を書いてる最中に気が狂ってしまって2回目見に行ったんですが、見つけました。1番↓の方に書いておきます。

空気ラグナ

冒頭の黒ウルスラグナはともかく、後から出てきた白ウルスラグナ、存在感薄すぎない?もはやただのタクシーでは。そりゃあニルヴァーシュに乗らなきゃ始まらない、終われないとは言え、ちょっと秒殺過ぎた気が…。

サブカルチャー要素の消滅

設定上濃いトラパーが無いし、あったら有害過ぎてダメなのである程度仕方ない…仕方ないんですが、とにかくリフの影がない。機体も何か知らんが飛べる板に乗ってる。または空戦特化機。アニメ本編は音楽面でもかなり特徴あったはずですが、それも鳴りを潜めて…というかデモ行進で申し訳程度に何か鳴ってるという印象でした。私のリソース不足で音にまで意識が向けられてないというのも大いにあるんですけどね…。特段サブカルチャー部分にこだわりがあったわけではないですが、なんで捨てたのかなぁという思いが強いです。もっとも、EUREKAのお話や作画からして敢えてそうしたのかしらと思わんではないんですが。

ホランド、そしてゲッコーステイトの扱い

ハイエボ1の頃は兄貴に対抗心むき出しだったホランドが、年月を経て落ち着き兄貴を尊敬している…うん、それはいい。そういうのもありだと思うんです。アニメ本編でも対立はしても救おうとしてたくらいだし。ここについては素直に森川さんマジですげぇなってなりました。ただ、サブカル消滅に伴いリフも無く、自費出版Ray-outも無く、そもそもハイエボ1の時点でゲッコーステイト自体が終始軍属なのもあり…良くも悪くも大人。かと思ったら新月光号がお出しされ、アニメ本編みたいなノリで出撃!………で、その結果がアレなの?迷わず特攻するのが?それを許すのが?KLFに乗るのも冒頭の噛ませ犬としてだけ?多分一番ガックリ来たのがココらへんです。ポケ虹の方とリンクさせてる部分結構あったように思うので、次世代に繋ぐ役回りとしての退場だったのかも知れません。あるいは追悼か。尺の問題もありそうな気はします。

スーパーシックス

何かとオマージュの多い作品ではありますが、ここに関しては「え、結局なんだったの…」以外の感想がなかったです。

逆シャアかよ

何かとオマージュの多い作品ではありますが、あれに関しては「逆シャアかよ」以外の感想がなかったです。おまけに、何かとりあえずみんな命を捨てる。バンバン捨てる。ホランドが熱く燃え尽きたせいもあり、モブが「やってみる価値はありますぜ」その一言の重みがないまま消えていくのは、本当に形だけという感じで私は無理でした。きっと爆炎に消えた無数のKLF乗りたちもそれぞれに想いはあったのでしょうが、一言が、一言が欲しかった。

~以上、感情の整理でした~

エウレカたちの話

本題です。まとめてしまうと「お前の見たいエウレカセブンだったか?」の問いには「いや全然、100%ノー」と答えるしかないんです。雑に言ってしまえば、ロボものボーイミーツガールの完結編が見たかったのであって、ロードムービーが見たかったわけではないので。ほぼ完全にボーイの方が不在ですしね。でも「見てみたいエウレカだったか?」の問いには「割と見てみたかった感じのエウレカだった」ではあります。今の心情的には、目的を達成した満足感と、ちょっとした虚脱感みたいなものが同居してる感じですね。

酒と筋トレ。あの美少女の今―――

いやもう「やりやがったなwwwww」ってなりました。部屋開けて一発目に見えたのがイェーガーマイスター(薬草酒)は腹筋に悪すぎる。レントンが50話かけて惚れ続けた、あの美少女がですよ。「あなたはどれくらい好き?」って言われてノート2ページぶち抜きでハート書いてたような美少女がですよ。アニメ本編とは著しく異なる歴史を歩んでいたとしてもですよ。酒とwww筋トレwww

とまぁ劇場で声出して笑いかけたんですが、その後アネモネがジト目であれこれ喋ってる内に、ちょっと冷静になってきてゲッソリしたんですよね。最後の方で「エウレカが一体どれほどループしたのか」その下限の回数も判明しますが、そこからアネモネに引っ張り出されてさらに10年、その生活を少しでも想像すると悲惨過ぎて。人間としての感性はもうばっちり獲得してますし、その状態で「あの日誰かが自分を呼んでいた」という蜘蛛の糸よりなお細い希望を胸に、自分が振り撒いてしまった不幸の後処理をずーーーーーーっと続けてきたわけですよね。もちろんそこにはアネモネもいたでしょうが、そもそもアネモネ自体がエウレカの直接的な被害者であって、アネモネ側がどれだけ心を寄せても、寄りきれない部分はきっとあったろうと思うのです。メールも作戦書もロクに読まずアネモネにおんぶにだっこされるのが、精一杯の甘えだったのでしょう(実は割とめんどくさがりなのがエウレカの素だったり…?)
で、後は酒を飲んで紛らわすか、筋トレして紛らわすか、ブラック労働に精を出して紛らわすか。ブラック労働にしたって、常に針の筵で敵意を四方八方から向けられていたに違いない。アネモネがさらっと口走っていましたが、必要とあらば「人型コーラリアンの研究」にも協力していたんじゃないでしょうか。

