リザードンvs.カメックス

寝起きの太陽は朝焼けに間に合わずぶれぶれであった。宇宙に憧れる湖の飛沫は小さな蝶みたいに飛び散り蟻と芋虫は昼になってもまだ芝生に敷かれたブルーシートの上で眠っていた。彼らは天に昇る街灯と手に届く月の光をきっと夢みていた。

✴︎

リザードンとカメックスが争っているような梅雨の夕焼けであった。数秒後、空は、火星から脱走した腥い星の輝きと消防車の地球をも砕き割るサイレンの響きを見事な割合でかき混ぜ巨大なショッピングセンターに姿を変えていた。そこに我々は澄んだ雨水を強く希望した。

✴︎ ✴︎

人類の涙を慰める夜風と散歩していると、あの星空にホットケーキを焼いてみたいという気持ちが月の前を涼しげに羽ばたく鳥のように前頭葉の深部を通過した。けれど隣人は新発売のカップ麺を美味しそうに食べながら明日もぐるぐるまわる命の容れ物をアバウトにポイと投げ棄てていた。

✴︎ ✴︎ ✴︎

青雲に海をみるナマケモノとアルパカ。探究的なブルーギル。小さなピアノの前に佇む友だちと身長が同じぐらいのペンギン。

単純な夏の朝の風には純白な音符が流れていた.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?