満月と台風とモスキートコイル






きみは

明るいのか

暗いのか


太陽に照らされているだけ

いや地球を照らしてくれている


人はそう言う





地球照
地球照とは、月の欠けて暗くなっている部分が、地球に照らされて、うっすらと見える現象である。
この現象は、地球で反射した太陽光が月にまで達し、その光がさらに月面で反射され、再度地球にまで戻ってくることによって生じる。(Wikipedia引用)


月が地球に照らされるという

自ら照らしているのものに、自らの暗い部分を照らされる

そしてまた照らす

光の譲り合いが優しく行われている


満地球

月からみえる丸い地球である

満地球は地球からみえる満月の70倍も明るい

月は地球なんて照らしているつもりはないのかもしれない。これだけ大きく明るいのだから

けれど地球も月を照らしているなんて考えてもいない



照らしていると思いきや照らされていたり

照らされていると思いきや照らしていたり

そして、どちらもそんなつもりはなかったり


結局


ただそこにいるだけなのだ


ただそこで光っているだけなのだ


意味も目的も正解もない



月は満月をしらない

地球は満地球をしらない


自らは自らのすべてをみれない


デンマークの童話作家・詩人

ハンス・クリスチャン・アンデルセンは言った

「目は目を見ることができない。指は指を指すことができない。誰でも自分のことは案外わからないものだ」


いったいほんとうに、どこにだれがいるのだろう




だれもいないところでは

鈴虫がなき

風鈴がなり

蚊取り線香の煙がゆれている

渦となった煙は明日の満月へと旅立っていく


台風はもうそこまできている














この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?