そうして魔女だった責任として、最大限自分を粗末に扱ってきた結果が、メシマズ化であり全身の傷なわけです。メシマズ化については諸説あるかも知れませんが。「この流れで風呂場シーンいるか…?」って思いつつ見てたんですが、全然いりました。マジで「あの美少女の今」ですよ。どうせなら女性らしさのまったくない、ギリッギリに引き絞った弦のように筋張った身体に描いてくれてもよかったかなと思いますが、それはともかく(相当筋肉質ではありましたしね…)「あぁ、本当に戦う他に何もない生活をしてきたんだなぁ」と。アドロックに見せたらその場で泣き崩れること間違いなしの強烈なシーンです。そういう生活をさせないためにこそホランドに託して逝ったはずだったのですが、現実はご覧の有様だよ、という。書いててまた辛くなってきました。

“クソガキになれた”エウレカ

エウレカと書きましたが、アイリスの方の話です。多分このクソガキ好感度低くなるんだろうなぁと思いながら見てました。スカブ・コーラルさん、もしかしてレントンのフィードバックを元にこの(多分)8代目作りました?あのばっちい泣き顔は、アニメ本編でもクソガキの代名詞としてウザさを振りまいていたレントンのそれでした。
でもアイリスは親の教育が良いので、ちゃんと目上の人には敬称もつけられましたね。「おばさま」って。ベタなネタではありましが、アネモネはもちろん、エウレカもちょっと気にしてたのは腹筋にききました。気にしてくれてよかったです、そういう感性が残っていて。多分このエウレカも「お化粧」はしてるはずなので…。

アドロックが消滅していなかったら。愛してくれる両親がいたら。そんな”if”のエウレカ。エウレカがなり得なかった、ただの子供。それがアイリスです。アドロックと出会った時点で外見上は14歳かそこらでしたが、とにかくエウレカは両親がいたことがない。子供として愛情を受けて育ったことが、それを理解できていなかったアドロック消滅までのわずかな期間しかない。その後はストレートに愛情を向けてくれるのはレントンただ1人でしたし、だからこそ魔女化するレベルで欲したんでしょう。
肝心のアイリスの両親がほとんど出番無いのでそういった面は察するしかありません。というか名前覚えてません。でも、アイリスの生成するスカブが基本的に優しく人類に対して毒性が無いのは、別にスカブ・コーラルが気を利かせたとか、そういうことではないはずです。スカブを生成する力を恐れるアイリスを、両親も、そして悲惨な経験をしてきた先輩であるエウレカも、よくない、抑えようという方向には進めませんでした。むしろ肯定してきたからこそ、最終的にアイリスもエウレカとしての宿命を前向きに受け入れることができたのでしょう。

EUREKAの話の中心は、対象的な人型コーラリアン2人の、親子のような姉妹のような、ロードムービー調でした。フレンチトーストも少しだけマシなのが作れるようになりました。ちょいちょい白髪のおっさんが乱入してくる逃亡劇は穏やかなものではありません。それでも傷だらけのエウレカが同族の希望と笑い合い、その希望アイリスが人型コーラリアンの「次世代」として地固めをする、それぞれに大切な時間でした。まぁ要するに、なんやかんやほっこりしました。今回1番好きなシーンは「うるさいわね」「うるさいわね」です。

最も恐れたもの

白髪のおっさん、もといデューイも相当な脅威ではありましたが、エウレカが最も恐れていたのは彼ではきっとありません。「たった1人で生み出され、唯一の心の拠り所を自分で殺してしまった」という、それなり以上に過酷な運命を辿ってきたハイエボのエウレカですが、それでも悲劇のヒロインであることを絶対に許さない人物。ビームス夫妻です。

