モノクロの世界に秋がやってきた
二酸化炭素を必死に追いかけているあの子は季節が変わることを知らずに大人になってしまう。積乱雲をのんびり追いかけているあの少年は海を見たことがないまま大人になってしまう。今さっき仰向けに倒れたあの少女は?きっと夏と秋の境界線で遊んでいる。
「やあ、なにを考えているの?」
「モノクロの世界にも秋はやってくるのかな」
「なんて?」
「さあね」
「モノクロの世界に秋がやってきた」
「なんて?」
「そう言っていた、あの子が」
「そうかい」
「だれに伝えておこうか?」
「んー、、、神様、ちがう、神様が眠る秋の青空だ。それに墜落したひこうき雲だろ、あとは風を切ったシベリアンハスキー!あとはー、あとはーあの少年少女も!ぷはっ」
「急に喋りすぎだよ。決まり」
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