私はてっきりハイエボ1~レントン喪失までの間に夫妻共に死亡しているのだと思っていましたが、実際はレントンの死が耳に入り、しかも「どうやらエウレカが原因であるらしい」ということまで伝わっていたようです。他のNPCの皆さんとは、根本的に怒りの質が異なるんですよね。
酒と筋トレとブラック労働による徹底した自罰で誤魔化してきた恐怖の1つは「レントンの両親に顔向けできない」という意識じゃないかと思います。それともう1つ「レントンを殺してしまった。そしてその蘇生に失敗した」という事実もです。まぁ蘇生に関してはアネモネがやめさせた側面もありますが、元より限界が来ていた話なので、結局エウレカにとっては失敗でしかないでしょう。レントンという名前を発すること自体を避けていた節があります。
この恐怖から目を背け気持ちに蓋をして10年、アイリスとの逃避行の中で少しだけ自分を肯定できそうと気が緩んでいたところに………両方の恐怖を拳と共に叩きつけられ、アイリスまで奪われたシーンでの、子供のような大・号・泣です。10年ぶりの完全挫折、そりゃあベコベコに凹みますよね。私は正直「やっと泣けたじゃねえか」ってFF15ラストみたいな気持ちになってました。でも、その後に秒でアネモネに「しっかりしなさい」されて、それはそれで吹き出しそうになりましたよ。本当に、本当にいい友人ができたものです。思えば、叱ってくれる人だって誰もいなかったんですよね、エウレカ。

~ここから先は2回目見た後に書いてます~

シルバーボックスと依代、コーラリアンの力

ANEMONEの時に、スカブから離脱したエウレカの代わりの依代としてニルヴァーシュが生まれたようなことをデューイが口走りますが、この「シルバーボックスの依代」となった機体には「前例がある」と思っています。ハイエボ1でのデューイの乗機、銀のTB-303です。赤いウネウネに取り込まれて命を落とした、と思ったら機体ごと再生され傷も治っているシーン。ニルヴァーシュと同じくタマゴのようなものに包まれていたことも含めると、TB-303がシルバーボックスの力の依代となっていたとしか思えないんですよ。レントンが消滅したのは、エウレカたちとデューイの、直接対決の末のシルバーボックス接触だったのかな、と(これはもう想像でしかないんですが)

ドミニクとガリバー・ジエンドもアネモネの呼びかけに応じて出現してましたが、あれも「夢を現実にする」シルバーボックスの力によるもの以外に答えが見つかりません。本来その力を行使できるのはエウレカだけでは?とも思えますが、ドミニク召喚の前にデューイは完全に受肉してましたし、エウレカが諸々を放棄した影響で超常の力も行使していました。アネモネのスマホが夢と現実を繋ぐ機能を果たしていたのは間違いなさそうですが、さすがにスマホが「依代」になっていたというのは無理があるな…と思っています。「力は公平に分配されなければならない」みたいな話もあったし、エウレカに集約されていた力が手放されたことで、無作為に願いを叶える特異点のような状態になっていたのかも知れません。まぁあの辺は特に説明らしい説明もないので「石井賢はすごかったのだなぁ」くらいで流そうと思います。

さて、EUREKAでの依代はニルヴァーシュです。デューイはキビシスでシルバーボックス化したニルヴァーシュに、コーラリアンとして覚醒したアイリスを接触させ、自死を以ってNPCである自分たちの尊厳を取り戻すというようなことを画策していたわけですが、アイリスが狙われたのもエウレカ自身はコーラリアンとしての力を失っていたからです。それでも依代化したニルヴァーシュに乗り込み、アイリスと同じで優しく、レントンに「きれいだ」と言わしめたスカブを生成して見せたということは、エウレカはついに「本物のコーラリアンの力を勝ち取った」わけですね。彼女も「サーストン」ですから。
そう、サーストンなんですよ。EUREKAでさも当然であるかのように「エウレカ・サーストン」と名乗っていたのは衝撃でした。エウレカにとってそれは父の名であり、彼の名であったわけですから、それ以外あり得ない名前ではあります。でも、魔女化してメンタルボロボロで大罪人として生きるにあたって、自分を置いていなくなった男共の名前を背負うのは相当重くない?覚悟完了し過ぎじゃない?冒頭で「エウレカ・サーストン少佐」って自己紹介した時にはそんな気持ちで「つ、つよすぎる…」なんて思ってました。

帰ってきたウルトラマンレントン

そう、レントンですよ、レントン。お前ずっとどこにいたんだよ。

どういうわけかシルバーボックスの赤いウネウネと合体して自由に操れるようになっていた最終形態ニルヴァーシュですが、デザインが過去シリーズから考えても随分変わって、いっそウルトラマンの類でしたよね。かなり「えぇー………」ってなりましたし、さらに機体にポケ虹の「もきゅー」の方のニルヴァーシュの顔が描いてあって「ぐぇー………」ってなりました(見直さずに行ったので…)

ニルヴァーシュの最終形態が装甲を排除した(というか剥がれた)生物的なデザインなのは、そもそもが生物であって機械ではないので毎度のことです。にしても妙なデザインだなとしばらく首をかしげてたんですが、あれレントン自身をベースにしたデザインなんでしょうね。いつものパーカー姿です。もうこの時点で「あれ?もしかして…」ですよ。
実は初回見た時は大事なサインを見落としてて2回目で「あ」ってなったんですが、考えるまでもなくニルヴァーシュがレントンなんですよね。だってキビシスから出てきたニルヴァーシュの最終形態、これでもかってくらいデコが赤色に光ってるんですもん。それアニメ本編の最終回で、司令クラスタ化して青いサインを発するエウレカを取り戻しに殴り込みかける時の、レントンのサインなんですよ。度々エヴァみたいな咆哮をニルヴァーシュが発しますが、アレ下手したら全部「エウレカ―――!!」だったんじゃないのかと。
そうだとしたら、冒頭の自爆テロでキビシスの制御がきくようになった?後は、宇宙の彼方から「エウレカ―――!!」してたんですよね。ラブレスの攻撃を受けた時も、ブエナビスタの妨害を受けた時も、まんま最終回と同じく「それが罪と言うなら背負ってやる」の気概でもって突破してたんでしょう。
当然、星間宇宙船にペンギンみたく頭から突っ込んだ時だってレントンです。ということは「エウレ…パパ!?ママ!?」という、一方通行とは言え、実は感動の再開の場面だったんですよね、アレ。肩口で吹っ飛びそうになってるの、相当焦ったんじゃないでしょうか。その後、自分の死について両親が問いただし、エウレカが涙ながらに語る場面も、モロに見ていたことになります。その心情たるや。察するに余りあるとはこういうことです。監督の京田さんは今作をもってエウレカセブンを引退するそうですが、頼むから「EUREKAに副音声でレントンの心情ボイスが流れる版」だけは作ってから引退してくれ、という気持ちで一杯です。無限に叫んでて終始うるせぇ!ってなりそうだけども。

お人好しの世界

アイリスの雪月花アクセを目にした後の、発狂に発狂を重ねたような悲しい笑い。白ウルスラグナを迎撃する際の、エウレカに対する「お前も」という言葉。「夢から醒める夢」発言。死の間際に語った「現実には存在しないはずの雪月花」の話。ここに至って、ここまでやってきて、それでもなお「現実世界と思い込んでいたこの世界すら、誰かの夢、仮想現実でしかないかも知れない」という、デューイの行動原理の根幹を破壊する気付きです。当然、無数の仮想現実を作っては捨ててきた憎き創造主であり母のようでもあるエウレカすら、被造物であったということです。

いや、マジかよ。

完全に手詰まりで、ついに名前を呼ばれたレントンがレントンとして帰ってきて、いっそ清々しいほど陳腐なハートをぶちかました「エウレカセブン!」って感じのシーンの、その後に、雪月花のくだりの回想が入るんですよね。1度目は「やったー!レントンだー!」ってなってて脳がついていかなかったんですが、2度目で改めて確認して「いや、マジかよ」ってなりました。
もしかしたら、あの全てが整ったウルトラマンレントンなら「エウレカが”勝ち逃げヒロイン”にならずに済む」選択肢があったのかも知れません。きっとあったんでしょう。それをふいにしてでも世界を守るということは、何をやってもダメ、生きている資格が無い、誰かを大切に思ってはいけないと自己否定してきたこの10年と無限ループを、エウレカ自身が肯定してあげることだったのかな、と今は思います。

それでもやっぱり永遠になって欲しくはなかった。

ちゃんと生きて、ちゃんと死んで欲しかった。2人で。心情的には「気に入らなかった部分の話」どころの騒ぎではありません。ありませんが、これについてはアネモネが全部言ってくれたので「ありがとう、ありがとう…」と思いながら成仏することにしました。結果がご覧のバカみたいに長い感想文ですよチクショー。何なんだよそのペアリング。

おまけ:ドミニクとガリバーの行方

何か歌のお兄さんみたいになってました。デューイが初回のカチコミする時に、後ろにCM?みたいなのが見えます。ガリバーもそこに。

………っていう話を書きながら、2週目特典のラジオ聞いてたらね、全部喋ってました。吹き出しました。この世界を気に入ってしまい、まさかの「自分探しの旅」に出てしまったそうな。それから帰還したドミニクはアネモネのいるACIDの活動を広報するため、現在はまさかのまさかで「タレント活動をしている」そうで。ガリバーの方も「中に人がいる」という体裁で。
「ちなみに2人の関係は…?」の問いにも割と明確な回答がありました。冒頭でアネモネが指輪してたので「もしや?」と思っていましたが、看板でドミニクの方も指輪をしてるそうです。

ならばよし。

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